学問の神様が祀られている神社、京都『北野天満宮』は『天神さん』と呼ばれ親しまれています。
その歴史はとても古く、平安時代の947年創建、なんと1,000年以上の歴史を誇ります!
学問の神様『菅原道真(すがわらのみちざね)』を祀る、全国に12,000以上ある天満宮や天神社の総本社でもあります。
京都有数の寺社の中でも上位の参拝者数を誇る『北野天満宮』のご利益や見所を分かりやすくご紹介します。
北野天満宮の歴史を簡単にご紹介
それではまずは『北野天満宮』の歴史から簡単にご紹介します。
昌泰2年(899)、優れた才能の持ち主であった『菅原道真』は右大臣となり、国家の政務を統括します。
しかし昌泰4年(901)に『藤原時平(ふじわらのときひら)』からいわれもない中傷を広められ、都から左遷されました。
その2年後、都に戻ることができないまま亡くなった道真公ですが、その後、都(現在の京都)で数々の天変地異が起きたため、人々は『道真の祟りだ』と考え、彼の魂を鎮めることにしたのです。
その御霊を鎮め、都を守護する社として天暦元年(947)に創建されたのが『北野天満宮』です。
江戸時代には、各地に読み書き算盤を教える寺子屋が普及し、道真公の優秀ぶりにあやかり、学問成就を祈願する人が相次ぎました。
こうして、道真公は学問の神様として親しまれるようになったのです。
このことが後に『天神さま』と崇められ、主に『学問』、『至誠』、『芸能』、『厄除』の神様として、今も変わらず人々に信仰され続けています。
現在、全国各地には道真公をお祀り神社が、およそ1万2000社以上あるとも言われ、その多くは『北野天満宮』から御霊分けをした神社です。
北野天満宮のご祭神と期待できるご利益
ご祭神は『天神さん』と親しまれる菅原道真公。
道真公は子どものころから勤勉であったため、いつのころからか天神は「学問の神様」として信仰されるようになります。
現代では『受験の神様』として、遠方からもお参りに来る人が後を絶ちません。
道真公の清らかで誠実な人柄と晩年の不遇はさまざまな伝説を生み、やがては天神さまと崇められ、現代でも盛んな信仰へと展開しています。
道真公の精神は『和魂漢才(わこんかんさい)』の四文字に集約されるように、自国の歴史と文化にしっかりとした誇りを持ち、他国の文化も受けいれる寛容さが特徴です。
道真公が生涯一貫された『誠の心』は、今も日本人の心に生きつづけています。
期待できるご利益
農耕の神、正直・至誠の神、冤罪を晴らす神、学問・和歌・連歌の神、渡唐天神(ととうてんじん)、芸能の神、厄除の神
境内の見所
広大な敷地の『北野天満宮』には見所が沢山あり、季節を問わず参拝客・観光客で賑わっています。
それでは入り口から順に見所を分かりやすくご紹介していきます。
一の鳥居
今出川通りに面している『一の鳥居』から入ってくる方が多いのではないでしょうか。
楼門
『一の鳥居』から真っすぐ歩いていくと『楼門』です。
『文道大祖 風月本主(ぶんどうのたいそ ふうげつのほんしゅ)』の額が飾られており、これは平安時代の学者が道真公を称えた言葉です。
『学問や文学を始めた人物、漢詩や和歌に長けた人物』という意味があるそうです。
手水舎
『楼門』をくぐった先に『手水舎』があります。
『手水舎』に花を浮かべる『花手水』は、全国各地の神社仏閣で行われており、SNSで火が付いて現在撮影スポットとしても流行しています。
京都でも実施している所が数カ所あるみたいだが『北野天満宮』がこの『花手水』を行ったのは2020年の6月かららしいです。
紫陽花・ひまわりなど、その時の季節のお花でぎっしりだが、しっかりと手を清める手水は隣にあるので、ご心配なく。
