京都市内から西に国道9号線を車で走っていると老ノ坂(おいのさか)トンネルがあり、その手前に左にそれる道があります。
その細くさびしい林の中、ひと気の無い廃墟になった建物群を横目にしばらく進むと、ひっそりと立つ鳥居があらわれます。そこが首塚大明神です。
全国屈指の心霊スポットの数を誇る京都において、その中でも特に危険度が高いといわれる心霊スポットであり、なんと日本三大心霊スポットの1つとして心霊マニアにささやかれている首塚大明神。
ここにはいったい「何が」いるのでしょうか?
手水舎で手を洗わずに鳥居をくぐると呪われる、深夜に訪れると祟られるなどいわれている首塚大明神ですが、その歴史や実際にあった心霊体験などのうわさ、口コミとあわせてご利益もご紹介します!
首塚大明神の歴史|鬼の王「酒呑童子」伝説
皆さん大人気を博したマンガ「鬼滅の刃」はご存知ですよね?
鬼がいる世界で、鬼の始祖である鬼舞辻無惨を倒して、妹を救うために鬼殺隊とよばれる剣士のひとりとなった主人公のいわば鬼退治のお話です。
実は昔、この京都でも鬼退治の伝説がありました。
それはこんなお話です。
平安時代初期(西暦800年頃)、鬼の王である酒呑童子(しゅてんどうじ)は京都中部にあたる丹波国の大江山(現在の大枝山)に住み、鬼の部下を引き連れて都に出ては金銀を盗み、婦女をさらう悪行の数々をおこなっていました。
時の帝、一条天皇は陰陽師である安倍晴明に占わせたところ、酒呑童子一行の鬼のしわざであるとつきとめました。
一条天皇は武勇に名高い源頼光(みなもとのよりみつ)と、その家来である四天王「渡辺綱(わたなべのつな)、坂田金時(さかたきんとき)、碓井貞光(うすいさだみつ)、卜部季武(うらべのすえたけ)」や、藤原保昌(ふじわらのやすまさ)に酒呑童子を征伐することを命じます。
しかし、酒呑童子にはまともに戦っても勝てるはずもないので、頼光一行は酒呑童子たちを油断させて「神変鬼毒酒(しんぺんきどくしゅ)」という神から授かった酒を振る舞い、酔わせたところを頼光は童子切りという名刀で酒呑童子の首を切り落とします。
それでも首が頼光の頭に食いついたそうですが、八枚重ねの兜は、神の守護する兜なので、七枚まではその歯が通りましたが、頼光には届かず、ついに息絶えたそうです。
頼光たちは討ち取った首を京へ持ち帰ろうとしますが、老ノ坂で道ばたの地蔵尊(子安地蔵)に「不浄なものを京に持ち込むな」と忠告されると、とたんに首が重くなりその場から動かなくなってしまいました。怪力の坂田金時(足柄山の金太郎)が押しても引いてもびくともしません。
一同は童子の首をその地に埋葬することにしました。
その場所がここ首塚大明神です。
本殿|酒呑童子のご利益とは?
鳥居から石段を登った先に本殿はあります。
ご祭神は鬼、酒呑童子です。
ご利益なんてあるの?と思う方もいるでしょうが、あるんです!
ご利益は「首から上の病気平癒」
酒呑童子は首を切られる時に今までの罪を悔い、これからは首から上の病を持つ人を助けたいと言い残したと伝えられています。
お社の上にこんな和歌がありました。
「いにしえは 鬼のかしらと いひけれど いまは佛に 勝る首塚」
これは「昔は人々に害をなした鬼の首ではあるが、今ではその鬼の首の霊験によって、仏よりも人々の役に立っている首塚である」というような事が書かれています。
そして本殿の裏に土がこんもり盛ってある場所があるんですが、そここそが酒呑童子の首が埋められた場所です。
出典:https://kameoka.net/bunka/jinja/kubizuka
さらに見どころとしては本殿前に落雷により中が炭化して空洞になってしまった大木があり、雷が落ちてもなお立ち続ける生命力を感じさせます。
そして下の方には神社を管理するためでしょうか、建物がありました。本殿には酒呑童子というだけあってお酒がお供えされていましたし、キチンと管理されているようでした。
ここまで登って来る途中ですが木の根なんかで足下が少し歩き辛くなってるので気をつけて登ってくださいね。
実際にあった怖い体験談
首塚大明神では数多くはないですが心霊体験談や、目撃情報があります。
目撃情報は「赤い服の女性を見た」というのが多いようですが、体験談は意外と少ないようでした。その一つをご紹介します。
これは、ネットに投稿されていた話です。
大学生のとき10人くらいで夜に肝試しに行きました。 真夏なのに湿った空気、時空が歪んだような空間。
