奈良県桜井市にある「長谷寺」は、四季を通じて色とりどりの花が咲くことから「花の御寺(みでら)」としても有名です。
中でも4月から5月にかけて見頃になる「牡丹(ぼたん)」や「桜」は美しく、毎年お花見の季節になると県外からもたくさんの人が訪れるほどの人気のお寺です。
その他にも、年間を通して四季折々の花が見られ、観音信仰の聖地でもあり、日本最大の観音像がご本尊となっています。
これから春を迎えるにあたって、ぜひ足を運んでいただきたい、奈良の有名なお寺です。
今回はそんな「長谷寺」をご紹介したいと思います。
長谷寺の歴史をご紹介します!
長谷寺は、初瀬山(桜井市)の中腹に位置し、創建は奈良時代と言われています。
ただし、創建されたのは推定で詳しい時期は不明となっています。
長谷寺は、大和国弘福寺(くふくじ)の僧である道明上人(どうみょうしょうにん)が、天武天皇のために「銅板法華説相図」(どうばんほっけせっそうず)をこの地に安置したことが始まりです。
その後、道明上人が聖武天皇の発願によって、ご本尊である「十一面観世音菩薩」を祀ります。
このときに、初瀬山の東に伽藍(がらん)を造り「十一面観世音菩薩」を祀ったのが、長谷寺の始まりです。
道明上人は観音信仰に厚く、長谷寺はその根本道場とも呼ばれており、長谷信仰は全国に広がっていきます。
現在も、真言宗豊山脈の総本山として、信仰を集めているお寺なのです。
長谷寺のご利益は?
日本最大級の観音像が祀られているお寺ですが、そのご利益は「美」。
春と秋に行われる特別拝観では、普段は入ることができない聖堂に入ることができ、観音様の御足に触れることができるため「美」やその他のパワーをいただきたい人たちが、県外からもやってきます。
お堂の中だけではなく、春には桜は牡丹、初夏には紫陽花、秋には紅葉と美しい四季を感じることもできるので、自然の美しさのパワーも取り入れることができますね。
長谷寺の見どころ
どっしりとした仁王門
山門である「仁王門」は、両側に仁王像、上階には釈迦三尊と十六羅漢が祀られています。
重みのある厚い屋根の仁王門が建設されたのは、西暦986年から1011年とされていますが、現在建っている門は、1894年に再建されました。
階段の下から仁王門を見上げると、まるでこちらに向かってくるかのような迫力。
しかし、細部に渡って繊細な装飾も施され、5月から6月にかけては美しいフジの花が門の東側に咲き誇ります。
本堂に続く399段の長い登廊
仁王門をくぐると、そこには399段の長い階段でる「登廊」があります。
天井には長谷型と言われる丸い灯籠が吊るされており、大晦日の夜は灯りがともされて、新しい年を迎えるにあたってとても荘厳な雰囲気になるのです。399段の階段は、上・中・下と分けられており、1月から2月までは冬牡丹、4月下旬から5月下旬には牡丹の花を楽しむこともできます。
日本最大級の観音様を祀る本堂
「十一面観世音菩薩」を祀った本堂は、聖堂と礼堂をつなげて造った「双堂」という造りになっています。
山の斜面に建てられており、少し清水の舞台と似た面持ちがあります。
「十一面観世音菩薩」は、9.18メートルの高さがあり、じつは昔話の「わらしべ長者」に出てくる観音様こそ、この長谷寺に祀られている観音様と言われているのです。
昔話の中で「願いを叶えたい」という若者に、観音様は「最初に手に取るものを大切にしなさい」と教えます。
その若者はその教えを受けた後、本堂を出た後に転び一本のわらを掴み、そこから色々な物と物々交換をして、最後には大金持ちになり幸せを掴み取るのです。
その若者に成功のチャンスを与えた観音様が、長谷寺の「十一面観世音菩薩」なのです。
観音様の足に触れるチャンスは、春や秋、そして特別祈願祭の時期のみですので、ぜひ足に触れて、幸せを掴んでみましょう。
手舎水
龍の口から出る手舎水には、季節にちなんだ花が添えられます。
紫陽花の季節は、手舎水も紫陽花で飾られて、一段と美しさを醸し出します。
訪れたときは、龍の好きな丸い球の変わりに、ガラスの器にビー玉やおはじきが入れられており、こちらもまた風情があり良いものでした。
多様な御朱印
長谷寺には5種類の御朱印があり、「大悲閣」「御詠歌」「慈悲彿」「大黒天」「愛染明王」の御朱印があります。
この他にも季節限定や、復刻版の御朱印、記念御朱印もあるので、御朱印集めが楽しくなりそうですね。
大黒堂
縁結びや商売繁盛、財運にご利益のある大黒堂もあります。
大黒天様の打ち出の小づちと、夫婦円満、良縁の石があり、それに触れるとご利益があるとか。
長谷寺では、大黒天の縁日である甲子の日に、ご祈祷法要も行っています。
その他の見どころ
じつは長谷寺には、ご紹介した以外にも五重塔や、本坊など境内の地図によると13ヶ所の見どころがあり、主な参拝ルートとしては開山堂経由(所要時間30分)、奥の院経由(所要時間40分)と別れています。
また、季節の花で有名はお寺なので、春はソメイヨシノや奈良八重桜、初夏にはフジの花、紫陽花、夏は蓮やスイレン、秋は紅葉とツツジ、冬も牡丹やサザンカといった、その時期にしか見られないお花を満喫することができるのです。
長谷寺へのアクセス
・長谷寺
住所:633‐0112 奈良県桜井市初瀬731-1
TEL:0744‐47‐7001
駐車場あり
大型車2000円/日
普通車500円/日
二輪車200円/日
入山料金
・個人
大人500円
中・高校生500円
小学生250円
障がい者手帳掲示の場合250円(同伴者1人に限り障がい割引適応)
入山時間
8:30~17:00(4月から9月)
9:00~17:00(10月~11月、3月)
9:00~16:30(12月~2月)
まとめ|美しい花の御寺
奈良の桜井市にある長谷寺をご紹介しました。
ここでは紹介しきれないほどの見どころが万歳のお寺で、歴史ある風情はとても荘厳です。
奈良に行った際には、ぜひ長谷寺へ参拝に足を運んでみてくださいね!