JR京都駅のお隣り「西大路駅」のすぐ近く、南北に走る西大路通り沿いに「若一神社(にゃくいちじんじゃ)」はあります。
この若一神社は、2012年に放送されたNHKの大河ドラマ「平清盛」に登場したことで全国からも注目されるようになりました。
こちらの神社には「座敷わらし」の話や「平清盛の植えた楠(くすのき)」が有名で、さらにこの楠を切ろうとすると祟りがあるなどの噂もあったりします。
そちらも合わせてこの神社の見どころをご紹介します!
若一神社の歴史
若一神社の創建は仁安元年(1166年)、平清盛が祀ったのが始まりです。
時をさかのぼること、宝亀3年(772年)威光上人(いこうしょうにん)が、今の和歌山にあたる紀州熊野に参拝したとき、庶民の苦しみを和らげようと、若一王子の御分霊としてご神体を持ち帰ることにしました。
ご神体を背負い京都の六波羅の地にやってきた威光上人は、森の中のお堂にご神体を安置しました。すると、そのご神体はなんと土の中に入っていかれたそうです。
その後、平安時代の末期。六波羅にいた平清盛が、その地に大きな別邸を建てそれは「西八条御所」と呼ばれました。
そして仁安元年(1166年)平清盛が熊野に参拝に行った際
「土の中に隠れているご神体を探せ」と神様からのお告げがありました。
帰った後、西八条御所の敷地を探していると、敷地の東にある築山が光を放ちました。そこを掘ってみると、なんと若一王子のご神体が現れたので、そこに社殿を造って祀ったとされています。
若一王子のご神体をお祀りした平清盛は、開運出世を祈ると、その翌年である仁安2年に、太政大臣に任ぜられたことから、開運出世のご利益があると言われています。
若一神社の見どころ
本殿|ご祭神・ご利益
ご祭神
若一王子(にゃくいちおうじ)・・・神仏習合の神様で、熊野大社に祀られている十二柱の一柱です。十一面観音の仏様が神様の姿となって現れた姿といわれ、天照大神(あまてらすおおかみ)と同一視されています。
ご利益
開運・出世
平清盛像|ここでしか見られない清盛公の珍しい衣装!
装束姿の清盛像はかなり珍しいそうです!
寿命社|えんむすびを願おう!
ご祭神
高砂の尉(じょう)と姥(うば)・・・その昔、高砂神社の境内に一本の根から雄雌の幹が左右に分かれた松が生え、尉と姥に姿を変えたイザナギ・イザナミが現れ、夫婦の在り方を説いたという伝説があります。その高砂神社から勧請されました。
ご利益
夫婦円満・子孫繁栄・延命長寿
弁財天社|芸能・音楽の上達に
ご祭神
市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)・・・日本神話に登場する女神です。宗像三女神の1柱といわれており、水の神とされています。仏教に紐付けられ七福神のひとりである「弁財天・弁天様」と同一視されています。
ご利益
芸能・音楽・福運
稲荷社|商売繁盛ならここ!
ご祭神
稲荷大神・・・稲を象徴する農耕の神。稲荷大明神、お稲荷様ともいわれます。
ご利益
商売繁盛・生業繁栄
祖霊社|神職の方の御霊を祀る
神社に奉仕された神職の方や総代の御霊が祀られています。昭和58年9月11日に建立されました。
神供水(じんぐすい)|開運出世の銘水
こちらは若一神社でも人気のスポットです。平家物語にも登場し、平清盛が病にかかった際は、この水で熱を冷ましたとされています。
日供祭(にっくさい)といわれる毎朝行われる崇敬者の安寧を祈るお祭りにてご神前に供えられてきており、新生児誕生に際しての産湯としても有名になりました。
「開運出世の水」として水は持ち帰り自由となっていますよ!
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歌碑|平家物語の史跡
「萌出づるも枯るるも同じ野辺の草 いづれか秋にあはで果つべき」
意味としては「芽生えたばかりの草も枯れようとする草も、野辺の草は結局みな同じように、秋になると枯れ果ててしまう」という事です。
人の世の無情を歌った平家物語史跡です。
西八条殿跡|平清盛が住んでいた?
