大阪市阿倍野区にある『阿倍王子神社(あべおうじじんじゃ)』は陰陽師の始祖として知られる『安倍晴明』の母親である『葛の葉』がお祀りされている、また、熊野三山(※1)の使いである三本足のカラス、八咫烏(やたがらす)に縁のある社として、大阪でも人気の神社の一つとなっています。
今回は『阿倍王子神社』の歴史、ご祭神、ご利益、御朱印、アクセス情報など、分かりやすくご紹介したいと思います。
まずは参拝気分を味わおう!
まずは境内がどんな感じかご覧下さい!
詳しい情報は下記で紹介しております!
阿倍王子神社の歴史を簡単にご紹介
今回まずは『阿倍王子神社』の歴史を分かりやすくご紹介したいと思います。
資料によれば、『阿倍王子神社』の歴史は古く、第16代仁徳天皇の夢の中に熊野三山(※1)の使いである3足烏(八咫烏とも)が現れたため、仁徳天皇がその烏を捜させると、3足烏がこの地にいたので、そこに神社を創建したことに始まるとされています。
また一説では、当地の豪族である阿倍氏によって建立されたという説もあります。
天長3年(826)、淳和天皇(じゅんなてんのう)の勅命で弘法大師が悪疫鎮圧の祈祷を行ったとの記録も残っているところから、同社は『厄除け』、『無病息災』、『病気平癒』などにご利益があると崇敬されています。
末社には有名な『安倍晴明神社』があります。
阿倍野の地は大化の改新以降、豪族・阿倍氏が隆盛を誇り、奈良時代には阿倍氏の氏寺として阿倍寺が建立されたそうです。
しかし、平安以降は朝廷における阿倍氏の勢力は衰えたため、氏寺であった阿倍寺も四天王寺に併合され、阿倍氏の氏神社だけが残されることになったそうです。
そして、熊野信仰が盛んになると、熊野までの街道に多くの熊野王子社が建てられるようになり、その街道に位置する阿倍氏の氏神社も熊野修験によって王子社の一つになったとされれ、阿倍野に鎮座するため『阿倍野王子』と呼ばれるようになったそうです。
鳥居の前の道が旧熊野街道です。
熊野詣の街道には『九十九王子(くじゅうくおうじ)』といわれる王子社があり、阿倍王子神社は『第二王子』と呼ばれています。
王子社の中には時代とともに衰退していったところが多いなかで『阿倍王子神社』は大阪府内で唯一当時と同じ場所に鎮座する王子社です。
中世に熊野修験によって急速に組織された一群の神社であり、京から大坂を経て熊野信仰の聖地である和歌山県の熊野三山へと繋がる熊野街道に沿って建てられていったとされています。
『熊野三山への遥拝所(ようはい:離れた場所から神仏をおがむこと)』と『熊野詣の途中の休憩所』のために設けられた小さなお社のことで『九十九王子』もしくは土地の名から『○○王子』と呼ばれていたとされています。
阿部王子神社のご祭神と期待出来るご利益
ご祭神
ご祭神は以下の四柱です。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと):国生みと神生みを行った男神。
伊奘冉尊(いざなみのみこと):国生みと神生みを行った女神。
素盞鳴尊(すさのおのみこと):伊奘諾尊・伊奘冉尊の子。天照大神の弟。
品陀別尊(おんだわけのみこと):第15代に数えられる大和朝廷の天皇『応神天皇』の別名。
ご利益
厄除け、家内安全、無病息災、病気平癒、事業繁栄のご利益があります。
境内の見所
それでは境内の見所をご紹介します。
本殿
こちらが『ご本殿』になります。
御烏社(みからすしゃ)|熊野大社へ願いを届ける
『本殿』のお隣にある『御烏社(みからすしゃ)』です。
熊野大社のシンボルでもある『八咫烏大神(やたがらすのおおかみ)』がお祀りされています。
熊野神のお使いの三本足の御烏で、お願い事を熊野山までお届けして願い事を叶えて下さる神様です。
