奈良の大仏で有名な東大寺。関西に住んでいる方は修学旅行で訪れたことがあるかもしれませんね。
そんな東大寺ですが、どのようなご利益があるのか分からずに参拝している方もいるのではないでしょうか?
今回は東大寺の歴史やご本尊、ご利益、見どころやアクセスなどを紹介するので、参考にしてもらえれば幸いです。
東大寺の歴史を紹介!
まずは東大寺の歴史について簡単に紹介します。
東大寺は728年に建立された金鐘寺(こんしゅじ)を起源とします。
聖武天皇と光明皇后の間に生まれた息子、基王(もといおう)が亡くなった際に菩提を弔うために建立されたと言われています。
741年には聖武天皇によって「国分寺・国分尼寺建立の詔」が発令され、金鐘寺は昇格して大和金光明寺となりました。
これが東大寺の前身とされています。
一方、奈良の大仏で知られている毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)は743年に発令された「大仏造顕の詔」を経て、752年に完成しました。
「国分寺・国分尼寺建立の詔」による各国の国分寺建立に伴う市民の疲労や華厳経の研究などでかなりの時間を費やしたようです。
大仏は752年に完成しましたが、大仏殿を含む東大寺は758年に完成。
聖武天皇が発令した「大仏造顕の詔」から大仏・東大寺を完成させるまでに15年かかったことになります。
東大寺で期待できるご利益
必勝祈願、財宝福徳、国家守護、健康長寿、病気治癒、財福授与、延命などが東大寺で期待できるご利益となっています。
境内の見所をご紹介|大仏以外にも見所たくさん!
それでは、境内の見所を紹介します。
大仏殿|奈良の大仏はここにあります!
東大寺と言えば大仏殿が有名ですよね。
現在でも世界最古の木造建築としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。
こちらが「奈良の大仏」として有名な「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」です。
右手は、恐れることのない状態・力を与える施無畏印(せむいいん)、左手は人々の願いを叶える意味の印相である与願印(よがんいん)を結んでいます。
四天王の一柱である多聞天(たもんてん)の像です。
多聞天は別名で毘沙門天(びしゃもんてん)と呼ばれており、毘沙門天の方に聞き覚えがある人も多いかもしれませんね。
多聞天はサンスクリット語で「ヴァイシュラヴァナ」、仏陀の声を多く聞くという意味を持ち、意訳して「多聞天」になったと言われています。
多聞天のご利益は必勝祈願と財宝福徳とされています。
こちらも四天王の一柱である広目天(こうもくてん)の像です。
広目天は毘楼博叉天(びるばくしゃてん)とも呼ばれ、サンスクリット語の「ヴィルーパークシャ」を語源としています。
「尋常でない眼、特殊な力を持った眼」という意味から「千里眼」へと意味が解釈、最終的に広目天と訳されました。
広目天のご利益は国家守護とされています。
大仏殿を支える柱に穴が空いている場所が1つだけあります。その場所が「柱の穴くぐり」できる場所です。
この穴ですが、大仏の鼻の穴と同じであることが有名で、修学旅行生などに人気となっています。
穴の大きさは縦が約37cm、横が約30cmとのことです。
諸説ありますが、穴くぐりをすると「無病息災」のご利益があると言われています。
法華堂(三月堂)|東大寺の建築物で一番古い建物です
法華堂は不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)立像を本尊とする仏堂です。
東大寺最古の建物で前身寺院である金鍾寺の一部だと伝わっています。別名で三月堂と呼ばれ、毎年三月に法華堂が行われていたことが所以となっています。
不空羂索観音のご利益は健康長寿、病気治癒などと言われています。
二月堂|お水取りが有名です
二月堂は旧暦の二月に行われる「お水取り」から二月堂と呼ばれています。
「お水取り」は僧侶が自らの行いを懺悔し祈りを捧げることで社会の平穏や五穀豊穣を祈願する行事となっています。
二月堂の本尊は十一面観音(じゅいちめんかんのん)で、病気治癒や延命、財福授与などのご利益があります。
奈良で一番美しい景色と呼ばれている二月堂の舞台からの写真です。写真では見にくいかもしれませんが、季節によって様々な風景を楽しめます。
戒壇堂|日本初の授戒の場として有名!
