大阪でも多くの人が参拝する『四天王寺』は観光スポットとしても人気です。 しかし、何のご利益があって、どんなご本尊様が祀られているか分からずに参拝している人も多いはず。 (関西人ですらそうかもしれません・・・)
今回は『四天王寺』の境内全体とご本尊とご利益、御朱印、アクセスを初心者でも分かりやすくご紹介したいと思います。
動画で参拝気分を味わおう!
- 1 四天王寺の歴史を簡単に紹介
- 2 四天王寺で期待出来るご利益
- 3 境内のお薦めスポット
- 3.1 石ノ鳥居~極楽門へ
- 3.2 引導石|極楽浄土へ行きたい人集合!
- 3.3 360度画像で撮影してみました①
- 3.4 中心伽藍(有料施設)|一見の価値ありスポット!
- 3.5 六時礼讃堂|病にお悩みのある方はお薦め!
- 3.6 360度画像で撮影してみました②
- 3.7 元三大師堂|魔除厄除・合格祈願のご利益
- 3.8 大師堂|大阪で四国八十八ヶ所を巡礼!
- 3.9 布袋堂|子孫繁栄・商売繁盛のご利益
- 3.10 大黒堂|最強の開運スポットはここ!
- 3.11 万燈院|無病息災・病気平癒のご利益
- 3.12 亀遊嶋辯天堂|技芸上達、福徳円満ご利益
- 3.13 番匠堂|技術向上と安全を願う!
- 3.14 亀井不動尊|厄除開運・大願成就のご利益
- 3.15 牛王尊|病気平癒のご利益
- 3.16 庚申堂|厄除開運・病気平癒のご利益
- 4 その他のスポットをまとめてご紹介
- 5 四天王寺で3種類の御朱印購入|1枚目の御朱印を頂きました!
- 6 四天王寺へのアクセス
- 7 まとめ|時間をかけてしっかり参拝しよう!
四天王寺の歴史を簡単に紹介
まずは『四天王寺』の歴史から簡単にご紹介!
『日本書紀』には593年に建造が開始されたと記載があり、誰もが知っている聖徳太子が建立したお寺で、日本で最古の仏教寺院の一つ。
四天王寺が出来たきっかけは仏教の容認派の蘇我氏と非容認派の物部氏の対立が原因とされています。
古代神道が中心だった日本に百済からの渡来人が持ち込んだ仏教を受け入れるか、排除するかのか?
容認派の蘇我氏についていた聖徳太子は不利な戦況を憂い、四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)を型取って木を掘り、この戦に勝てば必ず四天王を安置する寺を建立すると誓いを立て、結果、容認派の蘇我氏が勝利し、四天王寺建立に至ったという事です。
四天王寺で期待出来るご利益
四天王寺さんで期待出来る主なご利益はこちらです!
合格祈願、子孫繁栄、商売繁盛、福徳円満、縁結び
無病息災、病気平癒、諸願成就、厄除開運など
境内のお薦めスポット
それでは境内の見所をご紹介します!
こちらが境内の位置関係です!
四天王寺には特に参拝の順序というものはないので、参りたいお堂から行っても大丈夫です。
石ノ鳥居~極楽門へ
こちらは四天王寺の西門の『石ノ鳥居』。
天王寺方面の電車で来た方は、この西門の『石ノ鳥居』から入る方が多いです。
通りを真っ直ぐ行くと『極楽門』が見えますがこの通りはまともに東西にはしり、建立当時、この門は大きな意味合いを持っています。
四天王寺西門近くの交差点に行くとよく分かるのですが、東、南、西に道は下がって行きます。
つまり四天王寺は高台にあり、 この辺りの7世紀頃は高い建物も無く、海岸線も難波あたりで西に沈む太陽を幻想的に眺めた事と思われます。
現在は海岸線も遠く、高い建物で視界は遮られています。
この鳥居は春分や秋分の夕暮れのときに、太陽がちょうど鳥居の中心に入り西の海に入ることから、仏教の修行法の一つである『日想観(じっそうかん・にっそうかん)』の始まりの地ともされており、法然上人や弘法大師空海といったのちの高僧もこの場所で修行したとされています。
四天王寺の西側の入り口である『石ノ鳥居』をくぐって、すぐにあるのが『西大門(さいだいもん)【通称:極楽門】』です。
パナソニックの創業者・松下幸之助氏に第二次世界大戦後、寄進で再建されてから、『極楽に通じる門』という意味から『極楽門』という名前に改正されましたらしいです!
門の四ヶ所の柱にコマ状の小さな車輪『転法輪』が付いています。
引導石|極楽浄土へ行きたい人集合!
