『晴明神社』は陰陽師で有名な平安時代中期の天文学者である『安倍晴明』が祀られている神社。
京都市上京区、堀川通りにあり、安倍晴明の邸宅があった場所で、御所から見て鬼門にあたる位置です。
当時としては都の端になりますが、御所を守る役目を果たしていたようです。
京都の災いや病気にご利益があるパワースポットとして人気の『晴明神社』の見所を分かりやすくご紹介します。
晴明神社の歴史を簡単にご紹介
それではまずは『晴明神社』の歴史から簡単にまとめてご紹介します。
寛弘2年(1007)に安倍晴明が亡くなった際、当時の天皇であった一条天皇が、安倍清明の遺業を称えて作ったとされています。
これが『晴明神社』の始まりで寛弘4年(1007)に安倍晴明の屋敷跡に創建したと言い伝えられています。
建てられた当初の清明神社の境内はとても広大な面積を誇っていました。
一時は、応仁の乱後、豊臣秀吉による都の造営や度重なる戦火によって、その規模は縮少。社殿も荒れたままの時代が続きました。
幕末以降になると、氏子が中心となって整備・改修が行われ、昭和25年(1950)には、多年の宿望であった堀川通に面する境内地が拡張されるなど、晴明公の御神徳を仰ぎ尊ぶ崇敬者の真心によって復興が進められました。
近年は、晴明公の存在は広く知られ、全国にその崇敬者を集めるようになりました。
晴明神社のご祭神と期待出来るご利益
次に『晴明神社』のご祭神とご利益についてご紹介。
ご祭神は『安倍晴明』です。
天文陰陽師博士・安倍晴明は、朱雀天皇、村上天皇、冷泉天皇、円融天皇、花山天皇、一条天皇の6代の天皇の側近として仕えました。
天体を移り行く星や雲の動きを観察し、宮殿の異変や遠方での吉凶を言い当て、朝廷を始め多くの人々の信望を寄せられたと伝えられています。
村上天皇に仕えていた際には、唐へ渡り、はるか城刑山にて伯道仙人の神伝を受け継ぎ、帰国後、これを元に日本独特の陰陽道を確立しました。
今日、私たちの日常生活の基準となる年中行事や暦術、占法は皆、この時に創られたものです。
そして、一条天皇に仕えいた寛弘2(1005)年9月 26日、85歳で亡くなり、晴明御霊神として祀られた後も、我が国の陰陽道の祖として広く世の中の尊敬を集めます。
『晴明公にお祈りすれば、不思議な霊の利益を受けることができ、さまざまな災いから身を守り、病気や怪我が治る……』。そうした評判が、今も多くの人々に語り継がれています。
ご利益は!?
厄除け、魔除け、開運、病気平癒
ご祭神である安倍晴明公は、ご生前より、天皇から貴族、庶民に至るまで、広くその悩みや苦しみを取り払うことで大きな信頼を得ておられました。
その信頼は、神様となって祀られた現在も変わることはありません。
境内の見所
では、厄除けや魔除けといった様々なご利益がある、他の神社とは一味違った『晴明神社』の見所を境内から入って行った順にご紹介します。
一の鳥居|額に五芒星
晴明神社の玄関口である大きな鳥居の『一の鳥居』です。
額には一際目を引く『☆』マークが!
一の鳥居や本殿など境内のいたるところにあしらわれているこの『☆』マーク、額に掲げられた金色に輝く社紋『晴明桔梗(せいめいききょう)』が特徴的です。
鳥居の額には、通常、神社名やお祀りしている神様の名前を掲げることが多いのですが、この鳥居には社紋が掲げられており、全国的にも珍しいものといわれます。
『晴明桔梗』は、『五芒星(こぼうせい)』とも呼ばれ、晴明公が創られた陰陽道に用いられる祈祷呪符のひとつです。
旧・一條戻橋
一の鳥居をくぐった先にある小さな橋『旧・一條戻橋』は、安倍晴明と縁がある『一条戻橋』を境内に再現したものです。
平成7年に建て替えられた現在の『一条戻橋』は晴明神社から南に100mの堀川にかけられています。
源頼光の四天王のひとり・渡辺綱(わたなべのつな)が、鬼女の腕を切り落としたという鬼女伝説の舞台となった有名な橋です。
また、現在でも『戻る』を嫌って嫁入りや葬式の列は、この橋を渡らないのが習わしです。
先代の橋で使われていた欄干の親柱を境内に移し、昔の風情をそのままに『一條戻橋』を境内に再現しています。
親柱の横には陰陽師が使う精霊の『式神像』が。
『式神』は『十二神将(じゅうにしんしょう)』の化身とされ、仏教の神々。この式神を隠していた場所が『一条戻橋』です。
日月柱(にちげつちゅう)
参道の脇に建てられた大きな2本の柱は『日月柱(にちげつちゅう)』と呼ばれています。
それぞれ上部に月と日が置かれた柱は、晴明が用いたことでも知られる陰陽を表しているとのこと。
南に日、北に月を配した大きな柱は、一の鳥居と共に訪れた人を出迎えてくれます。
桔梗庵|晴明神社公認グッズ
こちら『桔梗庵』では、晴明神社公認の参拝記念品やお土産を購入できます。
二の鳥居
『一の鳥居』をくぐった先には、次は神社名が額に記された『二の鳥居』があります。
ここをくぐれば、本殿や末社、数多くのパワースポットがあります。
晴明井|病気平癒のご利益
『晴明神社』の中でも人気のスポットが『二の鳥居』をくぐってすぐの場所にある『晴明井』です。
ご祭神である『安倍晴明』が念力を使って湧出させたという逸話が残っています。
病気平癒のご利益があるとされ、現在も湧き出る水は今でも飲むことができます。
水盤に刻まれた五芒星の中心から水が湧いていて、水切り口から流れ落ちる仕様になっています。
