兵庫県淡路島にある『伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)』は国生みの神『伊弉諾尊(いざなみのみこと)』が余生を過ごした所であり、『古事記』・『日本書紀』の冒頭『国生み神話』に登場する、国生みの大業を果たされた『伊弉諾尊』と『伊弉冉尊(いざなみのみこと)』の二柱をお祀りする神社です。
島全体がパワースポットと言われる淡路島にあるという事、『日本』という国を造った神様『伊弉諾尊』・『伊弉冉尊』が祀られているといったことから、『伊弉諾神宮』には歴史マニアからパワースポットマニアまでたくさんの観光客が集まります。
今回は『伊弉諾神宮』の起源や境内の見所、ご利益、御朱印、アクセスなどを分かりやすくご紹介します。
伊弉諾神宮の起源を簡単にご紹介
まずは『伊弉諾神宮』の起源や歴史を分かりやすくご紹介します。
日本神話によると、日本列島ならびに日本の神々は、1組の夫婦神によって生み出されたといいます(※国生み伝承)。
その夫婦神が男神の『伊弉諾尊』と女神の『伊弉冉尊』です。兵庫県淡路市多賀にある『伊弉諾神宮』はその夫婦神を祀っています。
『古事記』、『日本書記』の冒頭で登場する、国生みに始まるすべての神功を果たされた『伊弉諾尊』が御子神である『天照大御神(あまてらすおおみかみ)』に国家統治の大業を委譲され、最初に生んだ淡路島多賀の地に『幽宮(かくりのみや)※終焉の御住居』を構え、そこに鎮まったと記されており、その『幽宮』が『伊弉諾神宮』の起源だと伝えられています。
『幽宮』で余生を過ごした『伊弉諾尊』が亡くなられた後、その敷地に御陵(※お墓)が築かれ、祀られました。
これが神様を祀った最初とされているため、『伊弉諾神宮』は日本最古の神社とされています。
また、2004年には、平安から鎌倉期のものと思われる『伊弉冉尊』を現したご神像9体が新たに発見されました。
国生み伝承とは・・・
天地初発(あまつちはじめ)の時、男女の性別のない神様が次々に生まれていたところ、ついに性別のある神様が生まれ、その神様の一人が男性である『伊弉諾尊』と『伊弉冉尊』である。
『伊弉諾尊』と『伊弉冉尊』は天浮橋(あめのうきはし)に立ち、天沼矛(あめのぬぼこ)で大海原をかき回し、矛の先から滴り落ちた雫が『淤能碁呂島(おのごろじま)』となります。
そして二神はこの島に降り立って国産みの儀式を執り行い、最初に生まれたのが『淡路島』であり、続いて『四国』、『隠岐』、『九州』などの『大八嶋(おおやしま)の国』が生まれ、日本の国土が出来上がったとされます。
伊弉諾神宮のご祭神と期待出来るご利益
まずは『伊弉諾神宮』のご祭神と主なご利益からご紹介します。
ご祭神
伊弉諾尊(いざなぎのみこと):最古の夫婦神の一つ(夫婦婚姻の神)、初めて禊ぎを行った神、縁結の神、多くの神々を産み落とした神で日本の国土を作り上げた創造神
伊弉冉尊(いざなみのみこと):最古の夫婦神の一つ(夫婦婚姻の神)、数多くの神々を産み落とした子授の神、黄泉国の主宰神、万物を生み出す神、創造神、海の神、製鉄の神
『伊弉諾尊』と『伊弉冉尊』は日本神話を代表する、この国や神様を生んだ祖先神としてパワーは超絶です。
ご利益
夫婦円満、安産・子授け、子育大願、子孫繁栄、縁結び、厄除開運、良縁祈願、心願成就、心身浄化、病気平癒など
伊弉諾神宮の見所をご紹介
それでは境内の見所を入り口から順に分かりやすくご紹介していきます。
大鳥居
まず初めに『伊弉諾神宮』に入るときにある最初の鳥居がこちらの『大鳥居』です。
この鳥居は新しいようで、以前のものは、阪神・淡路大震災で倒壊したそうです。
さざれ石|君が代のさざれ石
