【高台寺】見どころを完全網羅!ねねの道から分かりやすくご紹介!

京都・東山の人気観光名所の一つである『高台寺』は日本を統一した太閤豊臣秀吉の正室・北政所『ねね』が秀吉の没後、その冥福を祈るために建立したお寺です。

『秀吉とねねの寺』として人気があり、国の史跡・名勝に指定されている庭園など見所も多く、国内の観光客は勿論、外国の観光客にまで幅広く親しまれています。

今回はそんな『高台寺』の見所を誰にでも分かりやすくご紹介します。

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高台寺の歴史を簡単にご紹介

それではまずは『高台寺』の歴史から分かりやすくご紹介します。

『高台寺』は北政所・ねねが秀吉の菩提(ぼだい※死後の冥福)を弔うため、徳川家康の財政支援を得て1606年(慶長11年)に建立したお寺で正式名称は『高台寿聖禅寺(こうだいじゅしょうぜんじ)』です。

ねねは高台寺の塔頭寺院である『圓徳院』で晩年を過ごし、この地で没したとされています。

当時の敷地は現在よりもずっと広く、 『方丈(ほうじょう)』、『小方丈』、『持仏堂』などが伏見城から移築されましたが、1789年(寛政元年)や1863年(文久三年)に火災に遭い、創建時の建物の多くが焼失しました。

明治になると上知(あげち※江戸時代、幕府や藩が土地を没収すること)で寺地は縮小し、現在へと至ります。

『霊屋(おたまや)』、『開山堂』、『傘亭(からかさてい)』、『時雨亭(しぐれてい)』などが重要文化財に指定されている。

創建当時存在した『仏殿』は焼失後再建されておらず、『方丈』が中心的な堂宇となっています。

創建当初は曹洞宗(そうとうしゅう)だったそうですが、1624年(寛永元年)に『建仁寺(けんにんじ)』の『三江紹益(さんこうしょうえき)和尚』を迎え、臨済宗に改宗されました。

京都市内にある寺院の中で、最初に夜のライトアップをはじめ、今では京都市内の寺院中で行われる文化となっています。

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境内の見所

それでは『高台寺』の境内を詳しくご紹介していきます。

境内は広く、見所もたくさんありますので、順路に沿ってご紹介します。

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ねねの道|御影石を敷き詰めた石畳の道

高台寺の西側の道路をこの地で19年の余生を送った北政所・ねねにちなんで『ねねの道』と名付けられています。

ここから上へ上がると高台寺です。

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台所坂|ねねが実際通った道

高台寺を訪れるときに通る細い階段の道を『台所坂(だいどころざか)』と呼ばれています。

細い通路の脇には沢山の紅葉が植えられているため、初夏は新緑、秋は紅葉がとても綺麗です。

有名な写真撮影スポットとして、観光客にも大人気の場所です。

この『台所坂』は、ねねが実際に秀吉の墓所へ参拝する際に使った道と言われています。

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庫裡

境内に入るとまず『庫裏(くり)』が見えてきます。

内部は非公開ですが、白壁と木組みのコントラストが美しい建物です。

さらに左手に行くと、拝観入口です。

大人:600円/小中学生:250円(高台寺掌美術館との共通券)

高台寺・高台寺掌美術館・圓徳院の3館共通割引拝観券:900円

拝観時間:9時~17時30分(受付は17時まで)

遺芳庵|壁いっぱいの吉野窓が特徴的

受付を済ませ、順路の通りに進むと『遺芳庵(いほうあん※茶室)』が見えてきます。

藁ぶきの屋根と『吉野窓(よしのまど)』と呼ばれる壁いっぱいに開けられた丸窓が特徴です。

元々は京都の豪商・灰屋紹益(はいやしょうえき)が妻の吉野太夫(よしのたゆう)を偲んで建てたもので、1908年(明治41年)に境内に移築されました。

湖月庵/鬼瓦席(茶室)

