大阪市南東部の平野区で親しまれている『杭全神社(くまたじんじゃ)』は、千年以上の歴史を持つ神社です。
金運アップのご利益や、全国唯一の連歌所、夏にはだんじり祭で有名な神社です。
今回はそんな『杭全神社』の歴史から見どころまでわかりやすく詳しくご紹介します。
杭全神社の歴史
まずは『杭全神社』の歴史から学びましょう!
創建は862年(貞観4年)、平安時代初期の征夷大将軍『坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)』の孫『当道(とうどう)』が『素戔嗚尊(すさのおのみこと)』を京都の祇園社から勧請して第一殿に平野郷の氏神としてお祀りしたと伝えられています。
それ以来、坂上氏の氏神としてはもちろん、平野区一帯の守り神として信仰を集めてきました。
そのあと12世紀に第三殿が、14世紀に後醍醐天皇の勅命により第二殿が勧請され、ここに現在の三社の規模ができました。
古くは祇園社、熊野権現社と称されてましたが、明治3年に『杭全神社』と改称し、昭和5年に府社に列せられました。
現在では日本で唯一、連歌所が残されており、毎月連歌会が開催されています。
また7月に開催されるだんじり祭りは『平野だんじり』として有名です。
杭全神社の見どころ
では、『杭全神社』の見どころを順にご紹介していきます。
こちらが大通りに面している大鳥居になります。
大鳥居を抜けた先のこちらは駐車スペースになっています。
車でお越しの方はこちらに駐車しましょう。
巨楠(くすのき)
しめ縄をくぐった左手には大きな巨楠があります。
樹齢1,000年で大阪府指定天然記念物に指定されています。
伊勢神宮遥拝所
少し進んだ右手には『伊勢神宮遥拝所(いせじんぐうようはいじょ)』があり、ここからはるか先にある伊勢神宮を拝むことができます。
大門
さらに進むと本殿、拝殿などのあるエリアの入口に建つ『大門』です。
後に改築されていますが、鎌倉時代の建立で境内最古の建造物です。
手水舎
大門をくぐった左手に手水舎があります。
拝殿
大門をくぐった正面に『拝殿』があります。
1858年(安政5年)に建立され、1990年(平成2年)に大改修が行われました。
狛犬|縁結びスポット
拝殿横の狛犬の足元にご注目ください!
足元をよく見ると紐で縛ってあります。
これは『走人足止め祈願』といって、家を出て行った人がまた戻ってくるように願うものです。
走人が家出人といえます。
最近では『足止め』効果から『意中の人が自分のもとを去らないようにする』、『客足が遠のかないようにする』といった願いを込めて紐を結ぶ人も多いようです。
現在は走人を恋人になぞられており、紐を2本狛犬の前脚にくくりつけて願掛けし、その内1本を家に持ち帰ると恋人の心が離れないと言い伝えられています。
本殿
拝殿の裏手に本殿があります。
左手から順に第一本殿、第二本殿、第三本殿となっています。
第一本殿:牛頭大王「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」
天照大神の弟で、ヤマタノオロチを退治した神です。
第二本殿:熊野三所権現(くまのさんしょごんげん)
伊弉冉尊(いざなみのみこと)、速玉男命(はやたまのおのみこと)、事解男命(ことさかのおのみこと)の3神のことです。
第三本殿:伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
日本を造った神です。
なお、本殿三棟は全て国指定重要文化財に指定されており、とても貴重な建物としても有名です。
金運アップ、試験合格、学業成就、厄除け、夫婦円満、延命長寿などのご利益が期待できます。
田村社・祖霊社
境内左手に『田村社・祖霊社』がございます。
『坂上田村麿(さかのうえのたむらまろ)』を主祭神とし、併せて田村麿の次男『坂上広野麿(さかのうえのひろのまろ)』、坂上家祖霊『平野七名家(ひらのしちめいけ)』の祖霊、平野郷の功労者、日清・日露両戦争始め第二次世界大戦に至る戦没者の霊をお祀りしています。
建物は弘法大師を祀る大師堂でしたが、神仏分離で長宝寺(平野本町)の田村堂に祀られていた田村麿像をこの社に移し、弘法大師は長宝寺(平野本町)に移されました。
1649年(慶安2年)に建立。
十柱神社|有名な神様がたくさん!