聖徳太子ゆかりの『引導石』にして四天王寺四石(転法輪石・熊野権現礼拝石・伊勢神宮遥拝石・引導石)の一つに数えられています。
『石ノ鳥居』をくぐってすぐの所にあります。
360度画像で撮影してみました①
境内の雰囲気と位置関係が少しでも伝わるようにと360度カメラで撮影してみました!
中心伽藍(有料施設)|一見の価値ありスポット!
中心伽藍:回廊に囲まれた中に『中門(仁王門)』、『五重塔』、『金堂』、『講堂』の朱色の4つの建物が一直線に並んでいるのは四天王寺特有のもので『四天王寺式伽藍配置』と呼ばれています。
五重塔は何度も焼失と再建を繰り返しており、現在のものはなんと八代目。四天王寺の五重塔は内部拝観が可能で、最上階まで登ることができます。
金堂には、四天王寺本尊の『救世観音菩薩像(くせかんのんぼさつ)』、その周囲には四天王像が立ちます。
講堂の中には、大きな2体の仏像『阿弥陀如来像』と『十一面観音像』が安置されています。
有料ですがお薦めスポットです!壁画やご本尊様は圧巻などで是非入ってみて下さい!
堂内の壁画を是非見て下さい! 釈迦の誕生~入滅(死亡)までのエピソードが描かれていて勉強になりますよ!
六時礼讃堂|病にお悩みのある方はお薦め!
こちらは『六時礼賛堂(ろくじらいさんどう)』で『中心伽藍』の背後にあります。
人々の病に応じて薬を施し救う仏様『薬師如来坐像』と『四天王像』が祀ってあり重要文化財に指定されています。
昼夜6回にわたり、諸仏礼讃(読経・礼拝・念仏)を行うお堂であったので『六時礼讃堂』と言います。このお堂は、納骨や供養が行われる中心道場であり、また、大法要もここで行われます。
観光としてだけでなく、寺院としても大変重要なお堂と言えます。
また、入口には『賓頭盧尊者像(びんずるそんしゃ)』や『おもかる地蔵』が祀られています。
よく撫でている人が多いからか、すごくツルツルしてます!
こちらが『おもかる地蔵』です。
こういうのは気の持ちようでもあるので軽いと思ったら良いんです!わざわざ暗くなる方向に考える必要なし!
360度画像で撮影してみました②
元三大師堂|魔除厄除・合格祈願のご利益
『元三大師堂』は『六時礼賛堂』の北西にあります。
元三大師(がんざんだいし)とは、第18代天台座主で、叡山中興の祖、そして、おみくじの生みの親と言われる、慈恵大師良源のことです。
元三大師堂は、1618年(元和4年)に建立された寄棟造の建物で、重要文化財に指定されています。
現在は、元三大師像の他、弘法大師像、文殊菩薩像、普賢菩薩像、如意輪観世音菩薩像、不動明王像を安置しています。
学業成就・試験合格のご利益があるとされ、毎月3日の例月祭や、1月3日の『新春合格祈願護摩供』の際には、多くの受験生やその家族が参拝に訪れます。
合唱しながらご真言を唱え、『智慧の輪』をくぐれば成績向上、大願成就!
大師堂|大阪で四国八十八ヶ所を巡礼!
極楽門の南側にある『大師堂』は大師は大師でも真言宗の開祖・弘法大師(空海)をお祀りするお堂です。
弘法大師は、若いころに、四天王寺の西大門(極楽門)で日想観(じっそうかん・にっそうかん)の修行をしたと伝えられ、大師堂の北側には、『弘法大師修業像』が祀られています。
この像の周りの砂は、四国八十八ヶ所霊場の砂を集めたもので、『お砂踏み場』となっており、大師堂で申し込めば1回300円で『お砂踏み』を体験できます。四国八十八ヶ所を巡礼したのと同じご利益があるとされていますよ!
お砂踏みの申込時間:8時30分~15時30分
布袋堂|子孫繁栄・商売繁盛のご利益
『石ノ鳥居』をくぐり、『極楽門』の手前南側に『布袋堂』はあります。
『乳のおんばさん』、『乳布袋』として親しまれているお堂で『お乳が良く出るように』、あるいは『子どもが健康に育つように』といった、乳に関する願いや悩みを持つ、多くの女性が参拝しています。
布袋さまと乳との関係はよくわかっていないそうですが、一説には聖徳太子の乳母を祀ったことと、布袋さまの豊かな乳房とが結び付けられた信仰と言われています。
乳布袋と呼ばれる像は、お堂の中に安置されています。
表にお祀りされている布袋尊像は、『なでほてい尊』と呼ばれ、撫でてお参りします。
大黒堂|最強の開運スポットはここ!
