京都五条にある『若宮八幡宮』は『陶器の神社』として名高く、京都を代表する『清水焼発祥の地』として鎮座する神社です。
また最近では美容や美人祈願、縁結び、安産、子育て、勝運などのご利益で若い女性の人気を集めているパワースポットでもあります。
今回はそんな『若宮八番宮』の歴史から見どころまで分かりやすくご紹介します。
若宮八幡宮の歴史から学びましょう!
まずは『若宮八幡宮』の歴史から学びましょう。
『若宮八幡宮』の創建は、平安時代後期の1053年(天喜元年)に後冷泉天皇(ごれいぜいてんのう※日本の第70代天皇)の勅願により、源頼義が六条醒ヶ井(さめがい)の邸内に、『石清水八幡』を勧請(かんじょう※神仏の分身・分霊を他の地に移して祭ること)したのが始まりだそうです。
当初は『六條(ろくじょう)八幡』、『左女牛(さめがい)八幡』とも呼ばれ、源氏一族や多くの武士からの信仰厚く、室町時代には足利歴代将軍の崇敬を集め隆盛を極めましたが、応仁の乱により社殿は荒廃し、以後社地も転々とし、1605年(慶長10年)にこの地に移りました。
そして、1654年(承応3年)に後水尾上皇(ごみずのおじょうこう※日本の第108代天皇)の勅により現在の社殿が建てられています。
1949年(昭和24年)、陶祖神である『椎根津彦命(しいねつねひこのみこと)』も合祀されて以後、若宮八幡宮は『陶器神社』としても知られています。
『若宮八幡宮』という名前の神社は日本全国にあり、『若宮八幡神社』や『若宮八幡社』、『若宮八幡宮社』という名前になっている神社もあります。
その名前の通り『八幡宮の若宮』という意味で、多くは宇佐神宮・石清水八幡宮・鶴岡八幡宮などにある若宮(わかみや※本社の祭神の子を祭った神社)を勧請して、八幡神・応神天皇の御子神である『仁徳天皇(大鷦鷯尊:おおさざきのみこと)』をお祀りしていることが多いです。
その他に『八幡宮本宮から迎えた新宮』の意味の『若宮』もあり、この場合は『応神天皇』をお祀りしていることが多いです。
若宮八幡宮の見どころ
それでは境内の見どころを紹介します。
本殿|美人祈願、縁結び、安産、子育て、勝運
鳥居から入って行くと真正面に『本殿』がございます。
創建は1053年(天喜元年)で現在の社殿は1654年(承応3年)に再建されたものです。
『応神天皇 (おうじんてんのう)』、『仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)』、『神功皇后(じんぐうこうごう)』を主祭神とします。
『仲哀天皇』と『神功皇后』は夫婦で『応神天皇』はその子供にあたります。
左相殿(あいどの※同じ社殿に二柱以上の神を合祀すること)に『仲恭天皇(ちゅうきょうてんのう)』、右相殿に『椎根津彦命 (しいねつねひこのみこと※陶祖神)』を配祀していることから『陶器神社』と呼ばれています。
美しく強かったというご祭神の一人である『神功皇后』は住吉大神の神託により、お腹に子供(※後の応神天皇)を妊娠したまま筑紫国から玄界灘を渡って朝鮮半島に出兵し、新羅の国を攻めました。
新羅王は白旗を上げ戦わずして降服して朝貢(ちょうこう※朝廷にみつぎものを差し上げること)を誓い、高句麗と百済も朝貢を約束したといわれています。
その神功皇后に由来し、美容や美人祈願、縁結び、安産、子育て以外にも勝運の御利益がある神社となっています。
美貌の碑|身も心も美しく参拝
本殿前には参拝者自身が穏やかになった表情を見てほしいと『美貌の碑(びぼうのひ)』という御影石に大きな鏡が嵌め込まれています。
立札には『身も心も美しく』と書かれています。
この鏡に自分自身の姿を映すと自分の容姿だけではなく内面までも見通すことができ、素直な気持ちで本殿にいらっしゃる神様に参拝する事が出来ると言われています。
神様に一心にお願い事をするためにも、参拝前には混ぜ『美貌の碑』で自分自身を振り返っておきましょう。
蓬莱石|御神威新たかな石
拝殿左側には『蓬莱石(ほうらいせき)』という霊石があります。