いかにもな雰囲気でしたが何も起こらなかったので帰ろうとしたら突然パン!!パン!!というラップ音?がしてみんな弾かれたように停めてた車のところへ走りました。
そしたら車の室内灯が2、3度チカチカ点滅(もちろんエンジンは切ってある)しました。その場にいた全員が見ました。
怖かったのでとにかく帰ろうとみんな車に乗り帰路につき車内で「さっきの何やったんやろね~」とか話しているとひとりが「え!ちょっと後ろのガラス見て!!」と。
見たらバックガラスに無数の手形が。小さかったのでおそらく子供の手形かと…。車2台で行ったのですが2台とも付いてました。
そのあと私は怖くてひとり暮らしの部屋に帰る気になれず、近くに住んでいた友人の家に泊めてもらったのですが、夜中過ぎ寝ているとコンコンとノックの音。
こんな夜中になぜ??恐る恐る確認したら誰もいない。それが何度かあり怖くて怖くて全く寝れなかったです。
安易に肝試しなんてするもんじゃないですね。
(投稿者の年齢性別は不詳)
その他には、肝試しに行こうとしたカップルが、首塚大明神の方から青ざめた女性を支えながら帰ってくるおびえた若者グループを見て、引き返したという話があるくらいでした。
とにかく遊び半分で行くところではありませんね。
モーテル「サンリバー」|不気味な廃墟が立ち並ぶ心霊スポット
首塚大明神へ、国道9号線から横道に入って間もなくあらわれる廃墟群。
ここは昔、「サンリバー」というモーテルでした。
「京都 心霊スポット」で検索すると首塚大明神とあわせて近くにあるこの廃モーテルも紹介されていることが多いです。
なぜかというとこの見た目の異様さもそうなんですが、実はここでは昔、若い女性が殺されたという事件があったのです。
首塚大明神を調べていくうちにわかったんですが、なんと心霊体験や目撃情報の現場のほとんどはこの廃モーテルの方でした。
建物群の中で唯一2階建ての建物。ここが殺人事件があったモーテルの管理事務所といわれるところです。
この2階の管理人室で女性が殺され、ベッドの下に遺体が隠されていたそうです。
ここでは、「女性の泣き声が聞こえる」、「2階の窓から女性がこちらを見ている」などの目撃情報が非常に多いです。
ここで先ほどの首塚大明神での霊の目撃情報を思い返してみてください。
「赤い服の女性」
この女性の霊とは、実はこのモーテルに現れる霊のことではないでしょうか。
目撃した方たちの情報だとほとんどの方は首塚大明神を訪れる前に、ここを訪れていたそうですし、やはり首塚大明神での心霊現象の原因はこの廃モーテルにある可能性が高いと思われます。
実際ここは神聖な雰囲気の首塚大明神とはまた異質な空気を感じました。非常に気持ち悪い雰囲気です。
事件のあった建物の中にはいたるところにお札が貼ってあるという噂ですが、間違っても面白半分に中へは入らないようにしてください。
首塚大明神を動画でご紹介
アクセス|徒歩ならバスが便利!
首塚大明神 〒610-1106 京都府京都市西京区大枝沓掛町
JR嵯峨野線「亀岡駅」 京阪京都交通バス 「JR亀岡駅南口」〜「老の坂峠」約18分 そこから徒歩15分
本数が限られてますので帰りの時間はおぼえておきましょう!
ちなみにこのバス停にも霊の目撃情報が多いです。近くに霊園があるためか、、この世のものでない何かがバス停にいても目を合わさないようにしましょうね!
そして車で行かれる方にぜひご注意いただきたいのが、老ノ坂付近は過去に死亡事故が頻発したことから平成28年5月に交通死亡事故多発警報が発令されていますのでぜひ安全運転でお気をつけください!
まとめ|首塚大明神は行っても大丈夫?
実はここへは霊能者の方にも一緒に来ていただいていたんですが、その方が視るかぎり、首塚大明神は非常に空気が澄んでおり、清められた神社であるとの事でした。毎年4月には例祭も行われているそうです。
そしてやはり廃モーテルは霊能者の方も気持ち悪くなるほど良くない場所との事でした。
首塚大明神に参拝するのは大丈夫とのことですが、皆さん廃モーテルの前を通る時はなるべく意識せずにジロジロ見たりしないでくださいとのことです!(写真を見るだけなら大丈夫!)
最後に、首塚大明神に向かう途中の道でなにげなく撮った写真をご覧ください。
廃モーテルを過ぎた後に撮った写真ですが、、、
謎の青い発光が写っているのがお分かりでしょうか?
では、皆さんもお気をつけてご参拝ください。
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