京阪沿線で『成田山』といえば誰でも知っている有名なお寺『成田山不動尊』は特に交通安全祈願が有名です。
年間200万人を超す参詣者と20万台のご祈祷車が訪れます。
正式には『成田山大阪別院明王院』という名称ですが、『成田山』、『お不動さん』といった略称で呼ばれることがほとんどです。
今回はそんな『成田山不動尊』を分かりやすくご紹介します。
成田山不動尊の歴史から学びましょう!
まずは『成田山不動尊』の歴史から学びましょう!
『成田山不動尊』は、1934年(昭和6年)に建てられた『弘法(こうぼう)大師・空海』を宗祖とする真言宗智山派(しんごんしゅうちさんは※日本における仏教の宗派の一つ)の寺院で、正式名称を『成田山大阪別院明王院(なりたさんおおさかべついんみょうおういん)』と言います。
名前からも分かる通り大阪の『成田山不動尊』は、千葉にある有名な『成田さん』の『大本山成田山新勝寺』の別院で日本全国から多くの人が参拝に訪れます。
『大本山成田山新勝寺』の別院や分院は日本全国にありますが、『成田山不動尊』も同様、直系の寺院はどれも『葉牡丹』を寺紋として使用しているのが特徴です。
1910年に京阪本線が開業した当初、京阪電気鉄道はこの香里の地に『香里(こうり)遊園地』という名称で遊園地オープンしました。
ところが、昔よりここ大阪府寝屋川市一帯の香里の地は『大阪の表鬼門』、『京都の裏鬼門』として扱われていたせいか、この場所にあった時には繁盛せず、たったの2年で場所を移し、今の『ひらかたパーク』へと転身し、関西人から深く愛され続けるようになりました。
当時、香里の地には鬼門のイメージが根強く残っており、これを拭い去りたかった大阪庶民や京阪電気鉄道の職員の方々が声をあげました。
そして『この地域に鬼はいない』というアピールのために、香里の地に成田山の不動明王を守護神として祀りたい旨を『大本山成田山新勝寺』へ願い出たのでした。
この働きにより、『大本山成田山新勝寺』のご本尊である不動明王のご分霊を祀る為に、京都の鬼門である比叡山に建つ『延暦寺』と同じ目的で『成田山不動尊』が建てられたのでした。
成田山不動尊のご本尊とご利益
『成田山不動尊』のご本尊である『不動明王』は、平安時代に嵯峨天皇の勅令によって弘法大師空海が自ら一刀三礼(ひと彫りごとに三度礼拝する)の祈りをこめて、開眼供養した新勝寺の不動尊の分霊です。
期待できるご利益
交通安全、厄除け災難、家内安全
商売繁盛、開運厄除け、諸願成就
身体健全、健康長寿、安産祈願
学業成就、合格祈願、必勝祈願、心願成就
など色々な種類のご利益が頂けます。
境内の見どころ
それでは境内の見どころをご紹介します。
山門|清浄な場所に入る結界
こちらが正面の入口にもなる『山門』です。
ここを潜ると空気感が変わりますよ!