戒壇堂は鑑真和上が僧侶の授戒のために建立し、日本で初めて正式な授戒の場とされていました。
江戸時代までに3度火災で焼失し、現在の戒壇堂は江戸時代に再建されたものとなっています。
南大門|門の左右に金剛力士立像が隠れています
南大門は東大寺の南に面している門で、大仏殿に行く際には通ることになる巨大な山門です。
門の左右には運慶・快慶が造り上げたとされている金剛力士立像があります。
これらは、南大門が完成してから69日間の製作期間で造り上げられたものとされています。
転害門|2度の戦火に耐えた貴重な門!
転害門は三間一戸八脚門の形式を持つ門で、東大寺の西側にあったとされている3つの門で唯一現存している門です。
俊乗堂|東大寺復興に注力した重源を讃えたお堂です
俊乗堂は江戸時代に東大寺の大仏・大仏殿の再建に尽力した公慶(こうけい)が鎌倉時代に東大寺の復興に貢献した重源(ちょうげん)を讃えて建立したお堂です。
堂内には重源をかたどった「俊乗房重源上人坐像」などが安置されています。
普段は拝観できませんが、毎年7月と12月には拝観することができます。
開山堂|東大寺開山に貢献した僧正の像が安置されています
開山堂は別名で良弁(ろうべん)堂とも呼ばれ、東大寺を開山した良弁僧正の像が安置されています。
普段は拝観できませんが、良弁の命日である12月16日には拝観することができます。
勧進所|東大寺再建の鍵となった場所!
勧進所は江戸時代に公慶(こうけい)が大仏・大仏殿再建の際に寺務所として使っていた場所です。
普段は入ることができませんが、毎年10月には開扉され、僧形八幡神坐像(そうぎょうはちまんしんざぞう)、五刧思惟阿弥陀如来像(ごこうしゆいあみだにょらいぞう)、公慶上人坐像(こうけいしょうにんざぞう)を拝観することができます。
東大寺鐘楼|日本三大鐘楼の1つに数えられます!
「奈良太郎」と呼ばれる大鐘で日本三大鐘楼の1つです。大仏と同じ年に製造されました。
鐘の大きさだけでも高さ約4メートル、重量約26トンとかなりの迫力があります。
東大寺へのアクセス
東大寺へのアクセスは徒歩、バス、車がメインとなっています。
徒歩の場合
近鉄奈良駅から徒歩20分
バスの場合
・JR大和路線奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車徒歩5分
・近鉄奈良線「奈良駅」から、ぐるっとバス(大宮通ルート・奈良公園ルート)「大仏殿前駐車場」下車すぐ
車の場合
・名神高速道「京都南IC」から京奈和自動車道経由約60分
・京奈和自動車道「木津IC」から南へ約7km
・第2阪奈有料道路「宝来IC」から東へ約8km
・西名阪自動車道「天理IC」からR169経由北へ約10km
また、東大寺の境内は駐車場が一切設けられていないため、近隣のコインパーキング等を使いましょう。
東大寺:〒630-8211 奈良県奈良市雑司町406−1
まとめ|東大寺に来た時は時間を確保して春日大社も参拝しよう!
東大寺は近鉄奈良駅を降りて少し歩いた場所にある奈良公園の敷地内にあります。
奈良公園には東大寺だけでなく、春日大社などもあるため、併せて参拝できます。
両方ともかなり広いため、時間に余裕を持って参拝したいですね。
奈良と言えば「大仏」や「鹿」といったイメージもありますが、同じ奈良公園内には世界文化遺産にも登録されている春日大社があります。 春日大社の背にある春日山は神が宿ると言われている神体山なので、春日大社はパワースポットとされています。 […]