『大黒堂』は『元三大師堂』の西側にあります。
三面大黒天をお祀りしております。
三面大黒天は正面に大黒天、向かって右に辯財天、左に毘沙門天の顔を持っている神です。
大黒天は戦闘神であり、五穀豊穰をもたらし、辯財天は芸術、音楽、財宝、毘沙門天は最強武神であり、財宝の神で、平く言うと、資材と力に金運、そして才能の現生利益を兼ね備え持つ神々の合体です。
万燈院|無病息災・病気平癒のご利益
『阿弥陀堂』のお隣にある『万燈院』には普賢菩薩が祀られて十三仏巡り第四番であまねく一切にわたり最も優れた善を有する菩薩といわれている。
万燈院(まんとういん)には、御本尊の十一面観世音菩薩像などの他に紙衣仏(かみこぶつ)を祀るお堂で『紙衣堂』とも呼ばれています。
紙衣仏とは、読んで字のごとく、紙でできた衣を着た仏さまのことで、難病に侵されながらも紙の衣を着て修行したという羅漢さまをモデルにしています。
そのため、病気回復にご利益があるとされ、10月10日の衣替え法要には多くの人が訪れ、たいへん賑わいます。
お堂の入口には木槌と木臼があり、痛い所をさすると病が治るとされています。
お堂の入口には木槌と木臼があり、痛い所をさすると病が治るとされています。
木槌で打盤を3回叩き、次は自分の痛んでいる場所を3回トントン叩くと良いらしいです!
亀遊嶋辯天堂|技芸上達、福徳円満ご利益
『亀遊嶋辯天堂(きゆうじまべんてんどう)』は、境内東側の池の島に建つ、二層の屋根が特徴的な六角堂です。
名称は、お堂の姿を、池に遊ぶ亀の甲羅に見立てて名付けられたのではないかと言われています。
御本尊は、八臂(はっぴ)、つまり8本の手を持つ、神秘的なお姿の辯才天(弁才天・弁財天)像で、智恵弁才、福徳円満、子孫繁栄などのご利益があるとされています。
番匠堂|技術向上と安全を願う!
『中心伽藍』の東側にある、このお社は大工技術の始祖として番匠達から尊崇される聖徳太子を祀り、技術向上と安全を願って祀られる『番匠堂』です。
聖徳太子像や肖像には直角に曲がった定規、つまり差金を持ったものもあります。技術向上安全を願う方は大工土木以外の方もお参りしてはどうでしょう。
因みに四天王寺の谷町筋北側に現存する金剛組は日本最古の寺社の修復建築をする会社です。
この旗は遠目に見れば南無阿弥陀佛と書かれているだけに見えますが、実は、一片一片を『鋸』、『小刀』、『錐』、『鉋』・・・など、大工の道具を象った影で描かれています。
亀井不動尊|厄除開運・大願成就のご利益
『亀井堂』の横にある『亀井不動尊』は、593年(推古元年)の創建と伝わり、空襲による焼失後、1933年(昭和30年)に再建されました。
本尊・水掛け不動尊像は全身を苔に覆われた小さな石像で、左右には子育地蔵尊像、延命地蔵尊像が祀られています。聖徳太子が尊い声に呼び止められて亀井の井戸を覗くと、その水面に不動明王の姿が映っていたため、不動尊を祀ったのが起源と伝えられています。
近畿三十六不動尊霊場の第一番札所となっています。
牛王尊|病気平癒のご利益
『亀井不動尊』の向かい側にある『牛王尊(ごおうぞん)』は、593年(推古元年)の創建と伝わっています。
牛王尊とは、四天王寺建立の際、建築資材を運搬した牛が、伽藍が完成した途端に化けたと伝えられる『石神』で、こちらには、その言い伝えにちなみ、巨石が安置されています。
後世、牛は草を食べることから、転じて『子供の顔にできる草(できもの・腫れ物)をとってくれる』という信仰が生まれ、絵馬を奉納すると病気平癒のご利益があるとされています。
庚申堂|厄除開運・病気平癒のご利益
『庚申堂(こうしんどう)』は、四天王寺の南大門から南に300mほどの場所にあり、日本で最初に庚申尊が出現した地と伝えられ、京都の八坂庚申堂、東京の入谷庚申堂(現存せず)と並び、日本三庚申の1つに数えられています。
701年(大宝元年)に豪範(ごうはん)僧都が創建し、豊臣秀頼によって再建された後、大阪大空襲で焼失し、現在のお堂は大阪万博で全日本仏教会が休憩所として建築した『法輪閣』が寄進・移築されたものです。
堂内には秘仏・青面金剛童子像と四天王像が祀られており、除災無病のご利益があるとされています。
庚申の日やその前日(宵庚申)に参拝すれば、必ず一心叶えられると言われています。
庚申堂:〒543-0056 大阪府大阪市天王寺区堀越町2−15
その他のスポットをまとめてご紹介
