大阪の縁結び・恋愛成就のパワースポットといえば、必ず名前が挙がるほど有名な『お初天神(おはつてんじん)』と呼ばれる『露天神社(つゆのてんじんじゃ)』はご利益を求めて、良縁に恵まれたい女性や、二人の縁を深く結びたいカップルが大勢参拝に訪れています。
大都会の中にあるこの神社ですが、一度足を踏み入れると都会の中とは思えないほど、神聖な空気が漂っています。
今回は『お初天神』こと『露天神社』のご利益や人気スポット、御朱印、アクセスなどを分かりやすくご紹介します。
露天神社(お初天神)の歴史を簡単にご紹介
まずは『お初天神』こと『露天神社』の歴史を分かりやすくご紹介します。
創建からなんと1300年以上も経っていますが、正確な創建年度は実は分かっていません。その昔、神社のあるこの辺りは『曾根崎洲』といわれる淀川河口の孤島でした。
神社の起こりは、その孤島に、小さな祠があり『住吉須牟地曽根ノ神(すみよしすむちそねのかみ)』をお祀りしたことに始まります。
しかし、承徳(じょうとく)元年(1097年)に描かれた『難波之古図 』にはすでに『露天神社』が記されていることや、平安時代(794~1185)から鎌倉時代(1185~1333)中期まで、天皇即位の際に行われた儀式『難波八十島祭(なんばやそじままつり)』に、『住吉須牟地曽根ノ神(すみよしすむちそねのかみ)』が参加していたことが記録に残っています。
つまり、6世紀頃にはその形は整っていた事などを考えると、創建から少なくとも1300年は経っていると推測されます!
露天神社の名前の由来知ってます?
実は『露天神社』の名前の起こりは、平安時代(794~1185)に菅原道真が詠んだ和歌の故事にあるんですって!
901年に、菅原道真が九州へ左遷される途中、福島に船泊まりされ、この地でこう和歌を詠まれました。
『露と散る涙に袖は朽ちにけり 都のことを思いだずれば』
これからの身の上と、都への思いをこめた哀愁の歌ですね。
この哀愁の歌から、『菅原道真の涙を露』、『菅原道真は天神様』という事から『露 天神社』と呼ばれるようになったという説もあります。
他にも入梅の時期に祭礼をすることから『梅雨天神』と呼ばれるようになった説、境内にある梅雨時期に清水を湧き出したと伝えられる『露の井戸』が由来になった説など、多数あります。
では何故、お初天神とも言われるの?
それではまず、どうしてこの露天神社が縁結びにご利益があると注目を集めているのか?
それには今から遡ること、約300年前に『露天神社』で起こった大阪の心中事件が原因です。
現在でも歌舞伎や浄瑠璃の演目として繰り返し演じられている、近松門左衛門が発表した人形浄瑠璃『曾根崎心中』の舞台になったのがこの『露天神社』なのです。
1703年に『露天神社』の境内で、追い詰められた若い男女が、恋を永遠に成就しようと心中…。
この話を約一か月後に耳にした近松門左衛門が2人の話を人形浄瑠璃としたのが『曾根崎心中』というわけです。
発表された当時は社会現象になるほど大人気を博し、その中のヒロインの名前の『お初』にちなんで、『露天神社』は『お初天神』と呼ばれるようになりました。
『曽根崎心中』が大評判となった事で『露天神社』に多くの男女が押し寄せ、最後まで愛し合い添い遂げた2人にあやかろうとこの神社を訪れる人が増えました。
それが理由で縁結びのスポット『恋人の聖地』となり人気を集めているというわけです。
露天神社のご祭神と期待できるご利益をご紹介
ご祭神
『少彦名大神(すくなびこなのおおかみ)』
『大己貴大神(おおなみちのおおかみ)』
『天照皇大神(あまてらすすめのおおかみ)』
『豊受姫大神(とようけひめのおおかみ)』
『菅原道真公』 がお祀りされています。
『少彦名大神』は出雲大社のご祭神『大国主命(おおくにぬしのみこと)』の片腕であり、国造りの神のNo2です。
『大己貴大神』は出雲大社のご祭神『大国主命(おおくにぬしのみこと)』のことです。
『天照皇大神』は皇室の祖神として伊勢神宮の内宮にお祀りされています。
『豊受姫大神』は『穀物の神様』であり、伊勢神宮の外宮に祀られている。
『菅原道真公』:言わずと知れた『学問の神様』です。
ご利益
お初天神のご利益として一般的に知られているのは『病気平癒』、『商売繁盛』、『縁結び』、『安産祈願』、『学業向上』、『皮膚病治』です。
境内の見所をご紹介
それでは境内の見所をご紹介していきます。
境内を360°カメラで撮影!