これは、足利尊氏が病気にかかった際に病気平癒を祈願すると完治したことから、お礼に献じた珍宝七種の一つと伝わっています。
この『蓬莱石』は本殿の片隅に埋もれていたものが最近御神託により発見され、約650年振りに世に出されたもので『御神威新たかな石御神威新たかな石』とされています。
ハート型の神石|縁結びのご利益
本殿の右側には撫でると縁結びのご利益があるというハート型の神石があります。
絵馬もハート型で、恋愛祈願の絵馬がたくさんかかっていて、縁結びの神社としてとても人気があることがわかります。
御胞衣埋納所|縁結び家内安全のご神木
本殿と向かう階段を上がった右手に『孝明天皇(こうめいてんのう※第121代天皇)』の『御胞衣埋納所(おんえなまいのうしょ)』があります。
『胞衣(えな)とは『胎盤』のことをいい,かわらけ(※日本の中世から近世にかけて製作・使用された素焼きの土器)に胞衣を入れ,のし結びや小刀を副(そ)えて吉方の土中に埋める習俗がありました。
またこちらの榊は本来は2本である木が、神さまの力で途中から1本になったといわれています。
その為、縁結び・安産・子育て・家内安全のご利益があるといわれています。
こちらも忘れずに参拝しておきましょう。
陶祖神社|陶器業者の信仰を集める
こちらは境内社の『陶祖神社』です。
陶祖神の『椎根津彦命(しいねつひこのみこと)』がお祀りされていて、五条坂に建ち並ぶ清水焼の陶器業者の信仰を集めています。
阿波天満宮|学問の神様
全国に約1万社ほどある『天満宮』の一つであり、ご祭神は『菅原道真公(すがわらのみちざねこう)』です。
生前は、優れた学者・歌人であったことから、学問の神様として有名です。
菅原道真公の神使は『牛』とされることから、境内には撫で牛もいました。
鍾馗神社|鍾馗を祀る日本で唯一の神社
『阿波天満宮』のお隣には『鍾馗(しょうき)神社』が鎮座しております。
中国の民間伝承として広まった、疫病除けなどにご利益のある道教系(中国三大宗教の一つ)の神様といわれています。
京都では民間信仰のひとつとして、町家の小屋根などに鍾馗さんの焼き物が置かれるのが一般的。
向かいの屋根の鬼瓦などから弾かれた邪気を払ってくれる、町家の小さな守り神とされています。
そんな鍾馗さんを正式に神格化して崇めているのがこちらの『鍾馗神社』です。
『若宮八幡宮』が『陶器神社』と言われていることから、鍾馗さんも瓦から作られた焼き物であることにちなみ、2013年(平成25年)に建立されました。
境内の駒札によると、鍾馗神社を建立したのは、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の教授。
ご神体である鍾馗さんは、屋根の上の鍾馗さんの何十倍もありそうな特大サイズで迫力満点です。
そして、大きな鍾馗さんの足もとには小屋根の上にいるのと同じくらいの小さな鍾馗さんがいます。
さらに、対になった鍾馗さんも阿吽(あうん)像のように参拝者を出迎えてくれます。
鍾馗さんをお祀りする神社は日本でここだけらしいです。
その他の3つの末社
こちらは『稲荷社』です。
こちらは『秋葉社』です。
こちらは『祖霊社』です。
社務所
こちらが社務所になります。
こちらでお守り、御朱印を授与して頂けます。
縁結びの絵馬・お守り、学業成就のお守りなどがあります。
御朱印|78枚目の御朱印を頂きました!
若宮八幡宮で頂ける御朱印は2種類あります。
1つは『若宮八幡宮』の墨書きが入り、もう1つは『若宮陶器神社』の墨書きが入ります。
初穂料は300円で、社務所で頂くことができます。
アクセス
京阪電車『清水五条駅』下車:徒歩約9分(650m)
京都市バス『五条坂』下車:徒歩3分(280m)
若宮八幡宮:〒605-0846 京都府京都市東山区五条橋東 479
まとめ|若い女性の人気を集めているパワースポット神社
『若宮八幡宮』は如何でしたでしょうか?
最近では美貌と若々しさで知られる神功皇后にあやかることができるパワースポットとして若い女性の人気を集めています。
『若宮八幡宮』は是非一度は参拝しておきたい神社です。