平清盛が出家してから住んでいたともいわれますが、実際には神戸の福原で過ごしており、こちらには主に妻の時子が暮らしていたとされています。
平清盛が亡くなった翌々日には放火により焼かれ、都落ちの際には平氏自らが火を放ち、豪勢な邸宅は焼失してしまいました。
梅小路公園の辺りには八条殿がありますが、こちらは平清盛が出家するまで住んでいたとされる邸宅です。周囲には平家の一族が集まって住んでいたとされています。
平清盛手植えの楠のたたり?|座敷わらしが宿る木
西大路通り沿いに立つ樹齢800年を超える大きな楠です。
平清盛が太政大臣に任ぜられたのに感謝して手植えされたもので、若一神社のご神木であり、象徴になっています。
切ろうとしたら死ぬ・・|平清盛の楠の祟り?
直線の道が多く「碁盤の目」とも呼ばれる京都ですが、西大路通りに一箇所だけ大きく膨らんでいる場所があります。
それがここ若一神社の前の通りです。これはご神木である平清盛の手植えの楠を避けるためだそうです。
1939年(昭和14年)に北大路通から九条通を南北に結ぶ大通りとして市電の敷設工事をすることになり、この楠を撤去する計画が立てられました。
しかし、それからというもの工事関係者に次々と不幸や事故が相次ぎ、これを祟りと恐れた関係者が計画を変更し、西大路通はこの区間だけ少し西へズレて開通することになったそうです。
その他にも、枝が邪魔だとして木に登り、枝を切り落とした人がそのまま木から落ちて死んだという噂もありました。枝を払うだけでも怪我をしたりしたという話も残っています。
火事の際にも焼け残ったこの楠は、木を切ったり移し替えようとすると必ず祟りがあったと伝えられます。
座敷わらしが宿っている?
宮司さんによると、この楠にはたくさんの座敷わらしが宿っており、気に入った人と一緒にその人の家までついてくるそうです。
そして座敷わらしを連れて帰れると、家に棲みついて幸福を導いてくれるそうです。
ぜひとも連れて帰りたいところですが、平家が滅亡したのは、平清盛が亡くなったのち座敷わらしが離れたせいだとも噂されていますよ・・・
開運出世や座敷わらしのお守りが人気!
とても可愛らしい座敷わらしのお守りです。一人一人顔も服も違いますよ!
その他にもお守りなどたくさんありました!
開運出世絵馬 ・・・500円
開運出世水みくじ・・300円
開運鳥居・・・800円
開運の楠葉守り800円
お守り各種・・800円
御神札・・・・800円
御朱印・・・・300円
基本情報
所在地:〒600-8863
京都府下京区七条御所ノ内本町98
拝観時間:終日
定休日 :無休
電 話:075-313-8928
FAX:075-322-2440
郵便振替01010-2-5516
例祭:11月10日
諸祈願・出張祭などはお気軽にお問い合せ下さいとのことですよ!
アクセス|JR京都駅から1駅のアクセスの良さ!
最寄り駅
JR京都線「西大路駅」下車・徒歩約6分
市バス「西大路八条」下車・徒歩約1分
無料駐車場有り(自家用車4台分)
JR京都駅から1つ隣りの駅「西大路駅」から徒歩数分ですので気軽に行きやすいですね!
ここから歩いて行ける距離に「京都鉄道博物館」や「京都水族館」なんかもありますので京都観光される方はそちらに寄ってみるのもオススメですよ!
まとめ|座敷わらしが宿る楠に開運出世をお願い!
いかがでしたでしょうか?
境内はそんなに広くはないもののたくさんの見どころがありますので、歴史が好きな方、特に平家が好きな方は一度訪れてみてはいかがでしょうか!
もしかすると、座敷わらしを連れ帰ることが出来るかも知れませんよ!