世界遺産の上賀茂神社・下鴨神社とあわせて京都3大最古の神社と言われている『松尾大社(まつのおたいしゃ)』は四神相応(しじんそうおう)にて京都を守る西の白虎の位置にあります。
『松尾大社』は狛犬ではなく『亀と鯉』が神使いとして崇められおり、境内にはご利益を授かれるパワースポットがたくさんあります。
今回はこんな『松尾大社』の歴史からどころまで、分かりやすくご紹介します。
松尾大社の歴史から学びましょう!
まずは『松尾大社』の歴史から学びましょう!
『松尾大社』の本殿の背後にある松尾山は、太古の昔から、山頂近くに『磐座(いわくら)』と呼ばれる、神が降臨するという岩があり、周辺の住民たちが山霊を祀り、守護神として尊崇を行っていたと言われています。
5世紀ごろ、この地に渡来人である秦氏がやってきて、この神様を総氏神としたそうです。
飛鳥時代の701年(大宝元年)に『文武天皇(もんむてんのう※第42代天皇)』の勅命を賜り、『秦忌寸都理(はたのいみきとり※秦氏の首長)』が山麓の現在地に神殿を営み、山霊を勧請して社殿を設けました。
中世以降は『お酒の神様』として信仰され、現在においても醸造家からの信仰の篤い神社となっています。
古くは『松尾神社』と称されていましたが、1950年(昭和25年)に現在の『松尾大社』となりました。
松尾大社のご祭神とご利益
ご祭神
大山咋神(おおやまぐいのかみ)
市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
『大山咋神(おおやまぐいのかみ)』は日本神話に登場する有力な神で『須佐之男神(すさのおのみこと)』の御子である『大年神(おおとしのかみ)』の御子とあらわされております。
『市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)』は『中津島姫命 (なかつしまひめのみこと)』の別名で『天照大神』と『須佐之男神』の誓約(うけい)によって生まれたと伝えられる神で、福岡県の宗像大社に祀られる三女神の一神として古くから海上守護の霊徳を仰がれた神です。
朝鮮半島と交易していた秦氏が、航海の安全を祈ってお祀りしたと言われています。
ご利益
酒業繁栄
御祭神がお酒の神様であることから、お酒業界の繁栄にご利益があります。
良縁・恋愛成就・夫婦和合
境内には、松の雌株と雄株が根元で一つになった『相生の松』という樹齢350年で天寿をまっとうした松があり、この松には、良縁・恋愛成就・夫婦和合のご利益があります。
健康長寿
松尾大社の神の遣い『亀』は、長生きすることから健康長寿のご利益があります。
松尾大社の見どころ
それでは『松尾大社』の見どころをご紹介します。
一の鳥居
松尾大社は四条通りの突き当りにまず見えるのが大きな『一の鳥居』です。
『松尾大社』と書かれた石柱があります
二ノ鳥居
『一の鳥居』を進んで行くと、『松尾大神』の扁額があり、脇勧請(わきかんじょう)と呼ばれる榊(さかき)が下げられている『二ノ鳥居』があります。
穢(けがれ)を祓う力があると云われている榊を、原始の神社では、境内の大木に吊り下げることによって、神域と人の結界としていて、それが鳥居の始まりと言われています。
榊の枯れ方により農作物の出来具合がわかり、榊が完全に枯れると豊作で、一部枯れ残ると不作になるという風習があります。
楼門
『二ノ鳥居』の先には立派な楼門が現れます。
最近までは楼門の金網に杓子(しゃくし)が差し込まれていましたが、現在は文化財保護の為、杓子や絵馬を掛ける事は禁止されています。
撫で亀さん|撫でるとご利益が授かれる
楼門をくぐると右手に『撫で亀さん』があります。
古来『亀』と『鯉』は松尾大神様のお使いと伝えられています。
中でも『亀』は健康長寿のシンボルとして親しまれてきました。
直接手でお触れになり、その霊威にあやかってご利益を受けることが出来ます。
拝殿|京都府暫定登録文化財
『撫で亀さん』の先にあるのは『拝殿』です。
こちらの拝殿は楼門と共に江戸期の建築物で京都府暫定登録文化財に指定されています。
本殿|国の重要文化財
こちらが本殿です。
701年(大宝元年)に建立され、その後改築・修理を経て、現在の『本殿』になりました。
全国でも類例少ない両流造(りょうながれづくり※屋根の前方と後方の庇を伸ばした様式)であり国の重要文化財に指定されています。
両流造の社殿は、宗像大社と厳島神社の3社のみで使われている様式で、その中でも松尾大社は最古の社殿とされています。
相生の松
『本殿』向かって右手には樹齢350年で天寿を全うした、雌雄同根の珍しい古木『相生の松』があります。
一方の松は昭和31年に天寿を全う、翌年には後を追うようにもう一方の松も天寿を全うし、現在は名松の大株を見ることができます。