『大鳥居』を抜けて、すぐ右側にあるのが『さざれ石』です。
あの日本の国歌の中に出てくる『さざれ石』です。
陽の道しるべ|伊弉諾神宮の凄さが分かる
こちらは鳥居から入ってくると左手にある『陽の道しるべ』です。
『伊弉諾神宮を中心とした太陽の運行図』を紹介する東西南北を指しているモニュメントです。
引用:https://tripnote.jp/awaji-shima/awajishima-izanagi-jingu
こちらが『太陽の運行図』です。
『伊弉諾神宮』を中心に、神話の舞台・大社の位置関係を確認してみて下さい。
東 ⇒⇒⇒ 飛鳥藤原京・伊勢皇大神宮(内宮)
西 ⇒⇒⇒ 対馬国一宮の海神神社(かいじんじんじゃ)
南 ⇒⇒⇒ 論鶴羽神社(ゆづるはじんじゃ)
北 ⇒⇒⇒ 但馬国一宮の出石神社(いずしじんじゃ)
冬至 ⇒⇒ 日の出の方角に熊野那智大社。日没の方角に高千穂神社
夏至 ⇒⇒ 日の出の方角に信濃国一宮の諏訪大社。日没の方角に出雲国の一宮の出雲大社
それぞれの由緒正しい神社が正確に計算されたように『伊弉諾神宮』を中心に配置されています。
何か神秘的なエネルギーを感じますね。『日本最強のパワースポット』と言われる所以はここにもあるかもしれません。
手水舎
門に入る前にある『亀の手水舎』も見所ポイントです。
その名の通り、水が出ている吐水口が珍しい事に『亀』なのです。
放生の神池|病気平癒を祈願
門に入る手前右側にある『放生(ほうじょう)の神池』です。
その昔『伊弉諾神宮』周辺に壕がめぐらされていてその名残です。
現在の神池は、かつてあった濛の状態ではなく、明治時代に整備された姿です。
『放生(ほうじょう)』とは鳥や魚を放す事。古くは『放生神事』という行事があり、ここで生き物を放す事で、命の永遠を祈っていました。
今でも、放生の習慣が残っているそうで、『病気平癒』のための命乞いには『鯉』を放ち、そのお礼参りには『亀』を放つのだそうです。
こちらは神池にある『延壽宮』で水神様が祀られています。
正門
こちらが『正門』になります。一間一戸四脚門の重厚な門です。
扁額には『一宮皇太神』と書かれています。
拝殿・本殿
『正門』から入って正面にある『拝殿』です。『拝殿』は明治15年に再建された、入り母屋造りの横に長く舞殿を備えた建物です。
こちらが『本殿』です。
明治初年から同20年にかけての官費による大造営で、最初に改築(新築)されたのが『本殿』で、明治9年に竣功しました。
この本殿の後には、『伊弉諾大神』の御陵があり神代から禁足でした。『本殿』の竣功に引き続いて、御陵の墳丘を覆うように二重に基壇を設け、真新しい本殿を御陵の真上に移築したのは、明治12年のことです。
130年以上経過していることになりますが、檜皮葺の見事な美しさ、伊勢神宮の唯一神明造にも匹敵する簡素なフォルムの建築美に圧倒されます。
伊勢皇大神宮遙拝所|伊勢神宮を参拝
ここの真東に伊勢の皇大神宮皇大神宮が鎮まっています。
淡路祖霊社
こちらは明治8年に創祀された『淡路祖霊社』です。
東門の先にあり、淡路出身者の先賢、明治屯田兵、日清、日露、大東亜の英霊並びに伊弉諾神宮歴代の祝職がお祀りされています。
岩楠神社|子孫繁栄、夫婦円満、延命長寿
こちらは『岩楠神社』です。
ご祭神は伊弉諾尊と伊弉冉尊が最初に生んだ神とされる『蛭子命(ひるこ)』がお祀りされています。
ご利益は子孫繁栄、夫婦円満、延命長寿です。
夫婦大楠|安産・子授け・夫婦円満のパワースポット
こちらの『夫婦大楠(めおとおおくす)』は『岩楠神社』のすぐ近くにあり、『伊弉諾神宮』で人気のスポットなっています。
樹齢約900年、高さ30m余りを数える『伊弉諾神宮』の『伊弉諾尊』、『伊弉冉尊』の二神の御神霊が宿る御神木で兵庫県指定の天然記念物でもあります。
