滋賀県大津市にある『日吉大社』は全国におよそ3,800社以上ある日吉・日枝・山王神社の総本宮です。
また、平安京から見ると鬼門の方角に位置することから方除け・厄除けのご利益で信仰を集める滋賀県屈指のパワースポットです。
境内は、東京ドーム10個分の広さを誇り、山の神様を祭る『東本宮エリア』、縁結びの神様の鎮まる『西本宮エリア』、日吉大社始まりの地『奥宮エリア』などからなります。
今回はそんな『日吉大社』歴史やご利益などを分かりやすくご紹介します。
- 1 日吉大社の歴史から学びましょう!
- 2 日吉大社の見どころ
- 3 西本宮エリア
- 4 東本宮エリア
- 5 奥宮エリア
- 6 御朱印|96枚目の御朱印
- 7 アクセス|大阪・京都エリアからのアクセス良い
- 8 まとめ|滋賀最高のパワースポット
日吉大社の歴史から学びましょう!
まずは『日吉大社』の歴史から学びましょう。
『日吉大社』の歴史は古く、『古事記』に『大山咋神(おおやまくいのかみ)、亦(また)の名を山末之大主神(やますえのおおぬしかみ)。此の神は近淡海国の日枝の山に坐し』と、記載があります。
古事記は712年に編纂された日本最古の歴史書のことで、この『日枝の山』こそ、後の比叡山です。
日吉大社は、崇神天皇(すじんてんのう)によって7年に創祀されたということなので、2100年以上の歴史を有しているということになります。
平安京に遷都後は、都である京都の鬼門・北東にあたることから、鬼門除けや災難除けとして崇敬されてきました。
また、平安時代に伝教大師最澄が比叡山に延暦寺を建立した後、日吉大社を地主神とし、比叡山と天台宗の守護神として崇敬したのです。
『山王権現』と呼ばれるようになったのは、この頃からで、中国(唐)の天台宗の総本山に祀られていた『山王元弼真君(さんのうげんひつしんくん)』にならったからとされています。
現在の社殿の大半は戦国武将・織田信長による比叡山の焼き討ち以後、江戸時代初期に再建・建立されたものなのだそう。社は古事記にも記されている神社になります。
日吉大社の見どころ
それでは『日吉大社』の見どころをご紹介します。
『日吉大社』は山王七社からなり、2つの本宮(西本宮、東本宮)と5つの摂社(牛尾宮、三宮宮、樹下宮、宇佐宮、白山宮)があります。
東本宮:大山咋神(おおやまくいのかみ)
樹下宮:鴨玉依姫命(かもたまよりひめのかみ)
三宮宮:鴨玉依姫命荒魂(かもたまよりひめのかみのあらみたま)
宇佐宮:田心姫神(たごりひめのかみ)
白山宮:菊理姫命(くくりひめのかみ)
ご利益は、方除け・厄除け・厄払い、縁結び、家内安全、夫婦和合、商売繁盛、子宝などとなり、山王七社は是非とも参拝しておきたいお社です。
境内のほとんどの建物が文化財に指定されています。
西本宮エリア、東本宮エリア、奥宮エリアに集中していますので、くまなく巡ることをおすすめします。
西本宮エリア
まずは西本宮エリアからです。
西本宮は特に厄除けや勝負運のアップにいいとされています。
東本宮と西本宮を合わせて参拝するとご利益があるといわれています。
山王鳥居
こちらが西本宮エリアの入り口にあたる『山王鳥居』です。
笠木の上に三角形の装飾があるのが特徴です。
日吉大社に参拝するためには入苑協賛金(大人300円、子人100円)を納める必要があります。
『山王鳥居』までの間に西受付がありますのでそちらで納めます。
総社(そうじゃ)
山王鳥居を入ってすぐにある『総社』です。
境内の中でも重要な山王上七社、中七社、下七社の神々を合わせ祀る神社です。