三光門
『楼門』から左側の道に進んでいくと、本殿に続く通称『三光門』と呼ばれる『北野天満宮』を象徴する中門があります。
創建以来、何度も火災に遭い、現在の建物は江戸時代初期の慶長12年(1607)、豊臣秀吉の三男であった『豊臣秀頼(とよとみひでより)』の寄進による建立とされています。
上部に掲げられた『天満宮』の額は『後西天皇(ごさいてんのう)』の御宸筆(ごしんぴつ※天皇,上皇がみずから筆をとって書いた文書のこと)です。
重要文化財にも選ばれている門は、日、月、星が梁の間に彫られていることから『三光門』と呼ばれるそうです。
しかし、門をよく見ると、梁の間には月と日の彫刻しかありません。
三光に必要な星が欠けているため、『星欠けの三光門』としても知られます。
その理由は、かつての朝廷からこの門を見ると門の真上に北極星が輝くので、あえて星を造らなかったためです。
空と一つになり、平安京を守っていた門の伝説は『星欠けの三光門』として、北野天満宮の七不思議の一つに数えられています。
本殿
『三光門』の先にある『御本殿(国宝)』は慶長12年(1607)、『三光門』と同じく、『豊臣秀頼』の寄進による建立と伝わります。
拝殿に道真公が祀られ、本殿と拝殿、石の間、楽の間が全て連結された日本最古の『権現造(ごんげんづくり)』と称され、日光東照宮にも利用されています。
絵馬掛所
こちらは本殿の裏側にある『絵馬掛所』です。
鳥居をくぐってから絵馬を掛けるのですが、絵馬の数にビックリしますよ!
学業成就、合格祈願などの願いが込められた絵馬は、毎年10万枚以上にも及ぶらしいです。
摂社・末社の見所をご紹介
『北野天満宮』には数多くの摂社・末社があります。
それでは摂社・末社の見所をまとめてご紹介します。
火之御子社(ひのみこしゃ)|近年ゴルファーや釣り人の信仰を集める
まずは『三光門』の前にある『火之御子社』からご紹介します。
ご祭神は『火雷神(ほのいかづちのかみ)』で『雷除け・五穀豊穣の神』として崇められています。
北野天満宮ができる以前の947年以前に、雷や火災から守護する『北野雷光(きたのらいこう)』として既にこの地で祀られていた神様だそうです。
老松社(おいまつしゃ)|道真公の教育担当がお祀り
『火之御子社』の向かいにある『老松社』です。
ご祭神は道真公の教育担当だったとされる『島田忠臣(しまだのただおみ)』です。
道真公の魂を降臨させるために松の木を植樹した人物と言われ、『植林・林業の神様』として崇められています。
白太夫社(しろだゆうしゃ)|子授けの神
『火之御子社』の横にあるのは『白太夫社』です。
ご祭神の『渡会春彦(わたらいのはるひこ)』で『子授けの神』として崇められています。
『渡会春彦』は若い頃より白髪だったがゆえ『白太夫(しらだゆう)』の二つ名を持つ菅原道真の従者でした。
この『渡会春彦』が、伊勢神宮にお世継ぎ祈願をしたことで道真公が誕生したことから、子授けの神として崇められているんだとか。
福部社(ふくべしゃ)|開運招福の神
『老松社』の横にあるのは『福部社』です。
ご祭神は『十川能福(そごうのうふく)』で道真公の舎人(牛の世話人)だったとされる人物です。
縁起の良い名前から、『開運招福の神』として崇められています。
伴氏社(ともうじしゃ)|菅原道真公の母君をお祀り
『一の鳥居』から入った参道の左手に鎮座するのは『伴氏社』です。
ご祭神は菅原道真公の母君で『子どもの成長と学業成就の守護』のご利益が期待出来ます。
道真公の母君が『大伴氏(おおともうじ)』の出身のため『伴氏社』と名づけられたそうです。