本堂|毎日5回の護摩祈祷
『山門』から入り、そのまま直進すると『本堂』があります。
『成田山不動尊』では昭和9年の開創以来、ここ『本堂』で毎日5回、護摩祈祷を行われています。
弘法大師・空海の教えである密教に基づいて行われるご祈祷を『護摩供祈祷』と言い、『大本山成田山新勝寺』をはじめとした成田山寺院などで昔から受け継がれてきました。
『護摩供祈祷』では護摩木と呼ばれる特別な薪をたき、本尊の不動明王に『交通安全』や『商売繁盛』など、31種類もの中から選んだ祈願に願いを込めて成就を祈ります。
7時30分、9時30分、11時30分、13時30分、15時30分の回があり、これは無料で見学ができます。
『成田山不動尊』では事前の予約は必要無く、どなたでも『護摩供祈祷』を受ける事ができるのでおすすめです。
賓頭盧尊者|除病の功徳がある
本堂の左手にはお釈迦の弟子である『賓頭盧尊(びんずるそん)』がおられます。
通称『おびんずる様』と呼ばれ、堂の前に置かれている『なで仏』で、病んでいる部位をなでると除病の功徳があると言われています。
お釈迦様が在世のころ、特別の神通力の持ち主であった『賓頭盧尊者』が、その神通力を世の人々に自由自在に誇示して見せたので、お釈迦様がお怒りになって、『お前は究極の悟りを得ず、この世にとどまって仏法を守り、人間の病を癒し、多くの衆生を救いなさい』と命令されたとのこと。
尊者はお釈迦様の言葉を守り、今に至っても人々を救う菩薩です。
金剛大日如来|大日如来は宇宙そのもの
『本堂』のすぐ前には『金剛大日如来』がお祀りされています。
『大日如来』とは密教の最高の位にいる仏様です。
密教とはおよそ1300年前にインドで生まれた仏教の一つで、日本では平安時代に空海や最澄(さいちょう)というお坊さんが中国で密教を勉強してきて急速に広がりました。
密教の教えでは、『大日如来』は宇宙そのものであり、また『阿弥陀如来』や『薬師如来』をはじめとする他の仏様もすべて、『大日如来』が変身した姿です。
『大日如来』がいなければ、ほかの仏様も存在できません。
そして仏様だけでなく、すべての生き物も大日如来から生まれたとされています。
簡単に言うと、『この仏様がいなかったらアナタは生まれてなかったよ!』という、とてもとても偉い仏様なのです。
是非、手を合わせましょう!
祈祷殿|人車一体の交通安全の祈祷
こちらは『成田山不動尊』で有名な『祈祷殿』です。
『成田山不動尊』は日本全国で初めて人車一体の交通安全の祈祷をした事で有名であり、『交通安全祈願の成田山』とも呼ばれています。
一度に人車一体で、100台の自動車を祈念でき、正月に3万台、また年間を通して20万台の車が祈祷に訪れていいます。
交通安全の祈祷開始時間は7時から16時までの20分~、50分~とそれぞれ15分程度祈祷が行われます。
希望する時間の15分前に総受付に行くようにして下さいとのことです。
事前の予約は必要ありません。
【四輪車の場合】
普通祈祷:5,000円/普通祈祷:7,000円
特別祈祷:10,000円/年中特別祈祷:20,000円
【二輪車の場合】
普通祈祷:3,000円/普通祈祷:5,000円
普通祈祷:7,000円/特別祈祷:10,000円
1月1日から1月31日までの初詣期間中は、祈祷時間が変わるので前もって確認する事をおすすめします。
また、1月1日から1月14日までの初詣期間中は『特別祈祷』は行われておりませんので注意が必要です。
出世稲荷堂|出世開運・商売繁昌
『本堂』の裏手には『荼枳尼天尊(だきにてんそん)』という神様がお祀りされている『出世稲荷堂』が鎮座されています。
出世開運・商売繁昌にご利益があるとされています。
大黒天堂|福財・招福の神
『出世稲荷堂』のお隣には『大黒天堂』が鎮座しています。
お祀りされている『大国さん』は福財・招福の神として信仰され、七福神のお一人です。
大師堂|真言宗を世に知らしめた方々をお祀り
『本堂』を見て右側には弘法大師・空海(774年~835年)を主尊とし、興教大師覚鑁(こうぎょうだいしかくばん)・理源大師聖宝(りげんだいししょうぼう)と合わせて三尊をお祀りしたお堂です。
興教大師覚鑁(こうぎょうだいしかくばん)・理源大師聖宝(りげんだいししょうぼう)も、弘法大師・空海と同じく、真言宗を世に知らしめた重要なお大師様たちです。
奥之院|ここパワーを感じます!