平将門討伐祈願の社と伝えられています。
子安子立社(こやすこたちしゃ)
『総社』のお隣にある『子安子立社』です。
安産、子育て、子孫繫栄のご利益が期待できます。
子安社=イザナギノミコト
子立社=イザナミノミコト
元々は別の神社だったが、現在は夫婦仲良く合わせて祀られています。
日本の国造りをされた夫婦神であり、アマテラス・スサノオの神の親神。
祇園岩(ぎおんいわ)
西本宮に向かって進んで行くと『祇園岩(ぎおんいわ)』と呼ばれる祇園の神様が降り立つ霊石があります。
牛頭天王が宿るといわれる霊石で石の窪みに溜まった水で目を洗うと良いといわれています。
大威徳石(だいいとくいわ)
更に進むとこちらにあるのは『大威徳石』です。
仏法を守護する大威徳明王が宿る霊石で西方の守護神といわれています。
日吉大社の霊石の一つです。
神馬(しんめ)舎
西本宮楼門に向かう参道右手にある『神馬舎』です。
神馬は神様のお乗りになる馬であり、神様への捧物(ほうもつ※神仏へ捧げるもの)でもあります。
山王祭にも神馬の渡御(とぎょ※天皇・みこしなどが出かけて行くこと)があります。
馬は知性的で『柔順』、『活力』を象徴し、『武運』、『勝利』と『力』を記念して絵馬が奉納されています。
『入試』、『勝負事』の勝利を祈願しましょう。
神猿(まさる)舎
『神馬舎』にお隣に『神猿舎』があります。
『神馬舎』は模型が置かれていますが、『神猿舎』では本物の猿が飼われています。
古来から境内で神猿は飼われており、室町時代の記録には既に登場しています。
江戸時代には神猿に対して大人一人が一年に食べるお米の予算が確保されていました。
『日吉大社』は猿が神の使いとして有名であり、その猿の名は神猿(まさる)さん!
元々比叡山に多数生息していた猿が、いつの頃からか魔除けの象徴として扱われるようになったそうです。
まさるは『魔が去る』、『何よりも勝る』ということでつけられた名で、とても縁起のよいお猿さん。
『神猿』で『まさる』と読むのは、もともとは日吉大社に仕える猿を真の猿、まさると読んでいたものを『真』の字の代りに『神』の字を当てたところから『神猿』で『まさる』と読むようになったとされています。
西本宮楼門
こちらが重要文化財に指定されている『西本宮楼門』です。
楼門の軒下に魔除けの『神猿(まさる)』さんがいるので是非探してみてください。
西本宮拝殿
こちらは重要文化財に指定されている『西本宮拝殿』です。
1586年(天正14年)に再建されました。
西本宮本殿
こちらは国宝に指定されている『西本宮本殿』です。
こちらも1586年(天正14年)に再建されました。
ご祭神:大己貴神(おおなむちのかみ)
神猿さんグッズ
『日吉大社』には神猿さんの授与品がたくさんあります。
中でも人気のあるのはお猿の形をした『神猿みくじ』。
おみくじといっても筒を振って棒を出すのではなく、ズラリと並ぶかわいい神猿さんの中から気に入った神猿さんを選ぶという方式。
実は神猿さんのお尻の赤い紐を引っ張るとおみくじが現れるのです。
おみくじを引いたあとの神猿さんは置物として使えますので、持って帰って玄関や神棚に飾って厄除けを願いましょう。
ちなみに茶色の神猿さんは魔除け・厄除けに効き、金色の神猿さんはそれに加えて金運にもご利益が期待できます!
おみくじの他にも神猿さん授与品は多数あります。
もっとも代表的なのは『神猿守』。かわいい見た目ですが、『魔が去る・何よりも勝る』という神猿さんの厄除け・必勝のご利益を授かることができるこのお守りは外せません!