夫婦和合・恋愛成就の象徴といわれ、篤い信仰を集めています。
相生の松の両側には御神徳にあやかるべく、たくさんの『葵絵馬』が奉納されていました。
杓子・絵馬、火焚串は相生の松の脇に置いてありますが、『葵絵馬』は授与所にしかありません。
遙拝所|伊勢神宮へ参拝
本殿左手には『伊勢神宮 遥拝所』がございます。
末社の四社
本殿左手には末社の四社が鎮座しています。
衣手社(ころもでしゃ)
ご祭神:羽山戸神(はやまとのかみ)/農耕及び諸産業の守護神
一挙社(いっきょしゃ)
ご祭神:一挙神(いっきょのかみ)/素戔嗚尊の別名、古来困難に出会ってもこの神に祈れば一挙に解決する
金刀比羅社(ことひらしゃ)
ご祭神:大物主神(おおものぬしのかみ)/大国主神の和魂(にぎみたま)商売繁盛・交通安全の守護神
祖霊社(それいしゃ)
松尾ゆかりの功績者をお祀りしています。
椋の霊樹
この『椋の霊樹(むくのれいじゅ)』は京都の名木として樹齢800年を数えます。
しかし平成5年に大雨により枯朽しました。
その後、大椋の幹を以って造形し、樹齢を祀っています。
亀と鯉|不老長寿と出世開運の守護
こちらは本殿左手にある『亀と鯉』です。
境内で亀と鯉をよく見かけます。
これは、松尾大神が保津峡を開くとき、川を遡るのに、急流は『鯉』、緩やかな流れは『亀』の背に乗って進んだという言い伝えがあるため。
亀は不老長寿、鯉は出世開運の守護として、松尾大神の使いとされています。
祓戸大神|まずはこちらを参拝
本殿左手にあるに『祓戸大神(はらえどのおおかみ)』が鎮座しています。
祓戸社がある神社はまず祓戸社から参拝するとご利益が更に得られると言われています。
こちらに参拝してお祓いをしていただいてから本殿に参拝をおススメします。
亀の井|よみがえりの水と呼ばれる霊泉
本殿向かって右側の廊下を潜るとすぐにある『神水』と書かれた泉『亀の井』がございます。
この泉は、松尾大社の奥に見える山(松尾山)からの渓流で、またの名を『よみがえりの水』とも言われています。
延命長寿の功徳があり、お酒の仕込みに使うと、酒が腐らなくなるといわれ、今も酒造りの時期には酒造家の方がお水を求めて来られるそうです。
地元の方もよく汲みに来られるとのことで、手持ちのペットボトルなどに汲んでもいいとのことですが、社務所には『御神水容器(100円)』も用意されています。
四大神社・三宮社
こちらは『亀の井』の先にある末社の三社です。
三宮社(さんのみやしゃ)
ご祭神:玉依姫命(たまよりひめのみこと)/山城地方開拓の功労神、農業殖産の守護神
四大神社(しのおおかみのやしろ)
ご祭神:春若年神(はるわかとしのかみ)、夏高津日神(なつたかつひのかみ)、秋日売神(あきびめのかみ)、冬年神(ふゆとしのかみ)/四季折々の神々で年中平安をお護りくださる神
滝御前|松尾大社随一のパワースポット
こちらは『三宮社』、『四大神社』の先にある『滝御前(たきごぜん)』です。
ご祭神:罔象女神(みつはのめのかみ)/水神、万物生成を司る神
そして、滝御前の奥に松尾大社随一のパワースポット『霊亀の滝』があります。
この滝は松尾山を源とし、二段になった滝で、水量はあまり多くはないのですが、昔おびただしい亀が見つかったことから『霊亀』と言われているのだそうです。
樽うらない|他では見ない珍しい占い
松尾大社ではちょっと他では見ないユニークな『樽うらない』というものがあります。
樽に向かって矢を放ち、矢がどこへ行くかで吉凶を占います。
1回500円(3本)で赤い所に当たった方、黒い所に当たった方、樽の中に当たらなかった方によってもらえるお守りが変わってきます。
御朱印|84枚目の御朱印を頂きました!
こちらが『松尾大社』の御朱印になります。
左下には松尾大社の神の使いである『亀』の朱印が押されています。
アクセス|無料駐車場有
阪急電鉄嵐山線『松尾大社』駅下車:徒歩2分(180m)
市バス/京都バス『松尾大社前』バス停下車:徒歩2分(180m)
松尾大社には無料で停める駐車場がございます。
松尾大社:〒616-0024 京都府京都市西京区嵐山宮町3
まとめ|スピリチュアル好きな方にオススメ!
上賀茂神社・下鴨神社と並び『京都最古の神社』と言われる『松尾大社』は如何でしたでしょうか?
境内には、恋愛成就で知られる『相生の松』や、延命長寿の水とされる霊泉『亀の井』など多くのご利益があり、見どころはたくさんあります。
また、京都の人気観光スポット嵐山にも近いので、是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。
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