『成田山不動尊』には『本堂』の他に『奥之院』が存在します。
『本堂』の左手より伸びる階段を下りていき、道なりに進んで行くと『奥之院』が現れます。
『奥之院』の中は竪穴式の洞窟となっており、立ち並ぶロウソクの炎のみが『奥之院』内の光となっているため幽玄な世界となっています。
左右には干支ごとには決まった守護本尊の仏様がおられ、突き当たりに『大日如来』がおられます。
参拝時間は15時まで。
ここまで、参拝される方はあまりいなかったですが、すごく雰囲気のある所だったので、行けることなら是非お参りしましょう。
子(ね)年生:千手観世音菩薩
丑(うし)/寅(とら)年生:虚空蔵菩薩
卯(う)年生:文殊菩薩
辰(たつ)/巳(み)年生:普賢菩薩
午(うま)年生:勢至菩薩
未(ひつじ)/申(さる)年生:大日如来
酉(とり)年生:不動明王
戌(いぬ)/亥(い)年生:阿弥陀如来
新四国八十八ヵ所霊場|四国巡礼のご利益頂ける!
『本堂』の左手には実際に四国八十八ヶ所の寺院を巡礼したのと同じご利益を頂く事ができる『四国八十八ヶ所お砂踏み霊場』があります。
昔の四国は交通手段が発達しておらず地理的にも不便だった為、四国巡礼に行く事ができない人の為に商人らが砂を持ち帰り『お砂踏み』が始まりました。
一番札所の『霊山寺』から順に参拝できるように並んでおり、『四国八十八ヶ所の寺院全てを巡礼したいけど現実的には難しい!』という方にはおすすめとなっています。
ちなみに、本場の『四国八十八ヶ所霊場』を巡礼する場合は、徒歩だと約40日、観光バスや自動車でも約10日ぐらい掛かると言われています。
それがこちらだと30分もあれば…。
こちらも是非お参りしましょう!
花塔|華道の上達と発展を祈念
『四国八十八ヶ所お砂踏み霊場』の奥にある『花の塔』です。
生け花に使用された花の霊を供養するとともに、華道の上達と発展を祈念して建立されました。
笑魂塚|芸道の発展を祈る
『山門』入ってすぐの左手に『笑魂塚』があります。
なにわが生んだ『笑いの道』発展のためにつくされた関西芸能物故者の冥福が祈られ、また芸道の発展を祈るために、昭和34年5月15日に建立されたものです。
こちらの石は西宮市甲山より運ばれた六甲御影石で高さ2.5m、重さ30トン(約80貫)の自然石とのことです。
総受付|すべての窓口
境内の右手に『総受付』がございます。
各種ご祈祷のお申し込みやご相談、お守の授与、御朱印等もこちらで頂けます。
御朱印|62枚目の御朱印をいただきました!
こちらが『成田山不動尊』の御朱印になります。
初穂料は300円です。
アクセス|300台の駐車場無料!
電車の場合
京阪本線『香里園駅』下車:徒歩約16分
京阪本線『香里園駅』から京阪バス
三井団地方面行き・寝屋川市駅行きで5分→『成田山不動尊前』下車すぐ
車の場合
各方面から国道170号成田山境橋口交差点を東へ車で1km。
駐車場:無料(300台)。
成田山不動尊:〒572-0005 大阪府寝屋川市成田西町10−1
まとめ|身の穢れや心の迷いを祓いましょう!
『成田山不動尊』は如何でしたでしょうか?
『大日如来』の化身である『不動明王』を祀ったお寺であり、厄除け・鬼門除け・交通安全祈願などに強く、特に交通安全祈願に関しては、人車一体の祈祷を受けれるということで、多くの方が参拝に訪れます。
どんなに道を外れた人や道に迷った人をも正しい道、仏様の道に導いてくださるという『不動明王』を参拝し、身の穢れや心の迷いを祓ってみては如何でしょうか。
国道43号線沿いに『西宮成田山』と書かれたの大きな看板を目にしたことがある方はきっと多いはず。 今回は『西宮神社』のすぐお隣にあり、千葉県にある『成田山新勝寺』の本尊『不動明王』の分身を祀る『西宮成田山』を参拝して来ました。 今[…]