『西本宮本殿』横の参道から抜けて『宇佐宮』、『白山宮』を横に見ながら直進し『東本宮』へ向かいます。
途中『三宮遥拝所』、『牛尾宮遥拝所』の前を通りますがまずは『東本宮』へ進みましょう。
大宮竈殿社
西本宮を出るとすぐにあるのが『大宮竈殿社(おおみやかまどのしゃ)』です。
ご祭神は『奥津彦神(おきつひこのかみ)』、『奥津姫神(おきつひめのかみ)』で西本宮の御祭神、大己貴神の食事・調理を司る神です。
大宮竈殿社の裏手には、使い終えた庖丁を納める庖丁塚がありました。
宇佐宮
宇佐宮エリアをご紹介します。
こちらが宇佐宮の拝殿になります。
宇佐若宮(うさわかみや)
ご祭神:下照姫神(したてるひめのかみ)
ご利益:美容、縁結び
宇佐竈殿社(うさかまどのしゃ)
ご祭神:奥津彦神(おきつひこのかみ)、奥津姫神(おきつひめのかみ)
ご利益:家庭守護、調理上達、火防
宇佐宮・田心姫神の食事・調理を司る神様。
清浄を尊ぶ神、家庭の守護神として信仰されました。
気比社(けひしゃ)
ご祭神:仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)
伝教大師の時代(平安初期前後)に勧請。第14代天皇。
大津市穴太付近にあった高穴穂宮にて即位と伝わっています。
山王二十一社の一つ。下七社に列します。
ヤマトタケルの子、皇后は神功皇后(じんぐうこうごう)、応神天皇(八幡神)の父。
白山宮
白山宮エリアをご紹介します。
こちらが白山宮の本殿になります。
ご祭神:菊理姫神(くくりひめのかみ)
ご利益:仲裁の神、夫婦和合、縁結び
858年(天安2年)、この地に降臨されたと伝えられています。
福井、石川、富山、岐阜にまたがる霊峰白山の神様です。
『日本書紀』の神話には、イザナギ・イザナミの夫婦神の仲を取り持ったと記されています。
仲裁の神様です。
四つの摂社
左から順にご紹介。
劔宮社(つるのみやしゃ)
ご祭神:瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
ご利益:金運上昇、武運長久
葦原中国(あしはらのなかつくに※日本神話において、高天原と黄泉の国の間にあるとされる世界。日本の国土)を治めるために、高天原(たかまがはら、たかあまはら※神々が生まれ、住まう場所の名前)より降り立たれた神様です。
天照大神の孫神、神武天皇の曽祖父伸にあたります。
858年(天安2年)の創建と伝えられ、石川県白山市鶴来鎮座『金劔宮(きんけんぐう)』のご分霊です。
小白山社(こしらやましゃ)
ご祭神:大己貴神(おおなむちのかみ)
ご利益:医薬、厄除け、縁結び
858年(天安2年)、北陸の霊峰白山より、山王七社の白山宮に併せて勧請されました。
八坂社
ご祭神:素佐之男尊(すさのおのみこと)
ご利益:疫病退散、縁結び
京都・祇園祭で有名な八坂神社の神様です。
泣き嘆いたり、イタズラをしたりする、とても人間味のある神様です。
ヤマタノオロチを退治し櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)を助け、妻にしました。
北野社
ご祭神:菅原道真公
ご利益:受験合格、試験合格、諸芸上達
学問の神として有名な菅原道真公、『天神様』がお祀りされています。菅原道真公は生前、詩歌や武芸にも秀でていたと言われています。
救済地蔵(おたすけじぞう)
こちらは東本宮エリアに向かう途中にある『救済地蔵』です。
忍耐地蔵(しんぼうじぞう)
『救済地蔵』も先に大杉のご神木の中に『忍耐地蔵(しんぼうじぞう)』が隠れています。
高く伸びる大樹の重さに忍耐(しんぼう)しながら我々を見守り、忍耐することの大切さを教えて下さっています。
恵毘須社
東本宮エリアに向かう参道にある『恵毘須社』です。
ご祭神:事代主神(ことしろぬしのかみ)
ご利益:商売繫昌、金運上昇、福の神、開運
七福神の神様、通称『えべっさん』の名前で親しまれています。
商売繫昌・金運上昇の神様です。
社殿をノックしてお参りすると願いが届くと言われています。
また四方、どの方角からもお参りできるように、社殿から少し離れて石垣が組まれています。
東本宮エリア
次に東本宮エリアをご紹介します。
東本宮楼門
こちらが『東本宮楼門』です。
この先の左の建物が重要文化財で摂社の『樹下宮(じゅげぐう)本殿』、右が『樹下宮拝殿』、真ん中は重要文化財の『東本宮拝殿』で奥には国宝の『東本宮本殿』があります。
樹下宮本殿
楼門を入ったらすぐに見えるのが『樹下宮』です。
ご祭神:鴨玉依姫命(かもたまよりひめのかみ)
安産・子育て・健康長寿のご利益があるとされています。
樹下宮の向かいには2本のナギの木があります。
雄ナギの木は女性が男性の幸せを、雌ナギの木は男性が女性の幸せを祈る木とされてます。
この樹下宮のエピソードに魅力を感じ、参拝する観光客も多いです。
東本宮本殿
こちらは国宝の『東本宮本殿』で、1595年(文禄4年)に『西本宮本殿』に続いて再建されました。
お社にいる大きな狛犬特徴的です。
ご祭神:大山咋神(おおやまくいのかみ)
猿の霊石
東本宮参道の脇には『猿の霊石』と呼ばれる霊石があります。
正面からみとまるで、猿がしゃがんでいる姿に見えるという事です。
奥宮エリア
健脚で時間があれば是非山頂にある摂社の『三宮宮(さんのみやぐう)』、『牛尾宮(うしおぐう)』と『金大巌(こがねのおおいわ)』も参拝もおススメです!
