滋賀県の琵琶湖北西にある『白鬚神社(しらひげじんじゃ)』は琵琶湖の中に朱色の大鳥居が建ち、その美しい光景から『近江の厳島』とも称されており、全国に300社以上ある白鬚神社の総本社です。
今回は近江一のパワースポットとしても注目されている境内社など、見どころいっぱいの『白鬚神社』について分かりやすくご紹介します。
白鬚神社の歴史から学びましょう!
『白鬚神社』の創建は今から2000年以上も前で近江最古の神社です。
社伝では垂仁天皇(すいにんてんのう※日本11代天皇)25年の時に創建と言われているのですが、はっきりした歴史が実は分っていません。
現在の本殿の建物は1603年に作られたもので、拝殿の方は1879年に作られたものだそうです。
社務所は書院造の素晴らしい建物で有形文化財として国に登録されており、本殿も重要文化財として登録されています。
御祭神の『猿田彦命(さるたひこのみこと)』が白髪で白い髭を蓄えた姿をしていたことから、『白鬚神社』の名前が付けられたと言い伝えられています。
白鬚神社の見どころ
それでは『白鬚神社』の見どころをご紹介します。
境内自体は小さめですよ。
湖中大鳥居|人気の撮影スポット
こちらがSNSでも人気の『白鬚神社』の琵琶湖に鎮座する『湖中大鳥居(こちゅうおおとりい)』です。
世界遺産『厳島神社』の鳥居に例えられることから『近江の厳島』とも呼ばれています。
この大鳥居は実は、昔の絵などを見ると、もともとは陸地に作られていたらしい。
それが、琵琶湖の水かさが増したために、湖面に建つような姿になったと考えられています。
この鳥居は『天変地異の前兆として白髭神社の前の湖中に突然姿を現わした!』という伝説に基づいて1937年(昭和12年)、大阪の薬問屋小西久兵衛氏が寄進したそうで、現在の鳥居は1981年(昭和56年)に再建されたものです。
夕陽が沈んだ後のライトアップされた人気の大鳥居の姿は大変美しく印象的です。
なお土日は日没から約2時間、湖上の鳥居がライトアップされています。
大晦日など、特別に長時間に及ぶライトアップがされる時もありますよ!
毎年9月5日…日没~22:00頃まで
大晦日…夜明けまで
1月1日~1月5日…日没~21:00頃まで
本殿・拝殿|滋賀県随一のパワースポット
こちらが拝殿・本殿になります。
御祭神は『導き・道ひらきの神』として知られている『猿田彦命(さるたひこのみこと)』です。
白髪に白鬚を蓄えた姿から別名『白鬚明神』ともいわれており、神社の名前の由来にもなっています。
重要文化財に指定されている本殿は1603年(慶長8年)に豊臣秀頼が片桐且元を奉行として造営させたもので、手前の拝殿は1879年(明治12年)の再建です。
現在の祭神は猿田彦命だが、もともとは比良山の神である『比良神』を祀っていたものとみられます。
桃山時代特有の、檜皮葺き(ひわだぶき)で入母屋造り(いりもやづくり)の建築は、国の重要文化財に指定されています。
秀吉の遺命を受け秀頼が再建した建物は、北野天満宮や方広寺など重要な寺社ばかりで、『白鬚神社』もこれらの寺社と肩を並べるほど重要なパワーを秘めた神社としてみなされていたようです。
それほど重要視された白鬚神社は、やがて近江のみでなく全国各地で広く信仰されるようになり、種々の場所で分祀が行われています。
ご利益は、縁結び・子授け・開運招福・学業成就・交通安全・航海安全などのご利益があるといわれます。
近年ではパワースポットとしても知られており、実際に若い人達の参拝も多く、滋賀県内のパワースポットとしては注目度が急上昇している神社の一つです!