右手にはこちらも茶室の『湖月庵(こげつあん)』です。

またこの拝観経路からは見ることはできませんが、この湖月庵の裏側に四畳半茶室である『鬼瓦席(おにがわらのせき)』が設けられています。

こちらでは、現在でも定期的にお茶席が設けられるそうです。

方丈|本堂的な位置付け

こちらが『方丈(ほうじょう)』です。

創建当時の『方丈』は『大方丈』、『小方丈』と2つの建物に分かれており、伏見城の建物を移築した壮麗な物だったと伝えられています。

現在の方丈は、1912年(大正元年)に再建された建物です。

この『方丈』は中に入ることができご本尊の『釈迦如来(しゃかにょらい)』がお祀りされています。

『方丈』とは住職が生活する場所のことで、『高台寺』では『仏殿』が焼失してしまった後、『方丈』がいわゆる本堂的な位置付けになっています。

波心庭|白砂が美しい

『方丈』の前には、立石や砂紋で構成されている『波心庭(はしんてい)』を拝むことができます。

夜のライトアップ時には、プロジェクションマッピングが映し出されることもあります。

正面の門は『勅使門』で天皇の使者だけが通ることができる門になります。

『波心庭』という名前の通り、白砂には大きな波紋が描かれています。

中門

境内の奥に進むと、庭園への入り口である『中門(ちゅうもん)』が見えてきました。

唐破風(からはふ)の屋根が特徴的な『唐門(からもん)』です。

高台寺庭園|国の史跡・名勝

『中門』を抜けて中に入ると、国の史跡・名勝に指定されている『高台寺庭園(こうだいじていえん)』が広がっています。

庭園全体が、安土桃山時代から江戸時代にかけての名作庭家『小堀遠州(こぼりえんしゅう)』が作った魅力的な『池泉回遊式庭園』で『臥龍池(がりゅういけ)』と『偃月池(えんげついけ)』、2つの池が配置されている庭園は『小堀遠州』の代表作で桃山時代〜江戸時代初期の庭です。

桃山時代を代表する庭園とも言われ、火災に見舞われつつも当時の姿を保っていると評価されています。

1927年(昭和2年)に国の史跡、名勝に指定されました。

池の近くにはフォトスポットがあり、写真撮影を楽しむ人の姿が見られます。

ハギやカキツバタ、紅葉が美しく、10月下旬から12月初旬の紅葉シーズンにはライトアップされ、21時30分まで見ることができます。

また、方丈前の庭園には大きな枝垂桜があり、花見のシーズンにはこちらもライトアップされる。

開山堂|創建当時から残る建物

庭園の東西に配された池の中央に鎮座している建物が、江戸時代の1605年(慶長10年)に建てられた重要文化財の『開山堂(かいざんどう)』です。

元々北政所の持仏堂で、創建当時から残る建物です。

内部には『高台寺』を開山した『三江紹益(さんこうしょうえき)和尚』の木像の他、北政所の兄である『木下家定(きのしたいえさだ)』と妻『雲照院(うんしょういん)』の像、『高台寺』の普請に尽力した『堀直政』の木像が祀られています。

開山堂の天井は秀吉の御座舟の天井と、ねねの御所車の天井を用いたものだと言われています。

また天井には『狩野山楽(かのうさんらく)』により描かれた龍図が広がっています。

観月台|晩年ねねが立っていた場所

回廊の中央にある少し高い屋根のある建造物が重要文化財の『観月台(かんげつだい)』です。

この『観月台』から、ねねがその晩年、秀吉に想いを馳せて月を眺めたと伝えられています。

『観月台』は創建当時のもので、伏見城の遺構を移設したものだそうです。

臥龍廊|龍の背に似ている

開山堂から向かって左側に延びている回廊が『臥龍廊(がりょうろう)』です。

屋根が龍の背に似ていることからこの名が付きました。

全長は約60メートルあり、通常通ることができませんが、特別公開で通ることができる時もあります。

霊屋|ねねと秀吉をお祀り

庭園の東側の池を超えた先にあり、境内の一番高い場所に建つ『霊屋(みたまや)』は北政所の墓所です。

1605年に建てられ、重要文化財に指定されています。

内部には『北政所』『豊臣秀吉』の木像、『大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)像』がお祀りされています。

仏具の扉にあたる『厨子(ずし)』、本尊を安置する台座のような『須弥壇(しゅみだん)』には、『高台寺蒔絵(こうだいじまきえ)』と呼ばれる華麗な蒔絵が彩られており、高台寺ならではの優美で繊細な装飾は必見です。

見る人を魅了するきらびやかな装飾は、桃山時代の漆工芸美術の技術が応用されているそうです。

『大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)像』は中央の厨子内に祀られていますが、通常は扉が閉じられており、その姿を見ることはできません。

『北政所』は自分の姿を写した像の約2m下に埋葬されています。

独特の雰囲気を感じるお堂でおススメです。

ご利益は秀吉とねねという事で『夫婦円満』が期待できます。

傘亭|千利休の設計?!