境内の中心地を360°カメラで撮影してみました!
雰囲気だけでも伝われ~!!!!
まずは社殿から参拝!
それではまずはメインの『社殿』からご紹介します。『露天神社』の『社殿』は大坂夏の陣の時に兵火に遭い、焼失しました。
その後、再建されたのですが、1945年6月に第二次世界大戦によって再び焼失、そして1957年に再建されたものが現在の『社殿』です。
開運稲荷社|皮膚病治癒にご利益で有名
こちらは『社殿』の左手にズラッと並んだ朱赤の鳥居の先に『玉津稲荷』こと『開運稲荷社』です。
明治42年の『北の大火』で焼け残った四つの稲荷社を合祀した神社で稲荷社だけに『商売繁盛』、『五穀豊穣』で知られているのですが、他に『皮膚病治癒』にもご利益があることで特に有名です。
ご祭神は『玉津大神』、『天信大神』、『融通大神』、『磯島大神』をお祀りしています。
水天宮・金刀比羅宮|安産祈願・児童守護の御神徳
『社殿』の右側奥に進むと『水天宮 金刀比羅宮』があります。
ご祭神は『天乃御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)』、『安徳天皇(あんとくてんのう)』、『大物主大神(おおものぬしのおおかみ)』、『崇徳天皇(すとくてんのう)』、『住吉大神(すみよしのおおかみ)』、他二柱がお祀りされています。
安産・児童守護は『水天宮』のご利益。
交通安全・水関係の守護は『金比羅宮』のご利益です。
江戸末期(幕末)に孝明天皇が安産を祈願され明治天皇が誕生したという事もあり、特に『安産祈願』や『児童守護』が有名です。
御井社・祓戸社|パワーを持っている神々集結
境内入って右手に『御井社(みいしゃ)・祓戸社(はらえどしゃ)』があります。
ご祭神は『御井に坐す神』と『祓戸四柱ノ大神』がお祀りされています。
『御井に坐す神』とはこの井戸にいらっしゃる神様。
『祓戸四柱ノ大神』とは瀬織津比売(せおりつひめ)、速開都比売(はやあきつひめ)、気吹戸主(いぶきどぬし) 、速佐須良比売(はやさすらひめ)の四神。
軽重様々、全ての罪や穢を祓え給う神々です。
素通りする方が多いですが、凄くパワーを持っている神様なので、こちらも参拝する事をお薦めします。
難波(夕日)神明社|伊勢神宮内宮の天照大神を祀る神社
境内の右手に『難波(夕日)神明社』があります。
かつては『露天神社』の東200~300mの場所にあったらしいですが、明治42年の『北の大火』によって焼失し『露天神社』に合祀されました。当時は『露天神社』よりも『難波(夕日)神明社』の方が有名だったようで、室町時代を描いた難波之古図にはここしか記載されていないみたいです。
ご祭神は『天照皇大神』、『豊受姫大神』です。
『難波(夕日)神明社』は『朝日神明社』、『日中神明社』とともに大坂三神明の一つで、社殿が西向きだったので『夕日の神明』と呼ばれました。
神明神社は伊勢神宮内宮を総本山とし天照大神を祀る神社です。
南向きの日中神明社(大正区・鶴町)
東向きの朝日神明社(此花区・春日出)
西向きの夕日神明社(北区・曾根崎・露天神社)
神牛さん|病気平癒のご利益
『神牛(しんぎゅう)さん』、『撫で牛さん』とも呼ばれ、菅原道真公がお祀りされている天神さまでは、お馴染みです。
身体の病むところと神牛さんのそれを交互に撫で摩るという信仰が、古来より続いています。自分の身体の痛む部分と、神牛さんを交互に撫でます。
そうすることで、病気平癒のご利益がいただけるといわれています。
曾根崎心中を感じれる縁結びパワースポット
『露天神社(お初天神)』の縁結びのご利益スポットは、『社殿』の左手にあります。
『曾根崎心中』の事件があった当時は、この付近は森だったようです。
中には主役となった『お初』と『徳兵衛』のブロンズ像があります。このブロンズ像は、平成16年(2004年)に建立されたものです。
物語は、お初がお客に連れられて大阪三十三番の観音めぐりをするところから始まります。
ヒロインの『お初』は観音めぐりを終え、生玉神社でひと休みしていたところ、集金帰りの恋仲『徳兵衛』とばったり会います。
最近連絡もくれなかった徳兵衛…。
その理由を聞くと、徳兵衛は自分が働く平野屋の主人に、持参金をつけて妻の姪と結婚させられようとしていました。
勿論、徳兵衛は断るつもりだったが、すでに主人は徳兵衛の継母に持参金を…。
徳兵衛は継母からお金を取り戻し、平野屋の主人に返すつもりだったが、お金に困っていた友人に、期限付きでそのお金を貸してしまいます。
ところが、期限を過ぎても友人から一向に返して貰えず、翌日には主人にお金を返さなければならないのでした。
そんな時です!
