日本神話における国生みとは?
「日本誕生」の神話は、日本最古の歴史書である『古事記』や『日本書紀』に記された「国生み神話」に由来します。これは、日本の島々や神々がどのように誕生したのかを語る物語で、日本文化や信仰の基盤となっています。
天地創造とイザナギ・イザナミの誕生
世界の始まりは混沌としており、まだ天と地は分かれていませんでした。しかし、次第に天と地が形成され、神々が誕生します。
最初の神々
最初に現れたのは「造化三神」と呼ばれる神々です。
- 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
- 高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
- 神産巣日神(かみむすびのかみ)
その後、さらに神々が生まれ、最後に誕生したのが、主人公である**伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)**です。神々は二神に「日本の国を形作るように」と命じました。
オノゴロ島の誕生と結婚の儀式
イザナギとイザナミは天上の橋「天の浮橋(あまのうきはし)」に立ち、**天の沼矛(あめのぬぼこ)**という神聖な矛で海をかき回しました。すると、矛の先から滴り落ちた塩が固まり、**オノゴロ島(おのごろじま)**が誕生しました。
二神はオノゴロ島に降り立ち、そこに「天の御柱(あめのみはしら)」を立て、夫婦の契りを交わしました。しかし、最初の儀式ではイザナミが先に話しかけたため、誕生した子供(ヒルコとアワシマ)は正しく成長しませんでした。儀式をやり直し、今度はイザナギが先に話しかけたことで、正式な国生みが始まりました。
日本の島々の誕生(国生み)
イザナギとイザナミは次々に日本の島々を生みました。これらを「大八島国(おおやしまのくに)」と呼びます。
- 淡路島(あわじしま)
- 四国(しこく)
- 隠岐(おき)
- 九州(きゅうしゅう)
- 壱岐(いき)
- 対馬(つしま)
- 佐渡(さど)
- 本州(ほんしゅう)
この物語は、日本列島が神々によって創られたという信仰の基盤となっています。
神々の誕生とイザナミの死
国生みの後、二神はさらに多くの神々を生みました。
- 風神・志那都比古神(しなつひこのかみ)
- 海神・大綿津見神(おおわたつみのかみ)
- 山や木を司る神々
しかし、最後に生まれたのは炎の神**火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)**でした。イザナミはこの神を産んだ際に火傷を負い、命を落としてしまいます。
黄泉の国と決別
妻を失ったイザナギは、黄泉の国(よみのくに)へイザナミを迎えに行きました。しかし、既にあの世の食べ物を口にしてしまったイザナミは帰ることができません。イザナギは禁を破り、イザナミの姿を見てしまったため、恐れおののいて逃げ出します。
黄泉比良坂(よもつひらさか)で二神は決別し、イザナミは「私はこれから毎日千人の人間を殺す」と言いました。これに対し、イザナギは「それなら私は毎日千五百人の子供を生ませよう」と返し、このやり取りが「生と死の始まり」だとされています。
イザナギの禊(みそぎ)と三貴神
黄泉の国の穢れを落とすため、イザナギは禊(みそぎ)を行いました。その際、新たな神々が誕生します。
- 天照大神(あまてらすおおみかみ) – 太陽の神
- 月読命(つくよみのみこと) – 月の神
- 須佐之男命(すさのおのみこと) – 海や嵐を司る神
この三神は特に重要で、「三貴神(さんきしん)」と呼ばれ、特に天照大神は日本の皇室の祖神とされています。
まとめ|日本誕生の神話が持つ意味
この神話は単なる物語ではなく、日本の文化や宗教観の基盤となっています。