お隣にある『十柱社(とはしらしゃ)』です。
向かって左から順に紹介します。
恵比須社:事代主命(ことしろぬしのみこと)
大国社:大己貴命(おおなむちのみこと)
多賀社:伊弉諾尊(いざなきのみこと)
中居社:素盞嗚尊(すさのおのみこと)
住吉社:中筒男命(なかつつのおのみこと)
八幡宮:誉田別命(ほんだわけのみこと)
松尾社:大山咋命(おおやまくいのみこと)
金比羅宮:金山彦命(かなやまひこのみこと)
愛宕社:火産霊神(ほむすびのかみ)
加茂社:別雷命(わけいかづちのみこと)
恵比須神社
こちら恵飛須社のご祭神は事代主神(ことしろぬしのかみ)です。
天満宮
境内内には、天満宮が古くからお祀りされてありますが、中門の中にあって通常参拝することができません。
境外に遥拝所がございます。
吉岡稲荷社(よしおかいなりしゃ)
こちらは『稲荷社』でご祭神は『宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ:吉岡稲荷大明神)』です。
食物を司る神で、かつては五穀豊穣を祈り、今は商売繁盛の神として信仰されています。
源光稲荷社(げんこういなりしゃ)
稲荷社の後ろにある『源光社』です。
『宇賀御魂神(うかのみたまのかみ:源光稲荷大神)』をお祀りしています。
吉岡稲荷大明神の後ろに隠れるようにして、石碑のような石板のようなものをお祀りしています。
杭全神社連歌所|日本全国で唯一の連歌所
『杭全神社』には日本で唯一連歌所が残っており、連歌会は明治以降廃れていましたが1987年に復活し、定期的に平野法楽連歌会が催されています。
連歌所は1707年(宝永5年)に再建されたもので、連歌のための建物としては国内に現存する唯一の物としても話題です。
市の文化財に指定されています。
社務所
こちらが社務所で御朱印やお守りをいただけます。
垂乳根(たらちね)の銀杏(いちょう)
境内には樹齢700年の大きな『垂乳根銀杏(たらちねいちょう)』があります。
市指定保存樹で、この巨樹に願いをかけると、母乳の出がよくなったり、乳房の病が治ると伝えられています。
福の種|金運アップ!
こちらが金運上昇のご利益があることで人気になった『福の種』です。
この『福の種』は財布に入れておくと『何事を行う場合にもお金に困らなくなる』という金運のご利益を授けて下さるお守りです。
なぜ金運アップのご利益があるのかというと、次のような伝説が杭全神社には残されているからです。
今から約800年ほど昔、平野区で疫病がはやりました。
ところがある日、村人に夢の中で託宣が下されます。
その託宣通りに杭全神社の神殿を開くと、中にはモミを口にくわえた神像が鎮座していました。
そのモミをさっそく「福の種」として田んぼに植えると、疫病が鎮まりました。
それ以来、杭全神社では神事を通して福の種を人々に授与するようになったのです。
杭全神社の『御田植神事』は毎月4月13日に執り行われますが、そのとき参拝者にはこの『福の種』が受容されます。
裏側には籾の絵が描かれており、お守りを財布に入れておくと、お金に困ることはないそうです。
福の種には価格がついておらず、『お心持ち』と書かれた箱の中に好きな金額を入れていきます。
天満宮拝所|境内の天満宮はここから参拝!
こちらが境外にある『天満宮遥拝所』です。
こちらで境内の中にある『天満宮』に参拝できます。
ご祭神は『菅原道真公』です。
宇賀神社
こちらは境外にある、大鳥居をくぐって左側の弁天池に浮かぶ赤い社の『弁天社』です。
ご祭神は『市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)』で仏教では宇賀神を弁天と同一視されることがあり、そこから宇賀社と呼んでいるようです。
御朱印|101枚目の御朱印をいただきました!
こちらが杭全神社の御朱印で1種類になります。
社名と朱印がデザインされたシンプルなデザインになります。
初穂料は300円です。
アクセス|駅近・駐車場あり
JR関西本線『平野駅』下車:徒歩5分(350m)
地下鉄谷町線『平野駅』下車:徒歩14分(1.1km)
数台ですが無料で止めれる駐車場があります。
杭全神社:〒547-0046 大阪府大阪市平野区平野宮町2丁目1−67
まとめ|大阪で有名な金運アップ神社!
『杭全神社』は如何でしたでしょうか?
金運アップのご利益を授かることができる『福の種』を頂けるのは、4月『御田植神事』はたくさんの参拝者が訪れます。
また厄除け祈願や縁結びのご利益を授かることもできます。
是非『杭全神社』に参拝してみてはいかがでしょうか。
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