例の友人が仲間とともにほろ酔いで、徳兵衛とお初の前に姿を現します。
徳兵衛は証文を突きつけて返金を求めますが、証文の印がニセモノだと言い掛かりをつけ、徳兵衛は袋叩きにされます。
周りからは『徳兵衛は自分で偽の判を突いて痛い目にあわされた』などと噂され、『もうどうあがいても、俺が悪いことになるだろう。終わりだ』と嘆く徳兵衛。
二人は涙にくれ、そして覚悟を決め、その夜、お初と徳兵衛は曽根崎の森(露天神社)で、木の幹にお互いの体をしっかり結びつけた後、心中を…。
ここで、恋人と二人で永遠の愛を誓ってみては如何でしょうか?
難転石|福が来るスポット
『露天神社(お初天神)』にはこの丸い玉『難転石』が二つあります。
ここ『曾根崎心中』スポットの入り口と、ブロンズ像の近くにあります。
この『難転石』を回すと悩みが転じて福が来ると言われています。
人気の絵馬・おみくじ
ここでは『露天神社(お初天神)』で人気の絵馬、おみくじをご紹介します。
美人祈願で心も姿も美しく!
こちらは『露天神社(お初天神)』の名物でもある、珍しい絵馬を一つご紹介しましょう。
その名も『美人祈願』です。
顔の部分が白紙になっている絵馬で、ここに『心も姿も美しい人になれますように』と願いながら、自分の理想とする顔を描きます。
この『美人祈願』は徳兵衛から一心に愛されたお初の、心根の美しさを讃えて、『心根美人』を願う祈願となっています。『美人絵馬』と『絵馬鈴つき』のセットで初穂料は800円です。
また、『心美人の手鏡』というのも飾ってあり、そこには『容姿美しきは一時の花。心根美しきは一生の宝。心根美人になれますように。』と書かれています。
しかも、この手鏡にはガラスがなく、表を向けても自分の顔は見えません。『容姿だけでなく、自分の心を見つめなさい。』といわれているようです。
女性にお薦めの絵馬です!
人気の恋おみくじ
こちらはお初天神オリジナルの『恋みくじ』です。
水につけると文字が浮かび上がってくるようになっております。
おみくじの結び処は、スペードとハートの形になっています。
『曽根崎道祖神』の『お初』と『徳兵衛』の可愛らしいキャラクターの所もおみくじが結べますよ。
カップルで永遠の愛を誓いに来た二人には、この顔出しパネルがお薦めですよ。
変わり種おみくじとして『スポーツ御守』というのもあります。競技別でお守りがあるなんてビックリです。
御朱印|15枚目の御朱印を頂きました!
『露天神社(お初天神)』の御朱印には、お初と徳兵衛のカラフルな印が押されています。
アクセス|梅田から徒歩です!
JR東西線『北新地駅』より徒歩5分
Osaka Metro谷町線『東梅田駅』より徒歩5分
JR『大阪駅』、阪急・阪神・Osaka Metro御堂線『梅田駅』より徒歩10分
京阪中之島線『大江橋駅』、『淀屋橋駅』より徒歩10分
駐車場:なし
露天神社(お初天神):〒530-0057 大阪府大阪市北区曾根崎2丁目5−4
動画で参拝気分を味わおう!
まずは動画で参拝気分を味わってください!
まとめ|恋に悩む人は一見の価値あり!
江戸時代にお初と徳兵衛が純愛を貫いた『露天神社(お初天神)』は、縁結びを願う方にとってはぜひ参拝したい神社の1つです。
亡くなった二人の愛は『恋の手本』として、長く語り継がれることになり、今では恋愛成就、良縁・縁結びのパワースポット『恋の聖地』と呼ばれています。
梅田からもすぐなんで行きやすいですよ!
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