大阪府堺市にある『方違神社(ほうちがいじんじゃ)』は全国でも数少ない方位除けの神社として『方位にまつわる災い』を防ぐ神社として知られます。
占いで行かない方が良いと結果が出た方角に向かわないといけない場合に、『方違神社』にお参りをすることで悪い運気を取り除くことができるのです。
ご利益として新築や引っ越しの安全、方位除けや厄除けなど、その効果は絶大だと言われています。
今回はそんな『方違神社』の歴史から見どころまで分かりやすくご紹介します。
方違神社の歴史
それではまず『方違神社』の歴史から学びましょう。
『方違神社』の創建は紀元前90年に崇神天皇(すじんてんのう※日本の第10代天皇)が素戔嗚尊(すさのおのみこと)をお祀りしたことが始まりと伝わっています。
神功皇后(じんぐうこうごう※日本の第14代天皇・仲哀天皇の皇后)が三韓征伐から凱旋の途中、応神天皇(おうじんてんのう※日本の第15代天皇)の異母兄・忍熊皇子(おしくまのおうじ※記紀に伝わる古代日本の皇族)の反乱に遭いました。
しかし、この地で方災除けを祈願し反乱軍との戦いに勝利しました。
この時、神功皇后が神社の埴土(はにつち)を菰(こも)の葉に包み、粽(ちまき)として祀ったといいます。
そこで、粽(ちまき)を持てば、方位における災いから逃れることができるといわれてます。
『方違神社』があるこの地は摂津・和泉・河内の三国山(三国ヶ丘)にあり、どれにも属しない場所で、方位の無い地『方位のない清地』であると考えられ、方位・地相・家相などの方災除けの神社として信仰を集めました。
奈良時代には『行基(ぎょうぎ※飛鳥時代から奈良時代にかけて活動した日本の仏教僧)』が井戸を設けて人馬往来の要衝として栄え、平安時代には熊野詣の人々が旅の安全を祈願し栄えました。
その後も方災除けの神として栄え、文献によると朝廷武家の崇敬が厚く、仁徳天皇・孝徳天皇・弘法大師空海・平清盛・後鳥羽天皇・徳川家康等の名前を確認することができます。
1868年、京都から東京への遷都の際、17日間の祈祷が行われました。
昭和20年の第二次世界大戦で社殿は消失したもの、昭和23年以降に再建や整備がおこなわれ、立派な境内が現在も方々の願いを受け止めています。
現在になると、今ある場所から別の場所に移動するという転勤、結婚、旅行、交通安全、引っ越し、建て替えの時に祈願・ご祈祷する人が増えています。
方違神社の見どころ
それでは『方違神社』の見どころを順にご紹介します。
こちらがの表参道入り口で、入口の石造の明神鳥居は1909年(明治42年)建立された明神鳥居です。
鳥居前の畿内型の狛犬一対は1912年(明治45年)に建立されました。
神功皇后御馬繋之松
鳥居をくぐって左手に神功皇后がこの場所で馬をつないだという松があったという記念碑があります。
手水舎
こちらが参道の右側にある手水舎です。
手水舎の水盤は江戸時代の1828年(文政11年)に作られたもので『方違宮』と刻まれています。
拝殿|方除祈願で全国から参拝
こちらが拝殿です。
平成22年(2010年)に創始2100年を迎えた記念事業として、伊勢神宮より古材を譲り受け社殿を竣工し平成30年(2018年)に完成しました。
八十天万魂神(やそあまよろずたまのかみ※天神地祇【てんしんちぎ※天地の神々、すべての神々の意】)
素盞嗚尊(すさのおのみこと)
三筒男大神(みつつおのおおかみ※住吉大神)
息気長足姫命(おきながたらしひめのみこと※神功皇后)
この4柱で、総称して『方違幸大神(かたたがえさちおおかみ)』と呼ばれています。
方災除けのご利益で篤く信仰され、参拝者が絶えず、現在も、新築・転居・旅行などの方除祈願で全国から参拝者が訪れます。
住んでいるところや日々通う場所などに大きな変化(あるいは特別な変化)がある場合に参拝する方が多く、入学・異動のシーズンとなる3月、4月は、例年大勢の人が御祈祷を受けにやってきます。
楠木姫大神社
こちらは社殿隣にあるクスノキの前には『楠木姫大神社』があります
『楠木姫大神』がお祀りされています。
稲荷社|五穀豊穣、商売繁盛、必勝祈願、病気平癒など
こちらが社務所裏手にある『稲荷社』です。
大年神(正面)、白髭神(奥右手)、八幡神(奥左手)をお祀りしております。
五穀豊穣、商売繁盛、必勝祈願、病気平癒などのご神徳があります。
神明社
こちらは伊勢神宮から分霊を勧請した『天照大神』をお祀りしている『神明社』です。
社務所
こちらが社務所で御朱印はこちらで頂けます。
方違神社では通信祈祷も受けられる
『方違神社』では、遠方に住んでいるなどの諸事情によって参拝できない人のために、郵送による通信祈祷も受け付けています。
申し込みすれば、代わりに御祈祷が捧げられ、御札・粽・清め砂などの授与品が後日郵送されます。
神社で受けられる引越しや新築工事、増改築工事、旅行安全や受験合格などの祈願は、通信祈祷でも可能。方違神社まで足を運べない人にはおすすめです。
八方塞のお祓いの本場
人の運勢には必ず盛衰があり、『星まわりが悪い』といい、年齢にも一つの周期があると考えられています。
なかで特に有名なのが『厄年』ですが、もう一つ、警戒すべき星まわりがあります。
それが『八方塞(はっぽうふさがり)』で、方違神社は実は『八方塞のお祓い』の本場としても知られます。
御朱印|106枚目の御朱印!
御朱印の左下に描かれている金の鶏は幸運を招く『幸鶏(さちかけ)の鈴』と呼ばれ、神功皇后が方除けのお祓いをしたときに埋めた『黄金の鶏』がモチーフにされています。
初穂料は300円です。
アクセス
南海高野線『堺東駅』下車:徒歩8分(600m)
JR阪和線『堺市駅』下車:徒歩11分(900m)
無料で停めれる駐車場(境内駐車場30台)があり、正面鳥居入口から境内へと入っていきます。
方違神社:〒590-0021 大阪府堺市堺区北三国ヶ丘町2丁2−1
まとめ|方位、地相、家相の災いから守ってくれる
『方違神社』は如何でしたでしょうか?
歴史上の偉人らがこぞって参拝した記録も残っている知る人ぞ知るパワースポット神社で、全国的にも珍しい『方位のない清地』として伝えられています。
神秘的ともいえる方位のない清地を参拝すれば、方位、地相、家相の災いから守ってくれることでしょう。
是非一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?