地面の円形の石には十二支の方位が刻まれており、毎年立春の日に、その年の恵方に向かって水が流れ落ちるよう、水盤を回転させるというシステム。
茶人・千利休が、豊臣秀吉にお茶を入れる際に、この井戸の水を使用したことでも知られています。
この井戸を待ち受け画面にすることで病気平癒のご利益にあやかれるという逸話から、写真撮影を楽しむ人の姿も多く見られます。
手水舎
『二の鳥居』をくぐると『手水舎』があります。
こちらで、手と口を清めてから参拝しましょう。
本殿
境内の一番奥に『安倍晴明公』をお祀りしている本殿・拝殿があります。
現在の本殿は明治38年(1905)に再建され、至る所に神社を象徴する『晴明桔梗』があしらわれています。
拝殿前に立つと、厳かで重厚な雰囲気を感じることが出来ました。
末社・齋稲荷社
本殿の向かって右手には末社と呼ばれる小さな神社があります。
『地主社』、『天満社』、『齋(いつき)稲荷社』です。
『齋(いつき)』という言葉は、このお稲荷さまが、『齋院(さいいん/鴨神社に仕える齋王がおこもりする場所)』にあったことに由来します。
晴明公は『お稲荷さまの生まれ変わりとする説』があり、各地で稲荷信仰と習合されます。
ご祭神は『宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)』、合わせて『菅原道真公』・『地主神』がお祀りされています。。
よって、衣食住・学問・家内安全のご利益を頂けます。
安倍晴明公像|足に触れて祈願する
本殿向かって左手に『安倍晴明公』の銅像があります。
衣の下で印を結んでいる手、空を見上げながら天体を観測してる姿が再現されています。
『晴明神社』に保管されている安倍晴明の肖像画を元に作られたとの事です。
銅像の足に触れて祈願する参拝者が多いのか、足だけピカピカでしたw
厄除桃|厄を取り去る!
本殿向かって右手には黄金の桃!
こちらも人気のスポットになっている『厄除桃(やくよけもも)』です。
古来、中国また陰陽道では、桃は魔除け・厄除けの果物といわれます。
『古事記』や『日本書紀』などでも魔物を追い払う様が描かれています。
昔話『桃太郎』もこれに由来するものだと思われます。
自分に付いた厄、やましい気持ちを桃に触ることで取り去れるご利益があるということで、桃はピッカピカでしたw
金色に輝く大きな桃は『晴明神社』のパワースポットとして人気なので是非撫でましょう。
御神木|大樹のパワーを感じよう!
末社の目の前には、周辺をベンチで囲まれた樹齢推定300年の楠の御神木があります。
ご神木の周りのベンチに座りながら、静かに御神木に手を当て、お祈りをすることで、大樹のパワーを感じましょう。
顕彰板|晴明公の数ある伝説
本殿を向かって左側の壁には『顕彰板』があります。
こちらには、ご祭神である晴明公の数ある伝説の中から厳選された10の逸話が紹介されています。
呪術を使って妖を退治するなど、人間離れした晴明の伝説は小説を読んでいるかのような楽しさですよ。
是非、読んでみて下さい!
御朱印|43枚目の御朱印を頂きました!
こちらが『晴明神社』の御朱印になります。
『京一條戻橋』と『晴明社』と日付の黒文字に、赤色の『晴明桔梗(五芒星)』と『晴明神社』が記されています。
アクセス|バスや電車でのアクセスが便利!
電車の場合
京都市地下鉄『今出川駅』下車:徒歩約12分
JR京都駅からタクシー乗車:約20分
バスの場合
JR 京都駅より
9号系統に乗車『一条戻橋・晴明神社前』下車:徒歩約2分
阪急 烏丸駅、地下鉄 四条駅より
12号系統に乗車『一条戻橋・晴明神社前』下車:徒歩約2分
京阪 三条駅より
12号59号系統乗車『堀川今出川』下車:徒歩約2分
晴明神社:〒602-8222 京都市上京区晴明町806(堀川通一条上ル)
まとめ|安倍晴明のパワーを頂こう!
『晴明神社』は如何でしたでしょうか?
境内はそんなに広くはないですが、一つ一つに見応えがあり、不思議な魅力満載の神社でした!
平安の時代から、人々の心を救ってきた安倍晴明!
気分をすっきりさせたい時や厄除け・病気平癒のご利益を授かれる『晴明神社』はオススメです!
是非、境内でゆったり過ごしながら安倍晴明を近くで感じてみては如何でしょうか?
皆さんも一度は『安倍晴明』という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?平安時代に活躍した有名な陰陽師です。大阪市阿倍野区にある『安倍晴明神社』はその名の通り『安倍晴明』がお祀りされています。 数ある大阪のパワースポットの中でも、[…]
学問の神様が祀られている神社、京都『北野天満宮』は『天神さん』と呼ばれ親しまれています。 その歴史はとても古く、平安時代の947年創建、なんと1,000年以上の歴史を誇ります! 学問の神様『菅原道真(すがわらのみちざね)』を祀る[…]
日本の歴史上、最も人気があると言っても過言ではない『織田信長』をお祀りするのが京都にある『建勲神社(たけいさおじんじゃ)』です。 一般には『けんくんじんじゃ』と呼ばれ、地元の人たちからは『建勲さん(けんくんさん)』という愛称で親しまれ[…]
『今宮神社』は別名『玉の輿(たまのこし)神社』とも言われ、縁結びのご利益があるとされるお寺や神社が点在する京都の中で、縁結びよりも、さらにパワーアップした『玉の輿祈願』で知られる神社です。 その為、『玉の輿の夢を叶えたい!』という強い[…]