大阪府堺市に鎮座する和泉国一之宮である『大鳥大社』は全国の大鳥神社の総本社です。
初詣には約50万人の参拝者で賑わい、『大鳥大社』のご祭神である武勇に優れた『日本武尊(やまとたけるのみこと)』は、古事記や日本書紀に登場する日本神話の中でも特に勇敢なヒーローとして有名です。
今回はそんな『大鳥大社』の歴史から見所まで、分かりやすくご紹介します。
大鳥大社の歴史
まずは『大鳥大社』の歴史から学びましょう。
『大鳥大社』の創建年代は不明ですが、古事記・日本書紀によると、多くの武勇伝を残していることで有名な伝説の人物『日本武尊』は東国を征討し、その帰りに向かった伊吹山(※滋賀県と岐阜県の県境に位置する山)で病に掛かって伊勢国の能褒野(のぼの※三重県北部)で薨去(こうきょ※皇族や三位以上の人が死去すること)した後、御陵に納められた遺骸が白鳥に変わって大和国琴引原から河内国古市に飛び、最後に留まったのがこの地とのこと。
白鳥が留まった場所は一夜にして森になり、その場所に社を建ててお祀りしたのがこの神社の始まりといいます。
奈良時代、聖武天皇の御代に勅命を受けた僧『行基(ぎょうぎ※飛鳥時代から奈良時代にかけて活動した日本の仏教僧)』が神宮寺として『神鳳寺(じんぽうじ)』を創建。
平安時代〜戦国時代にかけて武家からの信仰が篤く、平清盛・重盛・織田信長などから崇敬されたそうです。
神鳳寺は明治時代の神仏分離令により廃寺となり、現在は大鳥信仰の総本社ならびに和泉国一宮として信仰を集めています。
大鳥大社の見どころ
それでは『大鳥大社』の見どころをご紹介します。
正面から参拝して、道順にご紹介していきます。
一の鳥居
こちらが『大鳥大社』の正面の入口はになる『一の鳥居』です。
車で行かれる方はこの鳥居を車で入り、突き当りを右折した右手に駐車場がありますよ。
千種の森|大鳥大社はじまりの地
境内の森は『千種の森(ちぐさのもり)』と呼ばれており、日本武尊の御陵に納められた遺骸が白鳥に変わって飛び、その白鳥が最終的にたどり着いた地がこのあたりなのです。
そして白鳥が再び飛び立つことのないよう、一夜にして森が生い茂ったと伝えられています。
深い緑に覆われた『大鳥大社』の広さは約1.5万坪で東京ドーム1個分程にもなるそうです。
祓所
奥に進んで行くと左手に『祓所』があります。
玉垣に囲まれ、周りを木で覆われた神聖な感じのする場所でした。
日本武尊像御神像|日本古代史上の伝説的英雄
正面にはご祭神である『日本武尊(やまとたけるのみこと』の銅像が建っています。
12代景行天皇(けいこうてんのう)の御子。
14代仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)の父。
熊襲(くまそ)征討・東国征討を行ったとされる日本古代史上の伝説的英雄である。
日本武尊は西征して熊襲を平定し、東征して東国を平定したが、伊吹山で病に倒れ、伊勢国能褒野でこの世を去った。
与謝野晶子碑
与謝野晶子は、大阪府堺市出身として知られ、今も絶大な人気を誇っています。
ある日、当地に立ち寄り、以下の歌を残しています。
『和泉なる わがうぶすなの 大鳥の宮居の杉の青き ひとむら』
手水舎
こちらが手水舎です。
御神木|家内安全のシンボル
手水舎の横に楠木は、2本の木が繋がって一つになった御神木があります。
こちらは『家内安全のシンボル』と言われているようで、2本が自然に1本の木になったという、非常に珍しい御神木です。
2本が支えあっているように見えることから、信仰すれば、家内安全・家庭優和に恵まれると伝えられているようです。
鳥居
拝殿前にはとても珍しい八角形の柱の鳥居がございます。
拝殿・本殿|勝負運・開運のパワースポット
こちらが拝殿です。
こちらの拝殿は昭和30年に檜皮葺の屋根をふき替えたので、とても綺麗です。
拝殿の裏側に本殿がございます。
