京都府京都市中京区にある『高松神明神社(たかまつしんめいじんじゃ)』は通称『神明(しんめい)さん』とも呼ばれ、白いインパクトのある鳥居が出迎えてくれます。
御祭神は天照大神、八幡大神、春日大神を祀り、開運や厄除けの信仰を集めています。
今回はそんな『高松新明神社』の歴史や見どころなどを分かりやすくご紹介します。
高松神明神社の歴史
まずは『高松神明神社』の歴史からご紹介します。
『高松神明神社』は920年(延喜20年)、源高明(みなもとのたかあきら:醍醐天皇の十番目の皇子【高松親王】)が左京の三条三坊に邸宅として『高松殿』を造営されました。
邸内に鎮守社として、天照大神が伊勢から勧請され、鎮守の杜として祀ったお社が『高松神明神社』の始まりとされています。
源高明の娘・源明子(みなもとのめいし)は、969年(安和2年)の安和の変(あんなのへん=藤原氏による排斥事件)で父・源高明が失脚後、叔父・盛明親王の養女となり、藤原道長と結婚してこの地で暮らしたことから『高松殿』と呼ばれています。
後白河天皇は、1155年8月23日(久寿2年7月24日)、この地で即位し、御所(里内裏※内裏とは天皇が住み、儀式や執務などを行う場所)として使用しています。
鳥羽法皇が崩御した1156年(保元元年)に起きた保元の乱(後白河天皇方と崇徳上皇方が対立)では後白河天皇方の本拠地となり、源義朝(みなもとのよしとも)、源義康(みなもとのよしやす=足利義康)や平清盛らが高松内裏(高松殿)に集結しています。
1159年(平治元年)の平治の乱で高松内裏は焼失し、その鎮守社の高松神明神社のみが残されています。
戦国時代の1565年(永禄8年)に社殿が再建され『高松神明宮宝性院』となり、真言宗の宥玉法院が寺に入っています。
幕末の1854年(元治元年)に起こった長州藩が京都に出兵し会津・薩摩の藩兵と京都御所で交戦した『蛤御門の変(はまぐりごもんのへん)』による戦火で社殿や神仏習合時代の地蔵尊、金比羅権現などを焼失。
明治初年の神仏分離で別当(神社を管理する寺)の宝性院が廃寺となり『高松神明神社』と称するようになりました。
現在は開運厄除けの神様として知られていますが、地蔵堂があるのは神仏習合時代の名残りです。
高松神明神社の見どころ
それでは『高松神明神社』の見どころを紹介します。
境内はとても小さいですよ。
まずは入り口の綺麗な白い鳥居がひと際目を引きます!
本殿|天照大神をお祀り
鳥居から真っすぐ入っていくと正面に本殿がございます。
御祭神は天照大神、八幡大神、春日大神をお祀りし、開運や厄除けの信仰を集めています。
地蔵堂|真田幸村の念持仏
本殿のお隣に『地蔵堂』がございます。
この『地蔵堂』には、戦国時代に活躍した武将・真田幸村公と縁のある『神明地蔵尊』が安置されています。
1600年(慶長5年)、関ヶ原の戦いで幸村公は西軍に加勢し敗北、父・昌幸公と共に紀州の九度山の『善名称院(ぜんみょうしょういん※真田庵)』に蟄居させられ、毎日地蔵尊と毘沙門天を拝んで暮らしていたそうです。
その地蔵尊が1794年(寛政6年)に『高松神明宮宝性院』の社僧が、『善名称院』に安置してあった真田幸村の念持仏を拝領して持ち帰り、三間四面の地蔵堂を建て、『幸村の知恵の地蔵尊』としてお祀りしました。
この地蔵尊は台石をさすったあとに子供の頭をなでると、知恵を授かるといわれています。
剃髪した衣姿の僧形地蔵で、右手に錫杖、左手に如意宝珠を持っておられます。
授与所
こちらで御朱印やお守りを購入できます。
私が参拝した時はどなたもおられず、御朱印を書置きのものを頂きました。
真田家にまつわる絵馬もありました。
幸せを運ぶ『結び雁金(かりがね)』の絵馬です。
御神木
こちらの『オガタマノキ』は230年前からずっとこの地にあるとの事です。
枝を神事に使うことから、神社に神木として植えられています。
御朱印|93枚目の御朱印を頂きました!
こちらが『高松神明神社』の御朱印です。
初穂料は300円で、右側の『幸村(信繁)の念持仏』の印が特徴的です。
アクセス
地下鉄烏丸御池駅下車:徒歩5分(400m)
高松神明神社:〒604-8276 京都府京都市中京区 釜座東入津軽町790
まとめ|真田ファンの方必見です!
『高松神明神社』は如何でしたでしょうか?
境内は凄く小さいですが、平清盛であったり、真田幸村であったり、歴史好きにはたまらない要素がぎゅっと詰まった神社だと思います。
是非一度、参拝してみては如何でしょうか。
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