サッカー日本代表のエンブレムでおなじみの『八咫烏』は『勝利へ導く守り神』。
こちらでは『入試合格祈願』、『夫婦円満』、『水子の御霊鎮め』のご利益があります。
社務所にて700円で購入し、願い事を書いてお供えします。
『阿倍王子神社』では可愛い『八咫烏(やたがらす)』のおみくじがTwitterやインスタグラムなどのSNSで評判になっています。
葛之葉稲荷大明神|安倍晴明の母親と稲荷大神をお祀り
こちらは『御烏社(みからすしゃ)』のお隣にある『葛之葉稲荷大明神』です。
安倍晴明の母とされる白狐『葛の葉』をお祀りしています。
葛之葉稲荷大神(くずのはいなりのおおかみ)
末広大神(すえひろのおおかみ)
萬直大神(まんなおしのおおかみ)
玉姫大神(たまひめのおおかみ)
白玉大神(しらたものおおかみ)
宝玉大神(たからたまのおおかみ)
玉照大神(たまてるのおおかみ)
日切大神(ひぎりのおおかみ)
大高大神(おおたかのおおかみ)
がお祀されています。
『葛之葉稲荷大神』は安倍晴明の母親で、それ以外の上記のご祭神は全て稲荷大神(宇迦之御魂神【うかのみたまのかみ】)の別名とされます。
総合末社|神様のオールスターをお祀り
こちらは本殿の向かいにある『総合末社』でなんと9人もの神様がお祀りされています。
天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)
豊受大神(とようけのおおかみ)
住吉大神(すみよしのおおかみ)
春日大神(かすがのおおかみ)
金刀比羅大神(ことひらのおおかみ)
恵比須大神(えびすのおおかみ)
天満大神(てんまのおおかみ)
高良大神(こうらのおおかみ)
由賀大神(ゆかのおおかみ)
有名な神様が勢揃いされています。
水神社(すいじんしゃ)
こちらは『総合末社』の向かいにある『水神社』です。
天地の全ての水を司る神『罔象女神(みずはのめのかみ)』、『高龗神(たかおかみのかみ)』、『闇龗神(くらおかみのかみ)』がお祀りされています。
ご神木|迫力抜群です!
『阿倍王子神社』の境内はそんなに広くはないのですが、両脇に樹齢500年の大きなご神木が4本あります。
茂杜能木霊神(もりのこだまのかみ)
汰紀能木霊神(たきのこだまのかみ)
多摩能木霊神(たまのこだまのかみ)
波多能木霊神(はたのこだまのかみ)
とても立派で大切にされているのが分かります。
御朱印|8枚目の御朱印を頂きました!
こちらが『阿倍王子神社』の御朱印になります。
安倍晴明神社の御朱印もこちらで頂けます。
アクセス|安倍晴明神社まで徒歩で行けます!
電車の場合
阪堺電軌上町線『東天下茶屋駅』より南東へ徒歩5分
大阪シティバス『王子町王子神社前』から徒歩1分
Osaka Metro 御堂筋線『昭和町駅』④番出口:徒歩約15分
車の場合
30号和泉泉南線(谷町筋・あべの筋)王子神社前信号の西側。
北から来られた場合は王子神社前信号を通り過ぎ、次の信号(北畠公園前)でUターンして北向きに戻り、鳥居より左折して駐車場へ入れます。
阿倍王子神社:〒545-0034 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野元町9−4
まとめ|安倍晴明神社とセットで参拝しましょう!
『阿倍王子神社』はとても歴史が古く、沢山の有名な神様がお祀りされています。
『阿倍王子神社』の末社である『安倍晴明神社』の方が有名ですが、『阿倍王子神社』と『安倍晴明神社』とも近いので、合わせて参拝してみては如何でしょうか。
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