『金大巌』は日吉大社の始まりの地ともいわれています。
ここから『金大巌』までは往復で1時間は必要なので、登る際は登りやすい靴で覚悟を決めて登りましょう!
三宮遥拝所
山頂まで行くのが厳しい方は下に遥拝所がございます。
こちらは1キロ登った所に山王七社の一つ『三宮』が鎮座し、その遥拝所です。
ご祭神:鴨玉依姫神荒魂(かもたまよりひめのかみのあらたま)
ご利益:安産、子育て、健康長寿
ここより1キロ登った所に山王七社の一つ『三宮』が鎮座し、その遥拝所です。
樹下宮・鴨玉依姫神の和魂(にぎみたま)に対する・荒魂(あらみたま※力強く積極的な御魂)が祀られています。
大山昨神(おおやまくいのかみ)の妃神(ひめがみ)です。
牛尾宮遥拝所
『三宮遥拝所』のお隣にある『牛尾宮』の遥拝所です。
ご祭神:大山咋神荒魂(おおやまくいのかみのあらたま)
ご利益:山林守護、治水・土木、家内安全
ここより1キロ登った所に山王七社の一つ、牛尾宮が鎮座し、このお社を麓から拝めます。
東本宮・大山咋神の和魂(にぎみたま)に対する、荒魂を祀ります。
比叡山の神様です。
牛尾宮
片道30分の道を黙々と登ると重要文化財の『牛尾宮』が崖上に建っています。
『牛尾宮』は1599年(慶長4年)に建てられた桃山時代の特徴をよくあらわした建築物です。
三宮
こちらは『牛尾宮』の向かいにある『三宮宮』です。
『牛尾宮』と同じく1599年(慶長4年)に建てられました。
金大厳(こがねのおおいわ)
牛尾宮・三宮の間にある10メートルほどの大岩が『金大巌』です。
大山咋神が東本宮に祀られる以前に宿っていたとされる岩で、日吉大社の始まりの場所ともいえます。
『金大巌』は小さな運気を短期間で大きく育ると言われており、一発逆転できるパワースポットとして人気です。
御朱印|96枚目の御朱印
日吉大社には全部で16種類の御朱印があります。
日吉大社の御朱印:1種類
山王七社の御朱印:7種類
権現名の山王七社の御朱印:7種類
日吉大社の金の御朱印:1種類
日吉大社の御朱印は、西本宮の楼門をくぐった左手にある授与所でいただくことができます。
御朱印の初穂料は300円です。
アクセス|大阪・京都エリアからのアクセス良い
JR湖西線『比叡山坂本駅』下車:徒歩18分(1.3km)
京阪石山坂本線『坂本比叡山口駅』下車:徒歩8分(550m)
無料駐車場あり:収容台数50台
日吉大社:〒520-0113 滋賀県大津市坂本5丁目1−1
まとめ|滋賀最高のパワースポット
『日吉大社』は如何でしたでしょうか?
境内はさすがに霊場・比叡山の麓に位置するだけあって、凛とした空気の張りつめた神々しい雰囲気が漂っていました。
強力なパワースポットであることは足を踏み入れれば雰囲気ですぐに感じるはず。
是非『日吉大社』の雰囲気も味わってみてください。
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