元は2つの楠が、下のほうは、完全につながって一体化しています。これが『夫婦大楠』の名前の由来です。
何本の木が1本になったと言うことで『夫婦円満』、『安産子授』、『縁結び』などのご利益があるという事で特に女性に人気です。
毛根記念碑|髪⇒かみ⇒神・上
『夫婦大楠』の真裏に、頭髪感謝の『毛根記念碑』があります。
リーブ21が全国の毛髪に携わる人々の『毛髪への感謝をする発場』となると建立に賛同して奉賛しました。
『髪』は『かみ』と読み、『神』や『上』に通ずる語彙であり、太古から頭髪を生命の象徴として、霊魂の宿るものとして神聖化されてきたそうです。
左右神社|眼病治癒
さらに奥に進むと『本殿』の真横に『左右神社』があります。
ここには『天照皇大御神』と『月読尊(つくよみのみこと)』がお祀りされています。
この二神は、『伊弉諾尊』の両目から生まれたんですね!
神話では、黄泉の国から帰って来た『伊弉諾尊』が、その穢れを祓おうと禊洗いした時に色々な神様が誕生しましたが、その時に『三貴子(みはしらのうずのみこ、さんきし)』と呼ばれる尊い神様が産まれました。
天照大御神:左目を洗った時
月読命:右目を洗った時
健速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと):鼻を洗った時
つまり、左右の目から天照大御神と月読命が産まれたので『左右神社』というわけです。
目から産まれたこのパワーの強い神様は『眼病治癒』にご利益があると言われています。
鹿島神社・住吉神社|農業守護、武運長久
更に奥に進むと『鹿島神社・住吉神社』があります。
ご祭神は左手に『武甕槌神(たけみかづちのかみ)』と『経津主神(ふつぬしのかみ)』、右手に『住吉三神』がお祀りされています。
ご利益は農業守護、武運長久です。
根神社・竈神社|災難除け、火防の神
『本殿』の左手奥には『根神社』と『竈神社』があります。
ご祭神は左手は『伊弉諾尊』と『伊弉冉尊』の子である『素戔嗚尊(すさのおのみこと)』、右手に『奥津彦命(おきつひこのかみ)・奥津姫命(おきつひめのみこと)』がお祀りされています。
ご利益は酒造や醸造の守護神、災難除け、火防の神です。
昭和天皇御手植
『拝殿』の右手には、昭和天皇が植えられた楠の木があります。
大正11年11月30日、皇太子だった頃に御観拝された際に御手植されています。
力石
『正門』をくぐってすぐの左手に『力石』が置かれています。
祭壇で奉納相撲や力試しが行われ、大石を持ち上げたり運ぶ距離を競ったりするのに使われている石です。
音声では特にオススメのスポットをご紹介
御朱印|17枚目の御朱印を頂きました!
こちらが御朱印になります。
アクセス|大きい駐車場があるから安心!
神戸淡路鳴門自動車道『津名一宮IC』から車で10分ほど。
無料駐車場があります。
伊弉諾神宮:〒656-1521 兵庫県淡路市多賀740
まとめ|伊弉諾神宮は神秘的な神社!
日本という国を作った『伊弉諾尊』と『伊弉冉尊』が祀られている『伊弉諾神宮』はとてもミステリアスな所もあり、神秘的な所もあり、沢山の見所がある神社です。
遠い昔、『伊弉諾尊』が余生を送った場所である『伊弉諾神宮』を参拝してみては如何でしょうか。
近くにあるお薦め神社をご紹介しております!
ここ『自凝島(おのころ島)神社』は、同じ淡路島にある『伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)』とともに、『国生み神話』と深い関わりがある神社で、縁結びや安産のご利益があるとして、特に女性に人気がある神社です。 恋愛運アップをしたい方には、非常[…]