ご祭神は『日本武尊(やまとたけるのみこと)』と『大鳥連祖神(おおとりのむらじのおやがみ)』の2柱です。
大鳥連祖神様はこの辺りの氏神様であり、天児屋命(あめのこやねのみこと)と同一とされることがあります。
天児屋命と言えば、天岩戸神話の際には『祝詞』をあげた事で知られています。
現在の本殿は明治42年に再建されたものです。
大鳥神社の本殿は『大鳥造』といって、神社建築で最古の様式と言われる出雲の大社造りから進歩を見せたものと言われています。
『大鳥大社』は、国から霊験著しい、防災雨祈の御祈願社とされていました。
他にも、勝運、開運、厄除、交通安全、商売繁盛、初宮に信仰されて、全国からお参りに来られるそうです。
『日本武尊』といえば連戦連勝したと言い伝えられているので、勝負運・開運のご利益あるパワースポットとして人気です。
お社|国造りの神様
拝殿の横にひっそりとたたずむお社は、奈良の大神神社から勧請された『大物主大神(おおものぬしのおおかみ)』をお祀りしています。
清盛公歌碑|清盛が戦勝祈願
『大鳥大社』には平清盛が詠んだ歌碑が建っています。
1159年、平清盛、重盛父子が熊野参詣の途中、都で兵乱があるとの情報を耳にします。
都に帰る途中、『大鳥大社』に立ち寄り、戦勝を祈願して、以下の歌を残しました。
『かひこぞよ かへりはてなば 飛びかけり はぐくみたてよ大鳥の神』
その後見事、平治の乱を治めることができました。
公式ホームページによると
という意味らしいです。
大鳥美波比神社|出会いのパワースポット
境内の東側には『大鳥美波比(おおとりみはひ)神社』がございます。
ご祭神が『天照大御神』、相殿(あいどの)が『菅原道真公』、『国常立尊(くにのとこたちのみこと)』、『市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)』がお祀りされています。
こちらがこのあたりの地域の氏神様である『大鳥連祖神(おおとりのむらじおやがみ)』の神社と言われています。
もとは北王子村に鎮座であったが明治12年に現在地に遷座しました。
『出会いのパワースポット』として知られているそうです。
織姫神社
『大鳥美波比神社』と同じ敷地に『織姫神社』が鎮座しています。
ご祭神は『火鎮大神』、『宗像大神』、『稲荷大神』、『織姫大神』です。
値上がりの大楠|商売繁盛が叶う木
東門の前には、大きな楠木の御神木がございます。
根っこが盛り上がっている樹齢600年を超えるとされる大木で、『根上がり=値上がり』ということで、商売繁盛や財運向上のご利益があると伝えられています。
株、財産、才能、価値を上げたいものがある時、運気を底上げしたい時はここで手を合わせてみてはいかがでしょうか。
本殿裏
『値上がりの大楠』の近くに石造りの鳥居がございます。
奥に入っていくと、特に何も情報が書いてるものが無かったですが、ネットでいろいろと調べていたら、こんなことが書いてありました。
『土佐守何某という人物がこの石柱を自宅の庭に持ち帰ったところ、夢に祟り神が現れた』とか…。
動画で参拝
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御朱印|103枚目の御朱印を頂きました!
日本武尊が大きな白鳥になってこの地にたどり着いた故事から、『八尋(やひろ※)の白烏』を表す神紋が使用されています。
初穂料:300円
アクセス
JR阪和線『鳳駅』下車:徒歩6分(450m)
南海バス『大鳥神社前バス停』下車すぐ
駐車場無料です。
大鳥大社:〒593-8328 大阪府堺市西区鳳北町1丁1−2
まとめ|勝負運UPを求めるならここ!
『大鳥大社』は如何でしょうか?
昔から霊験あらたかな神社として信仰されてきて、特に歴代天皇からの信仰は篤く、奈良~平安時代には国家的災難時に防災雨祈のご祈願をする神社の一つだったと伝わるほどです。
是非一度『大鳥大社』を参拝してみては如何でしょう。