『地蔵堂』はあらゆる場所からお祀り出来なくなったお地蔵様が集まっており、多種多様のご利益のあるお地蔵様がおられます。あらゆるお地蔵様がおられるので、きっとあなたの望みのお力になって戴ける事と思いますよ。
『亀井堂』は平日でも多くの方が、回向を済ませた経木を流す先祖供養されています。内部は西側を『亀井の間』、東側を『影向(ようごう)の間』と呼び、左右に観音様の煩悩を除く力を馬の速さと馬力になぞらえた仏様『馬頭観音像』と安産・健康・長寿 ・智恵・豊作・求財などにご利益がある『地蔵菩薩像』を祀っています。
『見真堂(けんしんどう)』は、浄土真宗の祖・親鸞聖人(見真大師)の功績を称え、祀るために建立されたお堂です。
『英霊堂』は『六時礼賛堂』の北側にあり、ご本尊は阿弥陀如来像が祀られています。
南大門から見て中心伽藍の左手前に位置する現在の『阿弥陀堂』は、1953年(昭和28年)に四天王寺の末寺・三重県国束寺(くずかじ)から本堂を移築したものです。
中心伽藍の北側にある『北鐘堂(きたがねどう)』は阿弥陀如来像がお祀りされています。
『太鼓楼(たいほうろう)』は、もともと、時刻を知らせる太鼓(時太鼓・時の太鼓)を鳴らすお堂でしたが、再建の際に『北鐘堂』を同じ黄鐘調(おうしきちょう)の鐘が設置されました。御本尊の虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)は、虚空(宇宙)のように広大な知恵と慈悲を有する仏さまです。毎年4月いっぱいは、太鼓楼にて十三まいりの法要が営まれ、前厄・後厄も含め、かぞえ年で13歳前後のお子さんやご家族が、今後の人生で知恵、福徳、健康などを授かれるよう、祈願しに訪れます。
境内の南側にある『南鐘堂(みなみがねどう)』の正式名称は、『鯨鐘楼(げいしょうろう)』と言います。
『南鐘堂(みなみがねどう)』の北側にある『太子殿』は正式には『聖霊院』と言います。別名太子堂とも呼ばれており、聖徳太子を祀っています。太子信仰の中心となっている場所でもあります。
『伊勢神宮遙拝石』は資料によれば、江戸時代から人々はここに詣でて伊勢神宮を遥拝(ようはい)していたらしい。元々は東大門の外にあった物を明治初年に現地に移したそうです。遙拝とは遠くへだたった所から拝むことですよ。なので、ここから伊勢神宮へ拝む事が出来ます!
『熊野神社遙拝石』も南大門近くにあります。その昔、聖地熊野を目指した人々が、この礼拝石の上に立って手を合わせたと伝えられます。彼方に鎮まる熊野権現に向かって手を合わせ、道中の安全を祈願したといわれます。
四天王寺で3種類の御朱印購入|1枚目の御朱印を頂きました!
四天王寺へのアクセス
電車の場合
環状線:天王寺駅から北へ徒歩12分
地下鉄御堂筋線谷町線:天王寺駅から北へ徒歩12分
地下鉄谷町線:四天王寺前夕陽ケ丘駅から南へ徒歩5分
近鉄南大阪線:阿倍野橋駅から北へ徒歩14分
車の場合
環状線方面:阪神高速道路14 号松原線夕陽ケ丘出口から約6分。
松原方面:阪神高速道路14 号松原線文の里出口から約10 分。
四天王寺:〒543-0051 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1−11−18
動画をご覧になって、四天王寺を参拝した気分になって下さい!
音声では厳選おすすめスポットBest3をご紹介してます。
まとめ|時間をかけてしっかり参拝しよう!
四天王寺では南無何々と色んな言葉をみる事が出来ます。
南無阿弥陀佛や南無妙法蓮華経、南無大師遍照金剛とやたら南無と頭に着く言葉がありますが、その南無とは身命を捧げて服従し、おすがりしますと言う意味でその後に着く言葉に帰依します(おすがりします)と言う事です。
四天王寺は現在の宗派に囚われない、仏教の基本的姿が学べる場所ではないかと思います。
創建当時は宗派と言う認識は無かったのですが、法華経を重んじていた聖徳太子でしたのでのちに天台宗に属しますが独立します。親鸞上人や弘法大師が併設されている事からも、天台宗、浄土真宗、真言宗とあらゆる顔を持ち合わせていて他には見られない姿だと思います。
仏教は命あるもの全てを救うべく多数の伸び伸びした亀の姿や水を飲みに集まるハトの群れにも俗世間から少し切り離してくれる場所だと感じます。
俗世間にはびこる煩悩を一度捨てに参拝しに行ってみては如何でしょうか。
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