『霊屋』から進んだところにある茶室『傘亭(かさてい)』です。

『傘亭』は桃山時代に造られ、伏見城から移築され、国の重要文化財に指定されています。

『傘亭』の正式名称は『安閑窟(あんかんくつ)』と言いますが、この建物の天井は全て竹を使って組まれており、その骨組みがまるで傘のようなので『傘亭』と呼ばれるようになったんだとか。

千利休による設計ともされるが詳細は不明です。

時雨亭|伏見城の遺構

『傘亭』から土間の渡り廊下でつながっている二階建ての建物が、重要文化財の茶室である『時雨亭(しぐれてい)』です。

茶室にしては珍しい2階建てで、階上から眼下に広がる風景を眺めるために、開放的な造りになっています。

『時雨亭』も元々は伏見城にありましたが、『高台寺』の造営と共に移築されました。

『時雨亭』も『傘亭』と同じく、桃山時代に建築された茶室で、伏見城の遺構、千利休の意匠によるものと伝わっていますが詳細は不明です。

雲居庵

庭園をぐるりと一周して最後に待っている建物が、茶室の『雲居庵(うんごあん)』です。

こちらのお茶席では常時お抹茶の接待を頂くことができます。

高台寺掌美術館|拝観後に行くとより興味深い

こちらは高台寺で拝観料600円を払えば入ることができる『掌美術館(しょうびじゅつかん)』です。

『高台寺』の門前向かいにある京・洛市『ねね』の2階にあり、『高台寺』や関連寺院の宝物や蒔絵の調度品や絵画などがあり、『高台寺』の拝観後に行くとより興味深くみることができますよ。

小規模の美術館なので20~30分ぐらいで十分楽しむことができます。

『掌美術館』単独での入場料金は大人:300円/中高生:250円です。

御朱印|51枚目の御朱印を頂きました!

こちらが『高台寺』の御朱印になります。

『仏心』とは仏のもつ心、また仏の悟りのことをいうみたいです。

アクセス|八坂神社・清水寺から近い!

電車の場合

JR『京都駅』下車:徒歩約20分
京阪電車『祇園四条駅』下車:徒歩約10分
阪急電車「阪急河原町駅」から徒歩15分

バスの場合

JR『京都駅』から市バス206系統に乗車→『東山安井』下車:徒歩約7分
京阪電車『祇園四条駅』から207系統バスに乗車→『東山安井』下車:徒歩約7分

車の場合

高台寺の境内には、自家用車から大型バスまで対応している駐車場があります。

24時間対応で、最初の1時間が600円、その後は30分ごとに300円加算されていくシステムです。

高台寺・圓徳院を鑑賞した方は、窓口の方に申告すると1時間駐車無料券を貰えます。

高台寺:〒605-0825 京都府京都市東山区下河原町526

おまけ|高台寺天満宮もおススメ!

こちらはねねが『高台寺』を建てるときにその鎮守社として1606年に創建した『高台寺天満宮』です。

高台寺の駐車場近くにあります。

天満宮の名の通り、ご祭神は『菅原道真(すがわらのみちざね)』をお祀りしています。

『高台寺天満宮』は、菅原道真公に因んでは『学問の神様』として、豊臣秀吉公に因んでは『開運出世の神様』として、幅広く信仰を集めています。

まとめ|ねねと秀吉に会いに行こう!

ねねの秀吉への思いがつまった『高台寺』は如何でしたか?

ここに訪れるとどこか優しい気持ちになれたような気がします。

『高台寺』は京都でも人気がある観光名所の1つ、是非訪れてみては如何でしょうか?

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