京都の東山にあるフォトジェニックなスポットとして人気の『八坂庚申堂(やさかこうしんどう)』というお寺があるのをご存じでしょうか?
天台宗のお寺で、正式名称は『大黒山 延命院 金剛寺』です。
地元の方からは『八坂の庚申さん』と呼ばれ親しまれており、ここ数年、インスタなど、SNS映えする写真の撮影スポットとして若い女性や観光客が増えた注目のパワースポットです。
今回は『八坂庚申堂』の境内の見どころやご利益、御朱印などを分かりやすくご紹介します。
八坂庚申堂の歴史から簡単にご紹介
それではまずは『八坂庚申堂』の歴史から簡単にご紹介。
中国の『道教(どうきょう※中国三大宗教【三教と言い、儒教・仏教・道教を指す】の一つ)』を由来とする庚申信仰を日本で最初に始めたお寺とされており、大阪四天王寺庚申堂、東京入谷庚申堂(現存せず)とともに日本三庚申の一つとされる日本最古の庚申堂です。
本尊の『青面金剛(しょうめんこんごう)』は飛鳥時代に、京都の豪族である『秦氏(はたし)』の守り神として中国大陸から招来され、秦氏の守り本尊として祀られたものだと言われています。
しかし今から約1000年前の平安時代に、秦氏滅亡の際に、平安時代の僧侶『浄蔵貴所(じょうじょうきしょ)』が一般の人も『青面金剛』にお参りできるようにと、960年(天徳4年)に『八坂庚申堂』を創建し、以後、日本最初の庚申信仰として信仰を集めるようになりました。
八坂庚申堂のご本尊と期待出来るご利益
それでは『八坂庚申堂』のご本尊と期待出来るご利益をご紹介します。
ご本尊として『青面金剛(しょうめんこんごう)』がをお祀りされています。
元来は、密教で鬼病を流行させる鬼神。体は青色で、二本、四本または六本の腕があり、弓矢宝剣を握り、頭髪はさか立ち、体に蛇をまとい、足に鬼を踏んでいる。
『青面金剛』は『庚申(かのえさる)の日』に体内から出てきた『三尸(さんし※道教の教えによる人間の体内にいる虫のこと)』の虫を食べるといわれ、篤く信仰されました。
人の体内には『三尸』という3種類の悪い虫が棲み、『庚申(かのえさる)の日』の夜、眠っている間に体から出て天帝にその人の罪を告げ口しに行くといいます。
そして、『天帝(てんてい※天に居て万物を支配する神)』は罪の大きさに合わせて、その人の寿命を短くする罰を与えるというものです。
そこで、寿命を短くされないように、『庚申(かのえさる)の日』の夜は身を慎んで徹夜する信仰と行事『守庚申(しゅこうしん)』が生まれました。
眠らなければ、三尸が体から出ることが出来ないと言う発想です。
この習慣を『庚申待ち』と呼ばれています。
『庚申(かのえさる※60ある干支の組み合わせの57番目)の日』とは、干支(えと、かんし)の『庚(かのえ)』、『申(さる)』の日のことを言います。
『庚申(かのえさる)の日』は年に6回あります。
今でも『庚申(かのえさる)の日』の晩になると『青面金剛』を拝む人がたくさんやってきます。
また、一晩一心に拝むことで、どんな願いごとも叶うと言われています。
期待出来るご利益
『八坂庚申堂』の開祖である『浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)』が、父親の病気祈願でコンニャクを捧げたところ父親の病が治ったことから、『病気平癒』のご利益があるとされています。
また、『庚申の日』と大安が重なる日に新しい下着を持参し、御祈祷してもらい身につけると下の世話にならないそうで『タレコ封じ』と言います。
その他には『心身浄化』、『災難厄除け』、『病魔退散』等にご利益があるとされています。
ここ数年では、『青面金剛』の使いとされる猿のお守りで祈願する『良縁成就』、『縁結び』のご利益が女性に人気になっています。
境内の見どころ
それでは境内の見どころをご紹介します。
正門|まずは参拝しましょう!
こちらが『正門』になります。
門をくぐるとすぐに写真を撮りたくなると思いますが、まずは参拝しましょう。
融通尊|映えスポットはここ!
門をくぐり、まず目に飛び込んでくるのは『融通尊』といわれるお堂です。
カラフルなボールのようなものは『くくり猿』と言い、この中におられるのが『なで仏 賓頭盧尊者(びんづるそんじゃ)』です。
『賓頭盧尊者(びんづるそんじゃ)』は、お釈迦さまの弟子の1人で、撫でたところの悩みや苦しみを和らげて下さるありがたい仏様です。
この仏様は腰痛や頭痛などの悩みを聞いてくれるとされており、頭や足、腕、腰など直したい患部を撫でて拝むとご利益があるといわれています。
カラフルな『くくり猿』は欲望のままに行動するお猿さんが、欲に走る心を戒めるために、手足をくくられ身動きができない姿を表しているのが特長です。
叶えて欲しい願いをペンで書き込み、それを吊るすと願いが叶うと言われています。
願掛けする際に紐で結ぶことから『猿結び=縁結び』のご利益があるという事に加え、特に若い女性にはSNS映えする写真が撮れるという事でも大人気になっています。
願いを込めて欲を一つ我慢すると、願いを叶えてくれるそうです。
つまり、一つの欲望封印により、一つの欲望が叶うというわけです。
本堂|浴衣でインスタ映え!
こちらが一番奥にある本堂です。
960年に建立され、現在のお堂は1679年に再建されたものです。
『八坂庚申堂』は、日本三大庚申の一つで、『庚申信仰発祥の地』とも言われています。
『庚申信仰』では、猿は神の使いとされていて『見ざる、言わざる、聞かざる』の3匹の猿が本堂をはじめ、いたるところにいます。
『本堂』と『山門』の屋根の上には、『見ざる、言わざる、聞かざる』の三猿がちょこんと座っていますよ。
本堂の両脇にも沢山の『くくり猿』がつるされています。
SNS映えする写真が撮れるという事で浴衣で写真を撮っている方が多かったです。
お守り|くくり猿は数量限定!
人気の『くくり猿』はこちらで購入できます。【初穂料】500円
『くくり猿』は手作りで、販売数が限られています(平日約100個、週末約300個)。
夕方にはなくなることもあるので早めに行くのがおすすめです。
その他にも数種類の御守りやおみくじなど、様々な商品があります。
御朱印|52枚目の御朱印を頂きました!
こちらが『八坂庚申堂』の御朱印になります。
真ん中の朱印は『見ざる言わざる聞かざる』の三猿です。
料金:300円
アクセス|人気の安井金比羅宮の近く!
電車の場合
京阪本線『祇園四条駅』1番出口下車:徒歩約10分
京阪本線『清水五条駅』4番出口下車:徒歩約15分
阪急京都線『河原町駅』1B出口下車:徒歩約20分
バスの場合
・京都駅前バスターミナルからバス停『清水道』下車:徒歩約3分
八坂庚申堂:〒605-0828 京都府京都市東山区金園町390
まとめ|京都で一番SNS映えするお寺!
『くくり猿』という人気のお守りで彩られた恋愛成就のパワースポット『八坂庚申堂』は如何でしたでしょうか?
カラフルでフォトジェニックな写真を撮りたくなる素敵なお寺です。
是非、たった一つの願いを込めて、『八坂庚申堂』を参拝してみては如何でしょうか?
京都で良縁を願うなら『八坂庚申堂』の近くにある『安井金比羅宮』もオススメですよ。
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