若宮神社|猿田彦神の子孫がご祭神
拝殿の左側には若宮神社があります。
ご祭神は『太田命(おおたのみこと)』をお祀りしています。
『太田命』は猿田彦神の子孫といわれており、『興玉神(おきたまのかみ)』の別称、あるいは『猿田彦神』の別名とする説もあります。
八幡三社
本殿から上にあがると『上の宮』と呼ばれる場所があり、10のお社があります。
この『八幡三社』は中央は『八幡神社』、向かって右に『加茂神社』、左に『高良神社』が奉祀されています。
社記によると創建は1540年(天文8年)、当地の領主佐々木義賢が創建したものとされています。
内宮|伊勢神宮内宮のご祭神
『上の宮』で中央に祀られているのは『天照皇大神宮(てんしょうこうたいじんぐう※内宮)』です。
ご存知の通り、伊勢神宮内宮の神様である『天照大神』がお祀りされています。
高島町指定文化財であり、平成13年に修復されました。
外宮|伊勢神宮外宮のご祭神
向かって一番右は『豊受大神宮(とようけだいじんぐう※外宮)』です。
伊勢神宮外宮のご祭神『豊受姫命(とようけひめのみこと)』がお祀りされています。
高島町指定文化財であり、平成14年に修復されました。
天満宮|受験の神様
更に上にあがった所の一番右側にある『天満宮』です。
こちらは『菅原道真公』がお祀りされています。
平成11年に移転修復されました。
波除稲荷社|厄難除のご利益
お隣は『波除稲荷社』です。
現社殿は、平成17年に修復されました。
厄難除のご利益で知られています。
寿老神と弁財天
そのお隣には『寿老神社』と『鳴子弁財天社』が並んでいます。
ご祭神は『寿老神』と『弁財天』です。
『養老神社』は昭和63年に西近江七福神巡りの一つになったのを記念して建立されました。
『鳴子弁財天社』は昭和初年から社務所や宮司宅で奉斎(ほうさい※ 神仏などを慎んでまつること)していたが、大阪の信者によって社殿が建立寄進された。
岩戸社|白鬚神社最大のパワースポット
『白鬚神社』の社殿後方には、山の上まで続く古墳群があります。
そのひとつであった古墳の石室を囲い、祀ったのが境内社である『岩戸社』です。
境内のもっとも奥に鎮座するこちらは古くから神聖な場所として伝えられてきたそうで現在もパワースポットとして注目されています。
『岩戸社』の隣には、しめ縄で囲い祀られた巨石『磐座(※神の御座所)』があり、『白鬚神社』の最大のパワースポットであると言われています。
社務所
鳥居をくぐって左手に社務所があります。
こちらで御朱印も頂けます。
芭蕉歌碑
俳聖・松尾芭蕉の『四方より 花吹入れて 鳰(にお)の湖』という歌碑もあります。
芭蕉は種々の場所を旅していますが、近江で詠んだ俳句が一番多いそうです。
また、晩年の2年ほどは大津付近で過ごしたとされています。
与謝野寛・晶子歌碑
手水舎の横には、与謝野鉄幹・晶子夫妻が大正元年にこの『白鬚神社』を参拝した時に読んだ『しらひげの 神の御前にわくいずみ これをむすべば 人の清まる』の歌碑もあります。
この歌は社前に湧き出る水の清らかさを詠んだもので、上の句は鉄幹、下の句は晶子が詠んだ合作なんだそうです。
この二人の歌に関し、日本各地にその歌を彫った石碑があるそうなのですが、この『白鬚神社』のところにある、この石碑に関しては日本で1番古いとも言われてます。
紫式部歌碑
『源氏物語』の作者である紫式部の歌碑には『三尾の海に網引く民のひまもなく立居につけて都恋しも』の歌碑があります。
この歌は、彼女が父・藤原為時に伴って越前に向かう途中、大津から船で湖西を進み、『白鬚神社』のある三尾崎の浜で漁氏の網を引く光景を見て、都の生活が恋しくなって詠んだものとのことです。
御朱印|90枚目の御朱印を頂きました!
こちらが『白鬚神社』の御朱印になります。
『奉拝・白鬚神社」と墨書され、「白鬚神社」と「近江白髭神社社務所」の赤いスタンプが押印されています。
初穂料は300円、拝受できる時間は9時から17時までとなっています。
アクセス|広めの駐車場有
JR湖西線『近江高島駅』下車:徒歩32分(2.6km)
バス『白鬚神社前』下車:徒歩すぐ
『近江高島駅』からは約3kmの距離があるため、タクシーの利用をおすすめします。
『白鬚神社』には無料の駐車場があり、駐車場には50台の車が駐車できます。
駐車可能な時間帯は8時から17時までです。
白鬚神社:〒520-1122滋賀県高島市鵜川215番地
まとめ|近江最強のパワースポット
琵琶湖に浮かぶ鳥居が目を引く、近江最古の大社『白鬚神社』は如何でしたでしょうか?
神話時代からの歴史が残る『白鬚神社』は、様々なご利益を授けてくれる最強パワースポットです。
是非、参拝へ訪れじっくりと巡ってみてはいかがでしょうか。