神前の石鳥居は台座に目を向けると、蓮の花弁が2本の台座に記されているなど、、京都の三珍鳥居に数えられる珍しい形をしています。
地主社(じしゅしゃ)|日本の全ての神様がお祀り
本殿の奥に鎮座しているのは『地主社』です。
ご祭神は『天神地衹(てんじんちぎ)』で『招福』、『交通安全』、『諸願成就』のご利益が期待出来ます。
北野天満宮の創建以前の平安時代初期、836年(承和3年)に創建された、境内で最も古い社です。
遣唐使(けんとうし)の安全祈願のため、日本の全ての神様である『天神地衹』を祀ったことが起こりとされています。
文子天満宮(あやこてんまんぐう)
本殿の一番奥に鎮座しているのは『文子天満宮』です。
『文子天満宮』は、菅原道真の乳母であった『多治比文子(たじひのあやこ)』が神託を受けて、自分の自宅に菅原道真公を最初におまつりしたお社。
かつては西ノ京にありましたが明治時代にこの地に遷宮されました。
その他の摂社・末社
北野天満宮には他にも沢山の摂社・末社があります。
摂社・末社の数は何と51!
勿論、それぞれにご祭神・御神徳がありますので、北野天満宮を参拝するだけで、存在する全てのご利益が頂けるのではないでしょうか?
たくさんの牛像|学業成就・一願成就
境内には様々な『牛像』に出会えます。
牛は『天神さんのお使い』とされてきました。
通称『なで牛』と呼ばれ、頭を撫でると『学業成就』や『一願成就』などのご利益が期待出来るそうです。
つるっとなめらかな手ざわりの像が多いのは、たくさんの人々に撫でられた証なのでしょう。
水占(みずうら)みくじもあるよ
北野天満宮には水に浸すと文字が浮き上がってくる『水占みくじ』があります。
京都・貴船神社の『水占みくじ』が有名です。
赤色=喜:良縁成就・子宝成就
黄色=寿:金運向上・商売繁盛
紫色=祝:身体安全・病気平癒
白色=楽:開運招福・心願成就
今の自分の願いに合った『水占みくじ』を選んだら、水占いみくじ占い所の水に浮かべましょう。
水に浮かべると文字が浮き出てきます。
御朱印|44枚目の御朱印を頂きました!
44枚目の御朱印を頂きました。シンプルですよね!
アクセス
『北野天満宮』へはバス・電車といった公共交通機関を使えば、市内の中心部からでも30分程でアクセスできます。
電車の場合
京福電車『北野白梅町』より徒歩約6分です。
バスの場合
いずれも『北野天満宮前』下車すぐです。
JR『京都駅』:市バス50・101系統に乗車
JR『円町駅』:203系統に乗車
地下鉄『今出川駅』:市バス51・102・203系統に乗車
京阪『出町柳駅』:市バス102・203系統に乗車
京阪『三条駅』:市バス10系統に乗車
阪急『大宮駅』:市バス55系統に乗車
阪急西院駅:市バス203系統に乗車
駐車場
北野天満宮には、参拝者専用の駐車場が完備されています。
収容台数300台、駐車料金が無料。
開場時間は、北野天満宮の拝観時間に合わせた9:00~17:00です。
毎月25日は、縁日のため駐車できませんので周辺の有料駐車場を利用しましょう。
北野天満宮:〒602-8386 京都府京都市上京区馬喰町
まとめ|北野天満宮はご利益豊富!
学問の神様『菅原道真公』がお祀りされているところから学問成就の人気が高い、京都の『北野天満宮』は如何でしたか?
『北野天満宮』には、学問成就のご利益以外にも『縁結び』、『厄除け』『商売繁盛』などのご利益も期待できます。
境内も広く、国宝もあり、見所満載の京都の『北野天満宮』に参拝に出かけてみては如何でしょうか?
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