日本には数多くの神社仏閣があり、それぞれの神社には祀られている神様がいます。神話や伝説を知ることで、神社巡りがより楽しく、意義深いものになります。今回は、日本神話に登場する代表的な神様や、そのご利益、関連する神社を詳しく紹介します。
1. 天照大神(あまてらすおおみかみ) – 日本の最高神
ご利益
- 国家安泰
- 開運招福
- 家内安全
エピソード
天照大神は、日本神話の最高神であり、太陽の神です。『古事記』や『日本書紀』には、弟の須佐之男命(すさのおのみこと)が乱暴を働いたため、天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまい、世界が暗闇に包まれた話が記されています。八百万の神々が集まり、踊りやお祭りをして天照大神を誘い出すことで、再び光が戻ったとされています。
関連神社
- 伊勢神宮(三重県):日本の最高神を祀る、最も格式の高い神社。
- 天岩戸神社(宮崎県):天照大神が隠れたとされる洞窟がある。
2. 大国主命(おおくにぬしのみこと) – 縁結びの神
ご利益
- 縁結び
- 商売繁盛
- 国家安泰
エピソード
大国主命は国造りの神で、出雲大社に祀られています。「因幡の白兎」の神話では、白兎を助けたことで運命の女性・八上姫(やがみひめ)を紹介され、縁結びの神としても有名になりました。また、国を譲る際に、天照大神に国を譲った見返りとして、出雲大社が造営されたと伝えられています。
関連神社
- 出雲大社(島根県):日本有数の縁結び神社。
- 出雲大神宮(京都府):「元出雲」とも呼ばれる古社。
3. 須佐之男命(すさのおのみこと) – 厄除け・勝負の神
ご利益
- 厄除け
- 勝負運
- 開運招福
エピソード
須佐之男命は天照大神の弟で、荒ぶる神として知られています。しかし、出雲の地でヤマタノオロチを退治し、草薙剣(くさなぎのつるぎ)を手に入れたことから、英雄的な一面も持っています。その剣は後に天皇家に伝わり、三種の神器のひとつになりました。
関連神社
- 八坂神社(京都府):須佐之男命を祀り、厄除けのご利益がある。
- 熊野大社(島根県):須佐之男命が統治したとされる出雲の神社。
4. 猿田彦命(さるたひこのみこと) – 道開きの神
ご利益
- 交通安全
- 開運招福
- 新しい道を切り開く
エピソード
猿田彦命は、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天孫降臨をする際に、道案内をした神です。道開きの神として信仰されており、新しいことを始める人や旅人に特に人気があります。
関連神社
- 猿田彦神社(三重県):導きの神として有名。
- 椿大神社(三重県):猿田彦命を主祭神とする。
5. 菅原道真(すがわらのみちざね) – 学問の神
ご利益
- 学業成就
- 合格祈願
エピソード
平安時代の学者・政治家である菅原道真は、無実の罪で左遷された後、亡くなりました。その後、都で雷や疫病が発生したため、彼の怒りを鎮めるために神として祀られました。現在では学問の神として受験生に人気です。
関連神社
- 太宰府天満宮(福岡県):菅原道真の墓所に建てられた。
- 北野天満宮(京都府):学問の神を祀る全国天満宮の総本社。
6. 恵比寿神(えびすしん) – 商売繁盛の神
ご利益
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
エピソード
七福神の一柱であり、漁業や商売の神です。元々は大国主命の子・事代主神(ことしろぬしのかみ)ともいわれています。商売繁盛を願う「十日戎(とおかえびす)」の祭りが全国各地で行われます。
関連神社
- 西宮神社(兵庫県):全国のえびす神社の総本社。
- 今宮戎神社(大阪府):商売繁盛のご利益がある。
7. 倉稲魂命(うかのみたまのみこと) – 五穀豊穣・商売繁盛の神(稲荷神)
ご利益
- 五穀豊穣
- 商売繁盛
- 家内安全
エピソード
稲荷神社の主祭神であり、農業や商業の守護神です。狐が神の使いとされ、全国に4万社以上の稲荷神社があります。赤い鳥居が連なる伏見稲荷大社が特に有名です。
関連神社
- 伏見稲荷大社(京都府):全国の稲荷神社の総本社。
- 豊川稲荷(愛知県):商売繁盛を願う人々に人気。
まとめ
日本の神話や伝説に登場する神々を知ることで、神社巡りがより魅力的になります。それぞれの神社の由来やご利益を意識しながら参拝することで、より深いご縁を感じることができるでしょう。