大阪府堺市にある『百舌鳥八幡宮(もずはちまんぐう)』は世界文化遺産である百舌鳥古墳群の中に鎮座し、応神天皇を主神とし、境内社に仁徳天皇他三神をお祀りする古い歴史と伝統のある神社です。
また、『百舌鳥八幡宮』の名を多くの人に知らしめているのが、毎年中秋の名月にあたる旧暦8月15日(現行歴で9月中旬ごろ)に開催される『ふとん太鼓』です。
300年以上も前から行われている豊作と満月を祝うお祭りで『月見祭』とも呼ばれており、15万人以上の見物客が訪れます。
今回はそんな『百舌鳥八幡宮』の歴史から見どころまで分かりやすくご紹介します。
百舌八幡宮の歴史
まずは『百舌鳥八幡宮』の歴史から学びましょう!
『百舌鳥八幡宮』の起源は神功皇后(じんぐうこうごう)の時代に遡ります(西暦169年~269年)。
神功皇后は日本武尊(やまとたけるのみこと)の第2子で14代仲哀天皇の皇后、15代応神天皇の母です。
神功皇后が三韓征伐の帰途、この地において幾万代まで天下泰平民万人を守ろうとの御誓願を立てたとし、八幡大神の宣託をうけて欽明天皇(532年-571年)の時代、この地を万代(もず)と称したのがきっかけと伝わっています。
神功皇后が三韓討伐(新羅、百済、高句麗)の帰りに、百舌鳥の地で『天下泰平万人(幾万年経ってもこの地に留まり国家とその民衆のために平和と幸福を祈る)』の請願を立てたことが始まりとされています。
その後、八幡大神(応神天皇と同一)の神託を受けた欽明天皇(532~571年)がこの地を万代(もず)と称し、神社を創建して祀ったのが百舌鳥八幡宮の起源です。
往時には、社僧48寺、社家360人、神領800町歩をもったといわれています。
後白河天皇の1158年(保元3年)、石清水八幡宮の別宮となり、亀山天皇の皇孫がお参りするなど皇室の信仰を集めただけでなく、室町時代は大内義弘、江戸時代は幕府の大坂城代ら、武家も信仰しました。
しかし、大坂夏の陣の影響を受けて一時期は荒廃します。
江戸時代に入ると熱心な地元の人々の寄進により再興され、『万代』はやがて『百舌鳥』と名前が変わり、今日に至ります。
従って、百舌鳥八幡宮は1400年以上もの歴史を持ちます。
百舌八幡宮の見どころ
それでは『百舌鳥八幡宮』の見どころをご紹介!
一の鳥居から順に紹介していきます。
一の鳥居
一の鳥居は石造の明神鳥居。
左の社号標は『百舌鳥八幡宮』。
水神社
一の鳥居から進んでいくと左手に『水神社』が鎮座しています。
市杵島社
『水神社』のお隣には『市杵島社』が鎮座。
稲荷社
更に本殿入る手前に『稲荷社』。
二の鳥居
本殿に入る手前には二の鳥居。
石造の明神鳥居で扁額は『八幡宮』と書かれています。
拝殿|魔除け・厄災除け・出世開運のご利益
こちらが拝殿です。
ご祭神は弓矢の扱いに優れた武神である『応神天皇(おうじんてんのう)』で配祀に『神功皇后』、『仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)』、『住吉大神』、『春日大神』がお祀りされています。
弓矢は古来より魔除けや厄災除け、また出世開運のご利益があるとされています。
ちなみに、全国にある『八幡宮』が祀っている八幡様と言うのは誉田別命(ほんだわけのみこと)のことですが、誉田別命は実は応神天皇の事です。
巨大な楠木
境内で最も目を惹くのがこちらの巨大な楠木です。
幹周5.2m 樹高25m 樹齢約800年で府の天然記念物に指定されています。
非常に大きなパワーを感じる楠木です。
若宮社
ご祭神は『仁徳天皇(にんとくてんのう)』です。
招魂社
さきの戦争で戦死された氏子出身の方々の英霊をお祀りしています。
授与所
こちらでお守り、御朱印を頂けます。
百舌鳥古墳群の中に鎮座している事にちなんでなのか『はにわみくじ』なんかもありました。
絵馬殿
拝殿の反対側、参道左手には鉄筋で造られた絵馬殿。
月見祭『ふとん太鼓』
そんな百舌鳥八幡宮は、毎年旧暦8月15日の仲秋の名月にかけて行われる『月見祭(つきみまつり)』が有名であり、一番の見どころ『ふとん太鼓奉納行事』を見物しようと、月見祭には多くの参拝客が集まります。
『ふとん太鼓』とは、太鼓を納めた台座の上に5段の朱色の座布団を積み重ねたもので、運行時は高さ約4メートル、重さ約2トンに及びます。
彫刻が施されている部分には高価な黒檀(こくたん)や紫檀(したん)を用い、堅い材質で彫るのに手がかかるが、合戦や神話などの歴史的場面をきめ細かに彫ってあります。
『ベーラベーラベラショッショイ』というかけ声とともに、 氏子9町大小のふとん太鼓が繰り出される様子は勇壮華麗そのものです。
それぞれの町の氏子が交代要員も含めて100~500人程度で町自慢のふとん太鼓を担ぎ、華を競います。
その様子を見ようと、延べ15万人以上が詰めかけるお祭りです。
また、夜間はライトアップされその勇壮華麗な練り歩きは迫力があり観客を圧倒し、堺市の代表的な秋祭りとして多くの市民から親しまれています。
御朱印|105枚目の御朱印を頂きました!
こちらが『百舌鳥八幡宮』の御朱印になります。
初穂料:300円
アクセス
JR阪和線『百舌鳥駅』下車:徒歩11分(850m)
南海高野線『百舌鳥八幡駅』下車:徒歩11分(850m)
南海バス『もず八幡前バス停』下車:徒歩7分(600m)
こちらの神社には十分な無料駐車場があります。
百舌鳥八幡宮:〒591-8037 大阪府堺市北区百舌鳥赤畑町5丁706
まとめ|打ち克つ力を授かりたいにお勧め!
『百舌鳥八幡宮』は如何でしたでしょうか?
『百舌鳥八幡宮』は厄除け開運のご利益を受けることができるパワースポットとして古くから地域の人々から愛されてきました。
応神天皇のご利益は厄除開運なので、何かしら壁にぶつかったり何かに打ち克つ力を授かりたい、そんな人には特にお勧めの神社です。
是非一度、『百舌鳥八幡宮』を参拝してみてはいかがでしょうか。
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